私たちが比べてみました
鉄瓶編
2016年12月公開
いつかは欲しい、憧れの鉄瓶。
鉄瓶で沸かしたお湯は、身体が吸収しやすい
「二価鉄(にかてつ)」と呼ばれる鉄が含まれ、貧血予防に効果的というのは有名な話。
代謝アップや便秘解消などに役立つ「白湯(さゆ)」をつくるために、
鉄分補給もできて一石二鳥以上の鉄瓶が欲しいという人も多いのでは。
とは言え安いものではないので、迷ってしまうのも事実。
一生使える鉄瓶選びのポイントをおさらいしましょう。
スタッフの紹介
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メグミ
30代、既婚。
アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)を取り入れるなど、身体にいいことへの関心が高い。 -
レイコ
40代、既婚。
貧血気味のため、鉄分摂取の必要性を感じている。 -
ナオミ
30代、既婚。
毎日ポットに入れて持ち歩くほど、白湯大好き。7歳の娘とともに愛飲中。 -
カナ
30代、未婚。
鉄瓶の見た目に惹かれ、いつかお迎えしたいと考え中。
どんな鉄瓶を使っていますか?または欲しいですか?
レイコ
私は毎朝白湯を飲んでいるので、鉄瓶が欲しいなあとずっと思っていました。
特に「釜定」が大好きで、とうとう最近お迎えしてしまいました!
いろんな鉄瓶に出会ってきたけれど、
やっぱり「釜定」のかたちやバランスがたまらなくて。
私は貧血に悩んでいるので、鉄分補給もできるし助かります。
ちょうどこれから使い始めるので、とっても楽しみです。
メグミ
「釜定」いいですよね~。
私も健康のために白湯を飲んでいるので、
いつかは鉄瓶が欲しいんです。
今は野田琺瑯の容量2Lのやかんで沸かして、
湯量が半分くらいに減るまで煮詰めています。
私が取り入れている「アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)」では、
湯気を出すことで有害物質を排除し、
半分まで煮詰めると便秘の薬になると言われていて、効果があるんですよ。
ナオミ
我が家も白湯生活しています!
朝沸かした白湯をポットに入れて、一日中持ち歩いていますよ。
暑い時期も含め一年通して習慣化していることだから、
鉄瓶で沸かすようになったら、さらに身体にいいんだろうなと期待しています。
我が家は収納スペースが限られるので、持ち手が倒れる「東屋 大」を狙っています。
底が広くて沸騰するのも早そうですよね。
カナ
私は白湯を飲む習慣は無いのですが……、
鉄瓶の見た目のかっこよさに憧れているのと、
鉄分補給のために欲しいと思っています。
と言うのも、少し貧血気味なのだけど、
好き嫌いやアレルギーのため、レバーなど鉄分が摂れる食材が食べられなくて。
1人暮らしなので、一番容量の小さい「東屋 小」が欲しいなあと考え中です。
レイコ
白湯は本当におすすめ!
白湯をはじめる前、実は便秘がひどかったんですけど、
白湯を飲むようになったらすぐに改善されました!
あと冷え性もすごく良くなったの。
鉄瓶で白湯を沸かせば、さらに美味しくなって、鉄分まで補給できちゃうから、
やらなきゃ損ですよ~。
早速、鉄瓶を比べてみましょう
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白湯を沸かしてみました
▲使い込まれた「東屋 大」。
▲「東屋 大」。左が新品、右が2年程度使用済み。
レイコ
今回は、東屋さんのご厚意で「東屋」の大サイズを貸してもらいました!
既に何度も使用されているものなので、艶と貫禄が出ていて素敵です。
メグミ
見るからに、美味しそうなお湯が沸きそうです!
「釜定」と「OIGEN」は新しいものを用意。
すすいだ後、何度かお湯を沸かして準備は万端です。
ナオミ
「釜定」は2~3回ほど繰り返し沸かした後も、
鉄の粉が出てきて少しびっくりしました。
飲んで問題があるものではないけれど、
気になる場合は5~10回ほど沸かしてから
飲用にしたほうがいいかもしれませんね。
▲「東屋 大」。
カナ
それでは、各鉄瓶に水を入れて、コンロで火にかけます。
そのまま待つと……、「東屋」の沸騰が一番早いです!
