うつわのいろは うつわの技法 陶磁器 成形編

うつわの技法 陶磁器 成形編


うつわは使い勝手をよくしたり、見た目を美しくしたりするために、
陶磁器や木などの素材ごとに、さまざまな技法が用いられます。
「うつわの技法」では、数ある技法のなかから、
cotogotoで取り扱っているうつわにも使われている技法を取り上げています。

陶磁器編では、「釉薬」や「装飾」、「成形」の技法を扱います。今回は成形編です。


陶磁器はうつわのかたちによって用いられる成形の技法が異なります。
また一つ一つ個性のあるうつわをつくりたい、安定してたくさんの数をつくりたいなど、
つくり手の目指すものによって異なる技法をとります。
同じようなかたちのうつわでも、成形技法が変わると大きく印象が変わる面白さも。

cotogotoで扱ううつわの成形には、
主に「ロクロ」「タタラ」「鋳込み」の3種類の技法が使われています。
このほかにも「手びねり」や「紐づくり」など
手で一つずつつくる少量生産向けの技法もあります。

人の手の温もりを感じるもの、
個体差の少ない均一な仕上がりのもの、
好みに合う成形法のうつわを選んでみてください。

  • 1.ロクロ

    「ロクロ(轆轤)」と呼ばれる円盤の中心に土を置き、
    ロクロを回して手で土を目指すかたちに誘導します。
    飯碗など正円形のものをつくることができます。
    電動で回るロクロのほか、足で蹴って回す「蹴ロクロ」もあります。
    「土練り3年、ロクロ10年」といわれるほど
    技術のいる成形方法ですが、
    一つずつ手で生み出されたうつわは個性豊かで、
    味わい深さがあります。
    手仕事の趣きあるうつわを求める方に。



    • しのぎ平皿 (宋艸窯)

      ロクロを使わず、「タタラ」と型を使ってもつくれるかたちですが、あえて一つずつロクロで挽くことで、個性を出しています。
      詳しくは宋艸窯の工房訪問へ。

    • ご飯茶碗 (東屋)

      ロクロにのせて成形したり、仕上げに削ったりした跡が螺旋状に残り、味わいがあります。
      ロクロの勢いが感じられる飯碗です。

    • 面取飯碗 (福光焼)

      昔ながらの蹴ロクロでの成形にこだわる窯元「福光焼」のもの。
      一定のスピードで回る電動よりも、不揃いで、人の手を感じられる温もりのあるものがつくれます。

  • 2.タタラ

    土を薄く、均一な厚みの板「タタラ」にして成形すること。
    石膏などでつくった型にタタラを押し当てることで、
    同じかたちのうつわを効率的につくることができます。
    楕円形や四角形、変わったかたちのうつわも成形可能。
    型を使いますが、型に押し付けたり仕上げたりするのは
    人の手によるものなので、ロクロ同様、かたちには個体差があり、
    温もりのあるうつわを求める方に。
    タタラ同士をくっ付けて、箱状や筒状のものをつくることも。



    • 白磁鍔型皿 (九谷青窯)

      刀の鍔のかたちに見立ててつくられた、鍔型のうつわ。
      変わったかたちですが、これもタタラ板を型に押し当てることでつくられています。
      手仕事によるゆがみすら愛嬌のある仕上がりに。
      詳しくは九谷青窯の工房訪問へ。

    • ラディッシュ オーバルベーキング
      (4th-market)

      薄いタタラ板でつくられた耳付きのオーバル皿。
      ゆらゆらと揺れるような縁の仕上げや、型に押し当てるときなどに付いた表面のわずかな凹凸に、柔らかさと温かさを感じます。

    • スリップウェア プレート
      輪紋 (山田洋次)

      泥状の化粧土「スリップ」で模様を描いた「スリップウェア」という技法。
      タタラに描き、様々なかたちの型に押し当てることで、うつわのかたちのバリエーションが生まれます。

  • 3.鋳込み

    土を泥状にしたものを、石膏でつくった型に流し込んで成形する技法。
    機械を使って型で成形するので、ロクロやタタラよりも高い精度で、
    ほぼ同じかたちのうつわを量産できます。
    均一な仕上がりを求めたい方に。
    磁器の成形に多く使われます。





※参考書籍:
「産地別 やきものの見わけ方」佐々木秀憲監修(東京美術)
「いまからはじめる陶芸入門」上田宗寿、河合竹彦著(新星出版社)

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