<< 「うつわのいろは」一覧へ戻る
うつわのいろは うつわの素材 木編

うつわの素材 木編


木のうつわは、その素材である木の種類に影響を受けます。
木は、大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」という2つに分類でき、
細胞と組織の成り立ちが異なるため、木のもつ性質も違います。
そしてそれぞれの木は、色合いや雰囲気、
使い込んでいった後の表情の変化などの見た目はもちろん、
重さや硬さなど実用の面でも違いがあります。

うつわに使われる木は、数ある木の種類のなかでも、
うつわとしての実用に耐えうる強度や耐水性などがあるものが選ばれています。
そのなかから、さらにそれぞれの木の個性を知ることで、
好みに合わせて素材を選ぶ際の参考にご覧ください。

うつわの素材 木 一覧
  • 1.針葉樹

    葉の先が針のように尖っている木。
    寒い地域を中心に分布します。
    全体的に木肌が滑らかで、きめ細かいことが特徴です。
    それゆえ、日本では古くから針葉樹が木材として好まれてきました。
    また針葉樹は密度が低く、柔らかく軽い素材であるため、
    加工しやすいというポイントもあります。

    また、爽やかな香りを放つ「フィトンチッド」と呼ばれる
    成分が多く含まれるのも針葉樹です。
    フィトンチッドは、抗菌・防虫などの効果があります。

    • スギ(杉)

      パン皿 (柴田慶信商店)

      スギ科。
      本州以南に広く分布する、日本の代表的な木の一つ。
      日本原産で、秋田杉や屋久杉などが有名な産地です。
      特徴は吸湿性、殺菌効果、そして爽やかな芳香。
      抗菌作用や防腐作用もあります。 非常に柔らかく弾力があることから、秋田・大館の「曲げわっぱ」など、曲げ物によく使われます。

    • ヒノキ(檜/桧)

      間伐材檜 リスボウル (薗部産業)

      ヒノキ科。
      スギに次いで造林面積が広い、日本の代表的な木材の一つです。
      美しい光沢と緻密な木目。そして爽やかな芳香が特徴で、古くから針葉樹随一の高級材として使われてきました。
      抗菌作用があるほか水や湿気にも強いので、うつわに適しています。

    • ベイマツ(米松)

      ナチュラルプライウッド プレート
      ラウンド (ゴールドクラフト)

      マツ(松)科。
      加工性、耐久性に優れ、適度な硬さがあります。
      木肌は少し赤みがあり、緻密でシャープな木目が美しく、食事の和洋問わず似合う凛とした雰囲気が魅力です。

  • 2.広葉樹

    葉が広く平たい木。
    温かい地域を中心に分布します。
    密度が高く、重くて硬いことが特徴。
    強度があり、傷が付きにくいというメリットがあります。
    また木目が変化に富んだものが多く、
    うつわに加工したときの見ごたえもあります。

    尚、針葉樹の種類は約540種ですが、広葉樹は20万種以上あります。
    そのため、上記の特徴から外れた種類もあり、木ごとに個性豊かです。
    また、cotogotoで扱っているうつわに使われている木の種類も、
    圧倒的に広葉樹の方が豊富です。

    • ケヤキ(欅)

      銘木椀 けやき (薗部産業)

      ニレ科。
      硬く強度があり、力強く美しい木目から、古来より日本で最良の広葉樹とも言われ、漆器の木地にも多く用いられてきました。
      黄味の強い、はっきりとした色合いも特徴的。

    • サクラ(桜)

      銘木椀 さくら (薗部産業)

      バラ科。
      数あるサクラの中でも、「ヤマザクラ」が木材として有用な種とされ、反りや割れの心配が少なく、強度があります。
      木肌はきめ細かく、光沢があり、使っていくと赤みのある濃い茶色に変化していきます。
      日本人が大好きな木なだけあって、うつわの材にもよく選ばれますが、人気ゆえに最近では材を確保することが難しくなっています。

