年末年始の家しごと手帖

2019年12月公開
2019年も残り一ヵ月を切り、もう年の瀬。
大掃除やおせちの準備、鏡餅や注連縄の飾りつけなど
年末年始に行う諸々は、1年を司る「年神様」を迎え入れるためにとても大切なことです。
年神様とは、お正月になると各家々にやってきて、その家の1年を守り、統べる神様。
そんな大切な神様をお迎えするために、準備はしっかりしておきたいもの。
だけど、「大掃除はいつまでに終わらせればいいの?」「正月飾りはいつ飾る?」など、
いったい何から手をつけていいのやら……。
今回は日本に古くから伝わるお正月準備の由来を学びつつ、
年神様を迎え入れるための準備と必要な道具をご紹介します。
新元号・令和になってはじめて迎える新年を、快適に清々しく過ごせるようにしたいですね。
12月8日 事納め
昔の農家では12月8日に作業を締めくくり、
年神様を迎える正月準備をはじめていたことから、この日を「事納め」と呼んでいました。
何かとバタバタする師走。
少し早く感じるかもしれませんが、準備は早いに越したことはありません。
来年のカレンダーを用意したり、これからの正月準備の段取りを決めるのもいいかもしれません。
12月上旬 お歳暮
日頃からお世話になっている人に感謝の気持ちを込めて贈るお歳暮。
もともとは、年越しにご先祖様へお供えする品を本家や実家に贈っていたことにはじまります。
贈る相手が正月準備で慌ただしくなる前の、12月上旬を目安に届くようにしましょう。
年始の挨拶で渡すお年賀も、この時期に準備しておけば直前になって慌てることもありません。
12月13日 すす払い
年神様を迎えるために、本格的な正月準備のはじまりとされている大掃除の日。
中国で生まれた天文学・占星術によると旧暦の12月13日は大変縁起のいい日ということから、
年神様をお迎えする準備をはじめる日になりました。
全国の神社でもこの日にすす払いの神事は残っていて、
テレビや新聞などでその様子が伝えられる年末の風物詩とされています。
現在では大掃除は年末に行うイメージが強いですが、
早めに取りかかれば、何かとやることの多い年末の作業が楽になりますよ。
12月28日 お正月の飾りつけ
年神様を招き入れる目印となる飾りつけをします。
大掃除が終わって家中がきれいになった後、
28日までに済ませるか、30日に飾りつけるのがベター。
「二重苦」で縁起が悪い29日と、
「一夜飾り」といい、年神様に失礼にあたる31日に飾りつけるのは避けましょう。
12月29日 おせちづくり
お正月に欠かせない、おせち料理。
中国から季節の節目を祝う「節(せつ)」の文化が伝わり、
奈良時代から平安時代にかけて、宮中では季節の節目に「節会(せちえ)」という宴が開かれるようになりました。
節会では特別な料理である「節供(せちく)」が振舞われ、それが現代のおせちの起源となっています。
おせちは、一般的な家庭料理よりも下処理などの手がかかる食材が多いため、
段取りよく調理できるように道具の用意もぬかりなく。
12月31日 大晦日
年の変わり目の大切な日。
年越しにはさまざまな習わしがありますが、
一般的なのは家族揃って年越しそばを食べる風習ではないでしょうか。
そばは長く伸ばして細く切る食べ物なので、
細く長くということから「健康長寿」、「家運長命」などの
縁起を担いで食べられるようになったといいます。
一年最後の食事を美味しくいただくため、年越しそば用の丼やカトラリーを用意しておきましょう。
1月1日 お正月
一年のはじまりであるお正月は、年神様が一年の幸福をもたらすために各家庭にやってくる日。
年神様は先祖の霊魂である祖霊神であり、田の神、山の神でもあることから、
「五穀豊穣」や「子孫繁栄」に深く関わり、人々に健康や幸福を授けてくれるとされています。
たくさんの幸せを授けてもらうために、
おせちやお雑煮など、縁起のいいものを食べてお祝いしましょう。
1月11日 鏡開き
お正月の間、年神様が宿る場所だった鏡餅をお雑煮やお汁粉にして食べる行事。
お供えし、開き、食べることで一年を幸せに過ごせる力を授けてもらうという意味があります。
地域によって鏡開きをする日は異なり、
門松が飾られている期間である松の内を1月7日までとする関東は、1月11日。
松の内を15日までとする関西などでは、鏡開きも同日にする場合が多いとされています。
1月15日 小正月
年神様を迎え入れる目印や宿る場所だった正月飾りを燃やし、
正月行事に区切りをつける日。
お迎えした年神様が、正月飾りなどを焼いた煙に乗って天上に帰るとされています。