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BOTANICAL LIFE 01

家の中に緑を取り込む— 観葉植物編 —

「観葉植物」は、その名の通り、葉を鑑賞するための植物です。
あらかじめ鉢に植えられた状態で手に入ることが多いので、部屋に置くだけ。
植物のある暮らしを手軽にはじめられます。
室内でも育てられるので、庭やベランダがない人にもおすすめ。
部屋で楽しむヒントや基本の育て方をご紹介します。



  • Q1.観葉植物の取り入れ方は?

    観葉植物は、まれに花が咲いたり紅葉する種類もありますが、
    基本的には常緑で、1年中ほぼ同じ姿を楽しめます。
    瑞々しい緑色が加わることで部屋が明るく見えたり、
    ちょっとした隙間が埋まることでインテリアがまとまります。
    部屋の中を見渡して、少し物足りないと感じる空間こそ、
    観葉植物を置くべき場所かもしれません。

    • \ 家具と家具の間に /

      家具と家具の隙間には、小ぶりなサイズや縦に伸びるタイプの観葉植物を。椅子の上などに置いて高さを出すと、部屋のどこから見ても目に入ります。

    • \ 棚の上に /

      部屋の上部の空間にも緑が欲しいところ。つる系の垂れるように生える観葉植物を吊るしたり、棚の上に配置すると、空間にボリュームが出て華やぎます。

    • \ 食卓に /

      瑞々しい緑があると、爽やかな印象に。大き過ぎない、席についたときに自然と目に入るサイズがおすすめです。

    • \ 寝室に /

      寝室にも、観葉植物を置くとさらにリラックスできる空間になります。ベッドに横たわった状態でふと目に入るサイドテーブルの上などに。

    • \ 洗面所に /

      殺風景になりがちな洗面エリアも、観葉植物があるとおしゃれな雰囲気に。シダ系の植物なら、日当たりが悪い場所でも育ちます。

  • Q2.観葉植物を選ぶときのポイントは?

    葉の大きなものや小さなもの、垂直に伸びるものや葉を横に広げるもの、
    また、つる状に葉が垂れて育つものなど、さまざまな特徴がある観葉植物。
    好みや置きたいスペースに合うかはもちろん、
    選ぶ際に知っておきたいのが、それぞれの植物が好む「生育環境」です。
    たとえば、さんさんと日が降り注ぐ環境でないと育たないものもあれば、
    反日陰のようなある程度の日差しがあれば大丈夫なもの、
    はたまた、強い日差しが苦手というものもあります。
    耐陰性や耐寒温度など、種類によって育ちやすい環境はさまざま。
    基本的に植物には置かれた場所に対する順応性があるので、
    あまり神経質になる必要はありません。
    とはいえ、置く場所と適した環境が違うほど、育てるのが難しくなってしまいます。
    観葉植物を購入する際は、性質や生育環境をよく確認するようにしてください。

    はじめての人におすすめなのは、ある程度の耐陰性があり、
    耐寒温度が5℃くらいまである、日本の一般的な住居環境に順応しやすいもの。
    育てやすい植物からスタートすれば、肩の力を抜いて楽しめるはず。

    はじめての人におすすめ!

    • ガジュマル

      幹の途中から「気根」という根が生えた独特な樹形が特徴的。「幸福の木」とも呼ばれ、人気の観葉植物です。沖縄、インド、東南アジアといった亜熱帯から熱帯に生息し、日光を好むので、窓辺など日当たりのいい場所に置きましょう。

      耐寒温度:0℃以上
      光を好む(◎)
      水やりのタイミング:土が乾いたら
      葉水のタイミング:水やりのタイミングで

    • シェフレラ コンパクター

      手の平をぱっとを広げたような葉のかたちと、広がったりすっと伸びていたり、枝ぶりの多様さが特徴的。中国や台湾が原産で、温帯から亜熱帯に生息しています。耐寒性、耐暑(たいしょ)性、耐陰性に優れ、丈夫で育てやすい観葉植物の代表格です。

      耐寒温度:0℃以上
      耐陰性がある(〇)
      水やりのタイミング:土が乾いたら
      葉水のタイミング:水やりのタイミングで

    • エレンダニカ

      葉のかたちがブドウの葉に似ているつる性の植物。吊るしたり高いところに置くと、垂れ下がるようにつるが伸びるので、部屋の上の方の空間を彩るのに一役買ってくれます。耐陰性があり、多少暗いところや照明だけでも育ちます。

      耐寒温度:5℃以上
      耐陰性がある(〇)
      水やりのタイミング:土が乾いたら
      葉水のタイミング:水やりのタイミングで

    • トキワシノブ

      猫の尻尾のようなふさふさとした根茎が、岩や木などにくっついて育つ着床植物。中国が原産のシダの一種で、湿度を好み、直射日光は苦手です。多少の光があれば、湿気のあるお風呂場や洗面所などにおすすめ。シダの中では丈夫で育てやすく、一般的な観葉植物と同じ感覚で育てることができます。

      耐寒温度:5℃以上
      強い光が苦手(△)
      水やりのタイミング:土が乾いたら
      葉水のタイミング:水やりのタイミングで

  • Q3.部屋のどこに置けばいい?