大サイズは底が広いから、火が当たる面も多くなるんですね。
ナオミ
「釜定」も僅差で沸騰しました。
残す「OIGEN」は容量も多いし、鉄が厚めなので、
他よりかなり時間がかかってしまいました。
▲左から電気ポット、「釜定」、「OIGEN」、「東屋 大」。
メグミ
そのまま沸騰を続けて、
各鉄瓶で沸かした白湯と、電気ケトルで沸かした白湯を
飲み比べてみましょう。
ナオミ
鉄瓶の白湯は、どれも一本芯が通っているような
すっとした味わいですね!
レイコ
特に「東屋」は味がまるくて美味しい!
やっぱり使い込まれて湯垢※がついている鉄瓶だからでしょうか。
我が家の「釜定」もこんな風に育ってくれたらと思うと、
ますます可愛がりたくなっちゃいます。
※湯垢(ゆあか):カルシウムなどの水中の様々な成分が白く付着したもの。
過度な錆の発生を抑え、お湯をまろやかにする効果があります。
浄水器でろ過した水よりも、カルシウム含有率が高い
ミネラルウォーターの方が付着が早まります。
カナ
やっぱり皆さん普段から白湯を飲んでいるから、
些細な味の違いがわかるんですね!
正直私には、各鉄瓶の味の違いはあまりわからないけれど……。
たしかに電気ケトルの白湯は、後味がざわっとして雑味を感じます。
鉄瓶の白湯は、無駄が削ぎ落とされた味わい!
メグミ
飲む前は、素人に分かるほどの味の違いがあるのかなあと思っていましたが、
飲んでみると、電気ケトルとの差は歴然!
普段飲んでいるやかんの白湯ともまた違う、
すっきりした美味しさを感じました。
ナオミ
「釜定」と「OIGEN」の味の違いは、
個人差はあるかもしれないけれど、私はそこまで感じませんでした。
どちらもこれから使い込んで湯垢がついたら、さらにまろやかな味になるんだろうな。
こんなに美味しくて、鉄分も摂れるなんて一石二鳥ですね!レイコ
鉄瓶での鉄分補給と言えば、
よく「どの鉄瓶が一番貧血に効きますか?」なんてお問合せがありますよね。
以前メーカーの方に相談したこともありますが、
恐らく鉄分の流出量の差があったとしてもごく僅かなもので、
はっきりとした違いは専門機関に検査でも出さない限りわからないくらい僅差だそう。
カナ
だったら、自分にとって気に入ったデザインと使い勝手の鉄瓶を選んで、
毎日継続して鉄分を補給することが大事ですね!
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デザインって大切です
▲左から「釜定」の「秋の実 あられ」、「秋の実 肌」。
レイコ
「釜定」の鉄瓶って、本当に素敵ですよね~。
欧米での個展開催やフィンランド在住経験のある
三代目・宮伸穂さんのデザインだからでしょうか。
絶妙なバランス感がたまりません。
あと、外側が本漆で仕上げられているから、使い込むと艶と光沢が美しいんです。
まだ買ったばかりですが、孫子の代まで受け継ぐ気満々です!
メグミ
そういったデザインフィーの部分で
ちょっとお値段が張る……というのも事実ですが、
それでも一生ものと考えればお値段以上に魅力的!
ドットのような模様の「あられ」と、ざらっとした質感そのままの「肌」、
どちらも毎度瞬殺で売切れてしまうくらい人気ですよね。
▲あられ模様の比較。
ナオミ
「OIGEN」も同じようなあられ模様ですが、
「釜定」の方がばらつきがあり、小粒で控えめな感じ。
「OIGEN」のあられは一つ一つの粒が詰まっていて、はっきりしています。
元々少し艶っぽさもありますね。
▲「OIGEN」。
レイコ
「OIGEN」は昔ながらのぶんぶく茶釜みたいに、
たぬきのようなまぁるいかたちが安心感あって、かわいいですよね。
▲「東屋 小」の持ち手を倒したところ。
カナ
ただ「OIGEN」も「釜定」も
持ち手が倒せないので収納時には不便ですよね。
慌てて持ち手をつかもうとした時に倒れてしまう心配はありませんが、
やはりスペースに余裕がない我が家には「東屋」かなあ。
▲左から「東屋」の「小」、「大」。
メグミ
「東屋」は大と小でデザインが違うから、選べる楽しみもありますよね。
大はどっしり安定したかたちで、直接火が当たる面積が大きく、
小はコンパクトで場所をとらない。
その上、表面の質感も少し違うのが面白いです。
▲「東屋 大」の裏側。
レイコ
裏側はIHに対応させるために
凹凸が入っていますが(IH対応は大のみ)、
これが三つ巴の柄になっているところが東屋さんって感じ!
