東屋

千年もつ道具を、「作り手」と「使い手」の立場から

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東屋の方とお話をしていると、強い言葉が返ってきます。迷いもなく、直ちに。

―― 扱う商品は?
「嘘をつかない道具」。
―― どんな道具?
「化粧をしていないもの」。
―― デザインと機能なら?
「機能を優先させる」。

東屋のことを、何屋さんだと表現すればいいのでしょう。
まずは、東京・南青山に「東青山」という店舗をかまえ、国内外の良質な日用品や作家ものの器を販売しています。それから、外国の家電・雑貨、国産の暮らしの道具などを、小売店に卸すことも。そして、「東青山で扱う商品の8割程度はオリジナル」というとおり、東屋ブランドのものをつくっています。

といっても、東屋で製造をするわけではありません。間に立つ存在になっているということです。たとえば、デザイナーと職人の間に立ち、市場にある既製品では満足できないもの、必要だと思うものを提案し、彼らのそれぞれの技術や想い、こだわりを汲みながら、ひとつのものをかたちづくっていきます。

それはつまり、「作り手」と「使い手」の間を取り持つ、道具の受け渡し的な存在にもなり得るのです。


だから、妥協はありません。
「なんでそんなところにこだわるんだ」。付き合いの短い職人さんからは、そんな風にいわれることも少なくないそうです。それでも、よりよいものづくりをするためには、諦めることはできないのです。時間をかけて向き合い、お互いを理解し、考えを深めあい、そして、根気強く職人さんとの関係を築いていくのだそうです。


「大事に使えば、千年だってもつ道具もあります」と東屋の方はいいます。
「千年もつ道具」とは、「物理的」に千年の耐久性がある道具、という意味ではないようです。おそらく、現代の技術を持ってすれば、物理的に千年もつものをつくることは可能でしょう。でも、それではないのです。
東屋の生み出す道具はつまり、「使い手」が「使いたい」と思えるもの、です。長く、大切に使っていきたいと思い、「使い手」の思いに応えるように、道具は美しく経年変化を遂げ、そしてそれが、次の世代にまでも求められるもの。
千年求められ、応じることのできる道具。それが東屋にはある、と。

その迷いのない自信は、「作り手」である日本の職人の存在と日本の素材がもたらすもの。
職人は、東屋の要望をきちんと聞いてくれると同時に「こういう風にしたらもっと使いやすく、求めるものに近づくのでは?」、そんな風に常に"改善要素"を提案してくれる、「受け身」にならない姿勢。それは信頼関係があってこそ成し得ます。素材は、日本の自然の中で取れるものから適した材料を選択。
「使い手」が本当に必要なもの、時間をかけて育つものをつくろうとしたとき、ちゃんとした素材を使い、ちゃんとした技術でつくることは不可欠なのです。
たとえ時間と手間がかかったとしても。

ひとつの商品ができるまでには、じっくり時間を費やすそうです。
そして、でき上がってきたサンプルは、東屋の方々が実際に使います。使ってみて使いやすいか、丈夫か、どういう変化をしていくのかをきちんと考え、必要であれば、何度でも手をかけ、改良します。
「作り手」に関わりながら、同時に「使い手」の立場を忘れることはないからです。

東屋の方々は料理上手だそうです。
こんな東屋の道具ほど、信頼できるものが、ほかにあるでしょうか。


「東青山」のこと

東京・表参道の華やかなブランドショップが並ぶ通りを過ぎ、根津美術館につきあたれば、その向かいに東青山があります。
大きな窓からたっぷりの光が入る、どこか長閑な店内。のんびりと商品を手に取って見ることができます。
店舗では個展やワークショップが行われることも。


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東青山
東京都港区南青山6-1-6 パレス青山1階
☎03-3400-5525 定休日:火曜日 営業時間:正午〜午後7時
※店内のディスプレイ、商品等は随時変わります。

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