    置く場所について、一番わかりやすいポイントは日当たりです。
    基本的に植物は光合成をするため、光が必要。
    とはいえ、直射日光が当たり過ぎると葉が変色する「葉焼け」を起こしてしまうので、
    基本はレースのカーテン越しがおすすめ。
    日当たりが偏らないよう、水やりのタイミングなどに、植物の向きを変えるのも大切です。

    ただ、すべての観葉植物を
    日当たりのいい窓辺に置かなければならないわけではありません。
    耐陰性のあるものは、窓から離れていても、光が回っているような明るい場所なら大丈夫。
    逆に明る過ぎる場所が苦手な植物もあります。
    植物ごとに性質を確認して、それに合わせた場所を選びましょう。


    部屋の各所と植物との相性

    光を好む植物…◎ 耐陰性のある植物…〇 強い光が苦手な植物…△ 植物に適さない…×

  • Q4.日々のお手入れ方法は?

    観葉植物を育てるためにまず大切なのは、いつも気にかけ、よく見ること。
    水やりのタイミングや環境の変化による影響など、
    毎日観察していると、植物の出すサインが見えてきます。
    日々のお手入れは、水やり、換気、葉水、不要な葉を取り除くことの四つ。
    それぞれ、植物の出すサインを見ながらやるとうまくいきます。

    • 土が乾いたら、水やりを

      水やりは、毎日する必要はありません。室内は土が乾きにくく根腐れを起こしやすいので、基本は、しっかり土が乾いてから。土全体を濡らすように満遍なく、鉢の底穴から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。受け皿に水が残ったままになると、それも根腐れの原因になるので、水やりの後は、受け皿の水の捨て忘れにも気をつけましょう。土の種類によっては乾いているか判断がつきにくいこともあります。葉の厚みが薄くなったり、ぐったりしているなど、植物自体の様子もよく観察を。

      種類によっては水やりの頻度が特殊な場合も。買う際に、植物の性質と生育環境をよく確認することが大切です。

      【シダ系の観葉植物の場合】
      常に土が湿った状態が理想のものもあり、その場合は毎日水やりが必要です。

      【サボテンや多肉植物の場合】
      種類によって水やりの頻度がさまざま。とくにサボテンには、乾燥地域で育つ「砂漠性」と熱帯地域で育つ「森林性」の大きく分けて2種類あり、季節によっても水やりの頻度が大きく異なります。

    • 葉水で潤いを与え、埃を防止

      「葉水(はみず)」とは、霧吹きを使って葉に水を直接吹きかけること。高温多湿を好む傾向のある観葉植物に潤いを与えるためと、葉に埃がたまるのを防ぐ目的があります。葉に埃がたまると、葉ダニのような虫がつきやすくなってしまうので、葉の裏側にも葉水を忘れずに。
      葉水のタイミングは、湿気を好むシダ類などは葉が乾いていると思ったら。その他は、水やりと同じタイミングで与えます。夏は葉焼けを防ぐため夕方や夜、冬は霜を防ぐためを朝から昼にと、葉水をする時間帯は季節によって調節を。サボテンや多肉植物は、種類によって大きく異なるので、買う際によく確認しましょう。
      使用する霧吹きは、葉に水が留まりやすいよう、なるべく細かな霧が出るものがおすすめです。

    • 定期的な換気で、心地いい空間に

      日当たりや水やりと同じくらい、換気も大切。水やり後、風通しが悪いと、土が乾きにくく根腐れが起きやすくなってしまいます。また、カビや菌、虫がつきやすくなる原因にも。最低1日1回は部屋の換気をするようにしましょう。
      新鮮な空気に入れ替えることは、人にとっても気持ちのいいこと。植物が育ちやすいように環境を整えることは、結果的に暮らしの心地よさにもつながるのです。


    • 不要な葉を落として負荷を減らし、見た目を整える

      枯れた葉や黄色くなった葉を見つけたら、取り除きます。他の葉に水や栄養を行きやすくなり、植物への負担が減らすことになります。

      葉が伸びてきたら、壁や回りのものに当たってしまう部分をカットしたり、見た目を整える意味で不要な葉や枝を落とします。



  • Q5.こんなときはどうしたら?

    • 家をしばらく不在にするとき……

      1週間程度であれば、出かける直前にたっぷり水やりをすれば大丈夫。シダ類など、湿気が必要なものは、受け皿に水をためた状態にしておきます。1週間以上家を空ける場合は、人に預けるようにしてください。

    • 葉が一部、黄色くなったり枯れてしまった……

      たまに黄色くなる程度であれば問題はありません。また、古い葉を落とし、新芽を伸ばしたりもするので、枝先の新芽の様子の確認を。原因はさまざまですが、一番は水やりが適切でない可能性があります。水が多すぎても少なすぎても黄色くなってしまいます。まずは、水やりの頻度を見直して様子を見てみてください。

    • 葉に白い蜘蛛の巣のようなものがついている……

      葉ダニの可能性があります。葉ダニは、クモの仲間で、葉の裏側につきやすく植物の養分を吸って繁殖します。見つけたらすぐに拭き取ります。観葉植物を日々観察し、ひどくなる前に発見できれば問題ありません。

    • 寒くなってきたら葉が落ちてしまった……

      寒さに弱い観葉植物は、体への負担を減らすため葉を落とし休眠状態になることがあります。あたたかくなると復活するので、すぐにあきらめず、いつもより回数を減らしながら水やりも続け、様子を見てください。

北中植物商店のこと

東京都三鷹市大沢の野川沿いにある
夫婦2人で営む植物店。
造園家である北中祐介さんが「庭部門」、フローリストである小野木彩香さんが「花部門」を担当。店舗での植物の販売だけでなく、庭づくりやウェディング、店舗装飾も手がけ、庭から盆栽、観葉植物、生花やドライボタニカルまで、植物との暮らし方を幅広く提案しています。
公式サイトはこちらから。

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