9月は新米の季節でもあります。
同じく秋の花・菊花をさっと茹でたものと一緒に、秋の散らし寿司に。
香ばしいちりめんじゃこと、炒り白ゴマをたっぷり混ぜ込むと、
シャキシャキ、ぷちぷちと歯ごたえも楽しめます。
菊の鮮やかな黄色がさし色になった、上品な一品は、
秋のおもてなし料理としてもおすすめです。
材料(2~3人分)
- 「キノコの酢醤油漬け」
…カップ1強(約220ml) - 米…2合
- 黄菊…1/2パック(正味30g)
- 炒り白ゴマ…大さじ2 1/2
- ちりめんじゃこ…25g
- 酢…75ml
- 砂糖…大さじ1 1/3
- 塩…少々
(A)
つくり方
1. 米は、かために炊き上がるよう水加減して普通に炊きます。
2. (A)は、砂糖が溶けるまで混ぜ合わせます。
【ポイント】
「キノコの酢醤油漬け」に酢が利いているので、すし酢の酢は少なめにします。
3. 黄菊は花びらを摘み取り、色を鮮やかに仕上げるため酢大さじ1程度(分量外)を加えた熱湯に入れてさっと茹でます。ざるにとって絞り、(A)大さじ3を注いで漬けておきます。
4. 「キノコの酢醤油漬け」は、ざるにのせて汁気を軽く切ります。
5. ご飯が炊き上がったら、残りの(A)を回しかけてさっくり混ぜ、炒り白ゴマ、ちりめんじゃこ、4を加えてさっくりと混ぜます。
6. うちわなどであおいで粗熱をとり、軽く絞った黄菊を加えて混ぜます。
石澤さんが選んだ器は…
パレスプレート 220(1616/arita japan)
マットな質感と、大輪の花が咲いたような華やかなかたちの平皿。「散らし寿司といっても地味なので、少し軽やかな器がいいと思ったんです。和にも洋にも使えるシンプルさがありつつ、シンプルすぎないところが使いやすいです。厚みと重さの感じもいいですね」
「キノコの酢醤油漬け」は、火を通すことで酸味が旨みに変わります。
キノコから美味しい出汁も出るので、煮物の具としても大活躍。
今回は、旨みが強い鶏骨付き肉と一緒に煮付けます。
酢の効果で、肉の骨離れがよくなりやわらかく仕上がります。
キノコを噛むと、すべての旨みがじゅわ~っと染み出て、口中に広がり、
“食欲の秋”がますます進む、ごはんとも好相性の煮物なのです。
材料(2人分)
- 「キノコの酢醤油漬け」
…汁ごとカップ1強(約220ml) - 鶏骨付き手羽中…8本(500g)
- 塩…少々
- 油…大さじ2
- 水…100ml
- 酒…大さじ2
- 豆苗…1/2パック(正味40g)
(A)
つくり方
1. 鶏肉は、全体に軽く塩をまぶします。
2. 鍋に油を熱して1を転がしながら焼き付けます。全体にこんがりと焼き色が付いたら、ペーパータオルなどで余分な油を拭き取ります。
3.「キノコの酢醤油漬け」、(A)を加え、煮立ったらフタをして弱めの中火で5分(鶏肉をやわらかくしたい場合は10分)煮ます。フタをとって中火にし、鶏肉を転がしながら、汁気が煮詰まるまでさらに10分煮ます。
【ポイント】
煮詰めていくことで、酢の酸味が飛び、甘みに変わっていきます。味付けが「キノコの酢醤油漬け」と塩だけなので、しっかり煮詰めて味を出します。
4.さっと茹でた豆苗を添えます。
石澤さんが選んだ器は…
色絵みかん 7寸鉢(九谷青窯・徳永遊心)
小さめの高台から大らかに広がり、縁の部分が少しすぼまったかたちの鉢。「かわいらしいみかんの絵柄が、色味が茶色っぽくて地味な煮物を引き立ててくれます。抱え込むようなかたちは、煮物が盛り付けやすいですね」
教えていただいたのは…
料理研究家 石澤清美さん
料理書編集者を経て、料理研究家へ。長年、食べることで体と心を調える「食養生」を勉強。国際中医師・国際中医薬膳師、米国 Nutrition Therapy Institute(NTI)認定栄養コンサルタント、ハーバルセラピストなどの資格を保持。雑誌、書籍、テレビ、食品会社へのレシピ提供はじめ、料理教室も開催。毎日のおかずから、保存食、お菓子やパンなどレパートリーが広く、著書も多数。「麹甘酒パワーレシピ」(学研プラス)、「おいしい手作り保存食」(学研パブリッシング)、「毎日食べてもふとらない 体にやさしいお菓子」(主婦の友社)など。オフィシャルサイトは、こちらから。