    • ブナ(橅/椈)

      銘木椀 ぶな (薗部産業)

      ブナ科。
      白神山地のブナ林のように、広大な面積の森をつくることがあります。
      扱いが難しいという問題がありましたが、加工技術が発達し、近年うつわなどに用いられるように。
      木目が目立ちにくく、洋の食卓にも似合うような、白っぽいナチュラルな色合いです。

    • ナラ(楢)

      銘木椀 なら (薗部産業)

      ブナ科。
      うつわに用いられるのは「ミズナラ」が主で、硬くて強度があります。
      正統派でかっこいいという印象の、力強さのある木肌です。
      ずっしりと重みがあり安定感があります。
      ブナ科の木のなかでも、特に「虎斑(トラフ)」と呼ばれる虎のシマのような模様がはっきりと現れます。

    • クリ(栗)

      銘木椀 くり (薗部産業)

      ブナ科。
      水気や湿気に強く、耐久性があるので、線路の枕木や家の柱にも使われてきた木です。
      見た目はキメが粗く、重厚な印象。
      落ち着いたクリの実のようなクリーム色です。

    • カシ(樫)

      樫椀 (喜八工房)

      ブナ科。
      非常に硬く、強度がある一方で、加工には高い技術を要します。
      また国産の材のなかで、最も重い木です。
      ブナ科の木のなかでも、特に「虎斑(トラフ)」と呼ばれる虎のシマのような模様がはっきりと現れます。

    • カエデ(楓)/メープル

      tone プレート
      (ダブルダブルファニチャー)

      カエデ科。
      日本で木材として使われるのは、「ジャパニーズメープル」とも呼ばれる「イタヤカエデ」が主。
      白っぽく少し赤みがかった、緻密で滑らかな木肌が特徴です。
      また、波のような光沢模様「縮み」や、小鳥の目のような小さな円形の斑点「バーズアイ」が現れることもある、貴重な材です。
      非常に硬く、強度があります。

    • クルミ(栲)

      くるみの豆皿 (工房えらむ)

      クルミ科。
      スモーキーで深みのある色合いで、淡く紫色がかっている場合も。
      木目は、重厚感と独特の光沢があります。
      狂いや割れが少なく粘りがあるので扱いやすく、最近では作家もののうつわでも多く見られます。

    • シナ(科)

      Cara ディッシュ(高橋工芸)

      シナノキ科。
      北海道が主な産地ですが、長野にも多く分布し、「信濃」の語源となったとも言われています。
      白っぽく優しいクリーム色で、木目が目立ちすぎず、主張し過ぎない柔らかい雰囲気があります。

    • セン(栓)

      Kami プレート (高橋工芸)

      ウコギ科。
      北海道が主な産地。
      黄みがかった白っぽい色味と光沢感がケヤキと似ていることから、ケヤキの代わりとして漆器の木地にも使われます。

    • シオジ(塩地)

      ナチュラルプライウッド トレー
      スクエア (ゴールドクラフト)

      モクセイ科。
      はっきりとしたまっすぐな木目が魅力です。
      柔らかく落ち着いた色合いで、北欧的な雰囲気も似合います。

    • クスノキ(樟/楠)

      ウッドプレート
      (アキヒロ ウッドワークス)

      クスノキ科。
      蒸すことで、防虫剤や医薬品に使用される「樟脳」が採れる木です。
      虫を寄せつけないため、樹齢が千年を超えるものもあり、信仰の対象として神社などで奉られることも。
      うつわとして加工された後も、樟脳と同じ爽やかな香りが残ります。
      水気や湿気に強く、壮大な木目が見られることがあります。



※参考書籍:
「民藝の教科書 木と漆」久野恵一監修/萩原健太郎著(グラフィック社)
「MOKUZAI.COM」木の種類・知識
「木づかい.com」木の基礎知識
「木材博物館」

ご利用ガイド