管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2018 大雪
2018年12月公開
急にぐっと気温が下がり、冬らしくなってきました。
そして、気がつけば二十四節気も「大雪(たいせつ)」に。
寒さが身に染みる日が続きますが、
お家の中で、粋なおつまみにお気に入りの一杯を添えて
ぬくぬくと過ごしてみてはいかがでしょうか。
大雪の献立
甘エビの昆布〆
調理時間:25分
35kcal(1人分)
そのままいただくよりも、ひと手間加えることで、
甘エビのお刺身が格段に美味しくなる昆布〆。
昆布〆とは調理法の一つで、主に魚の刺身を昆布で挟み、
しばらくの間置いたもの。
刺身の水分が昆布に吸われることで身が締まり、
昆布の旨味成分であるグルタミン酸などが刺身に移って、
そのまま食べる刺身とはまた違った深い味わいになります。
昆布のよい香りがふわっと漂い、ほどよい弾力があり、
お好みでゆずなどを絞ればさっぱりといただけます。
甘エビは、スーパーで売っている
刺身で十分なので、手軽につくれるのもうれしいポイント。
刺身はそのままだと傷むのが早いですが、
昆布〆にしたことで、日持ちもします。
お酒好きな人へのおもてなし料理にもおすすめです。
-
材料:2人分
甘エビの刺身…大12尾
(小なら16尾/80g)
昆布(乾燥、薄いものでもよい)…約幅7cm×長さ12cmのものを2枚
塩…小さじ1/6
日本酒…少々
ゆず…好みで適量
つくりかた
-
1.
甘エビは、表裏に塩を振って5分ほどおいておきます。
-
2.
キッチンペーパーに日本酒を少量含ませ、昆布の表面を拭いて湿らせます。
【ポイント】
表面を湿らせる際には水でも問題ありませんが、日本酒を使うと風味が加わります。 -
3.
2の昆布1枚に、甘エビを隙間なく並べます。
-
4.
並べ終わったらもう1枚を上からかぶせ、甘エビと昆布の間に隙間ができないようにしっかりとラップで包みます。
【ポイント】
表面が波打った昆布だと、甘エビと昆布の間に隙間ができやすく味ムラの原因になってしまいます。なるべく平らな昆布を使うようにしましょう。 -
5.
冷蔵庫で15分ほど寝かせたら、上の昆布を外して器に盛りましょう。お好みでゆずを少々絞れば、さっぱりといただけます。
【ポイント】
甘エビは表面積が広く、身もやわらかいので短時間で昆布の味が染み込みます。そのため、時間を置きすぎてしまうと昆布の味ばかりが目立ってしまうので、寝かせる時間は正確に計りましょう。
栄養のまめ知識
*甘エビを含むエビ全般には「銅」が豊富に含まれており、今回のメニュー1人分(6尾)量で1日の摂取推奨量のおおよそ1/4量を賄うことができます。
「銅」は免疫細胞の代謝に関わり、免疫力を高める働きをもつ栄養素。免疫力が低下すると感染症にかかりやすく、かかった場合には症状が悪化しやすくなります。これから気温が低くなり、空気が乾燥してくるにつれ、空気中のインフルエンザウイルスなどのウイルスの活動が活発になってきますから、感染を防ぐためにも今から「銅」の摂取と十分な睡眠、バランスのいい食事を心がけて免疫力を高めておきましょう。
*甘エビは、正式名称を「ホッコクアカエビ」といい、北半球の寒いところに棲息していて、名前の通りエビの中でも甘味の強い種類です。殻をむいて売っているものは、身にハリがあり赤みの強いものを選びましょう。有頭のものは、頭がぐらついていないものを。鮮度が落ちると独特なにおいを発するので、においもチェックしましょう。
料理に使った器や道具
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/