見えないところまで素敵です。
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容量や重さも比べてみましょう
▲容量一覧。
カナ
「東屋 小」は容量1Lと、まさに1人暮らしや、
毎朝の白湯1杯だけを沸かすにはちょうど良さそう!
メグミ
私は湯量が半分くらいに減るまで煮詰めているから
「東屋 小」ではさすがに小さすぎるかなあ。
ナオミ
容量は「OIGEN」が圧倒的に大容量ですね!
大家族や、料理などあらゆるものに使うお湯も
鉄瓶で沸かしたい!という人には良いのかも。
レイコ
我が家の場合、白湯だけ鉄瓶で沸かして
料理などで大量のお湯が必要になときには、やかんで沸かす予定。
その場合、「釜定」や「東屋 大」あたりで十分です。
▲重さ一覧。
メグミ
「OIGEN」は大容量なのもあって、とにかく重たい!
特に沸かしたお湯をポットやマグカップに移すとき、
片手で蓋を押さえ、もう片手で持ち手をつかむと、
片手になかなかの負荷がかかるので、腕が鍛えられそうです(笑)。
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実はお手入れ楽々です!
メグミ
鉄瓶を買うにあたって一番心配なのは、ちゃんとお手入れできるかどうか……。
錆びさせちゃったらどうしようって、とても不安です。
▲未使用時の内側の様子。
レイコ
過度な錆が発生して「金気※」が出ないように、
どの鉄瓶も仕上げの工程を工夫しているから大丈夫ですよ!
「釜定」「東屋」は、南部鉄器の伝統的な「焼抜き」と呼ばれる金気止めを行っています。
一方、「OIGEN」は岩手大学の教授などを迎えて、
金気止めの技法を科学的な視点で見直し、
完成度の高い安定した特殊な防錆技術を生み出したんだとか。
これらの工程により、鉄瓶内部に酸化皮膜ができ、金気を防いでくれるんです。
※金気(かなけ):鉄瓶の湯が濁るほど赤く錆びること。
単に表面が赤く見えるだけでお湯は澄んだ状態のことを「錆」と言い、
昔から鉄瓶職人の間では、「金気」と「錆」を区別したそう。
▲「東屋」の内部に白く付着した湯垢。
カナ
なるほど。
つまり金気さえ出なければ、錆は問題ないと捉えて良いんだ!
そして使っていくと、この酸化皮膜のうえに、
さらに湯垢が何層にも重なって、味をまろやかにしていくんですね。
ナオミ
だから、鉄瓶の内側は絶対に触っちゃダメって言われているのかあ。
触っちゃうと、金気を防ぎ味をまろやかにしてくれる
酸化皮膜や湯垢がとれちゃうんですね。
レイコ
あとは、湿気が一番の過度な錆の原因ですから、
お湯を沸かした後、鉄瓶に水気を残さないことも大事ですよ。
メグミ
沸いたら、そのまま保温ポットなどに全部移してしまって、
あとは蓋を開けたまま余熱で乾かせばいいんですね。
洗う必要もないし、思った以上にお手入れ簡単!
カナ
私は鉄瓶を買っても、暑い時期は使わない気がするんです。
そういうときは、新聞か布で鉄瓶を包んで、
湿度の低い冷暗所に保管するのがいいんだとか。
湿気にさえ気をつければ、しまい込んでも大丈夫なんですね。
レイコ
私も錆びさせちゃうんじゃないかって、心配だったけれど、
お湯の色が変わるほどの錆、つまり金気じゃなければ気にしなくてOK。
釜定さんも「錆びることは自然の姿であって、
錆びない鉄瓶というのはありえない。
むしろ気にせずに使い込むことで解決される」とおっしゃっています。
革製品のように育てるようなつもりで、
毎日使うことが一番のお手入れになるみたいですよ。
メグミ
錆を過剰に気にしすぎないことが大事なんですね。
万が一、金気が発生してしまっても、
錆を落として煎茶で煮出せばリセットすることが可能。
なんだか私でも上手にお付き合いできるような気がしてきました!
最後に、鉄瓶の違いをまとめてみました
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鉄瓶 (釜定)
【価格(税抜)】
詳しくはこちら
秋の実 肌:32,000円
秋の実 あられ:33,000円 -
水沢姥口鉄瓶 (東屋)
【価格(税抜)】
詳しくはこちら
大:18,000円
小:12,000円
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鉄瓶 観月アラレ (OIGEN)
【価格(税抜)】
詳しくはこちら
15,000円