“夏の不調を吹き飛ばす薬膳朝ごはん” 齋藤菜々子さんに教わる「おかかと薬味の混ぜご飯」 | 仕込み上手な朝ごはん | cotogoto コトゴト
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齋藤菜々子さんに教わる「おかかと薬味の混ぜご飯」

2024年7月公開

夏の不調を吹き飛ばす
薬膳朝ごはん
齋藤菜々子さんに教わる
「おかかと薬味の混ぜご飯」

暑い日が続いていますが、食欲不振やだるさ、疲れなど、夏バテを感じていませんか。
そんなときには、体調に合わせた食材を摂る「薬膳」を
朝ごはんに取り入れて体を整えてみるのはいかがでしょうか。

今回は、料理家で国際中医薬膳師の齋藤菜々子さんに、
薬味をたっぷり混ぜ込んだ「おかかと薬味の混ぜご飯」を教わりました。
刻んだ薬味の香りが食欲を増進させ、夏に失いがちな体力、気力を補ってくれます。

ひんやり冷たくて飲みやすく、体にこもった熱を冷ましてくれる
「豆腐と梅の冷たい味噌汁」も一緒にどうぞ。

薬膳といっても特別な食材が必要なわけではなく、身近なものでつくることができます。
美味しく食べて体を整えて、暑い日も朝から元気に過ごしましょう。

教えていただいたのは……

料理家、国際中医薬膳師
齋藤菜々子さん

齋藤菜々子さん

飲食店経営の両親の元育ち、大学卒業後一般企業に就職。忙しい日々の中で食事が心身の充実に繋がることを実感し、料理の道を志します。料理家のアシスタントを務めながら日本中医食養学会、日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師を取得。「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材のみを使ったつくりやすいレシピにこだわり、家庭で毎日実践できる薬膳を提案しています。書籍・雑誌・企業へのレシピ提供、イベント出演などで活動中。
著書に「いつもの食材で体がととのう レンチン薬膳ごはん」(家の光協会)、「毎日食べたい 整いカレー」(文化出版局)、「基本調味料で作る体にいい作りおき」(主婦と生活社)など。
活動情報は、こちらから。

おかかと薬味の混ぜご飯

おかかと薬味の混ぜご飯

手づくりおかかと、みょうが、大葉、しょうがといった薬味をたっぷり混ぜ込んだご飯。
鼻を抜ける香味野菜の香りが食欲をかき立ててくれて、暑い日でもどんどんお箸が進みます。
ふわっとしたおかかに噛み応えのある昆布、しゃきっとした薬味の
さまざまな食感が一口で味わえて楽しい混ぜご飯です。

おかかは手づくりするから、塩気や甘さも控えめにできてヘルシー。
お酢も加えて、夏に食べやすいさっぱりした風味に仕上げます。
さらに、かつお節や昆布は味噌汁のだしがらを使うから、
無駄にならずに美味しく食べられる、一石二鳥なレシピです。

薬膳での食材の働き

・かつお、米
薬膳の考えで体を温め動かすエネルギーの元といわれているのが「気」です。
かつおや米は、気を補うことで疲れにくい体にし、夏バテの解消に一役買ってくれます。
かつおには血を補う効果もあるので、女性は意識的に摂るのがおすすめです。
米や肉、魚や芋類は気を補ってくれるので、常に摂りたい食材です。

・昆布
食欲が低下している人は水分が体内に溜まっている傾向があります。
昆布は余計な水分を排出して、食欲増進に繋げたり、消化を助けてくれます。

・薬味(みょうが、大葉、しょうが)
「気」の巡りをよくしてくれる食材です。
暑い時季は気が頭にのぼりやすく、ほてったり、イライラしやすくなりますが、
気の巡りをよくすることで解消してくれます。
また、爽やかな香りが心を穏やかにほぐしてくれます。

仕込み上手のポイント

前日に味噌汁のだしを取り、だしがらのかつお節と昆布を煮詰めて
おかかをつくっておきます。
朝はご飯におかかと刻んだ薬味を混ぜるだけで完成です。

材料
  • 【手づくりおかか】(つくりやすい分量)
    豆腐と梅の冷たい味噌汁でとっただしのだしがらを使います。
  • かつお節のだしがら(水けをきったもの)…50g
  • 昆布のだしがら…15g
  •  
  • (A)
  • 酒…大さじ2
  • みりん…大さじ2
  • しょうゆ…大さじ1と1/2
  • 砂糖…小さじ2
  • 酢…小さじ1/2
  •  
  • 【混ぜご飯】(2人分)
  • ご飯…2杯分(300g)
  • 手づくりおかか…約30g(完成レシピの半量)
  • みょうが…1個(10g)
  • 大葉…4~5枚
  • しょうが…1かけ(10g)
  • 白いりごま…適量
つくり方
前日まで
  • かつお節を包丁で1cm角程度に粗く刻みます。

    ※細かいかつお節の場合は刻む必要はありません。

  • 昆布を5mm幅程度の細切りにします。

    ※みじん切りだと粘りが出るので、細切りにします。

  • フライパンに1、2、Aを合わせて中火にかけ、広げて水分が飛びやすいようにします。
    煮立ったら弱火にし、焦げつかないよう混ぜながら、写真のように水気がなくなりかつお節がふわっとするまで加熱します。

    ※フライパンは「日々のフライパン」など、焦げつきにくいフッ素樹脂加工のものがおすすめです。
    ※余ったおかかは冷蔵庫で1週間保存可能。
    冷凍する場合は小分けにして空気を抜いて密封し、1ヵ月ほど保存可能。
    うどんや和風パスタなどの麺類にトッピングしたり、チーズと一緒にトーストして食べたり、サラダにのせても美味しくいただけます。

当日
  • みょうがは縦半分に切って端から薄切り、大葉は粗みじん切り、しょうがはせん切りにします。

  • ご飯、おかか、1を加えてさっと混ぜます。
    器に盛り、白いりごまを振ります。

豆腐と梅の冷たい味噌汁

豆腐と梅の冷たい味噌汁

豆腐と梅のシンプルな味噌汁。
梅の酸味と豆腐のつるっとした食感、冷たい汁の喉越しのよさで、
食欲のない朝にもするすると食べることができます。
火を使わずに手軽につくれるのも、暑い季節にうれしいレシピ。

味噌汁といえば温かくして飲むイメージがありますが、
夏は体に熱がこもりがちなので、冷たい味噌汁が美味しく感じます。

薬膳での食材の働き

・豆腐
体にこもった余分な熱を冷ましてくれる、夏に摂りたい食材です。

・梅干し
夏に失われがちな水分を補ってくれます。
また、梅の酸味には毛穴などを引き締めて、汗を抑える効果が期待できます。

仕込み上手のポイント

前日にだしを取っておけば、朝は味噌を溶いて食材を入れるだけで
火を使わずに手軽に味噌汁が完成します。

材料
  • 【だし】(つくりやすい分量、約800~900ml分)
  • 水…1L
  • 昆布…10g
  • かつお節…20g
    ※血合いでかつおの味がよく出て、おかかにしたときに食べ応えもある花かつおがおすすめです。
  •  
  • 【味噌汁】(2人分)
  • 絹豆腐…1/2丁(150g)
  • 梅干し…2個
  • だし…300ml
  • 味噌…大さじ1~1と1/3
  • 青ねぎ…適量
つくり方
前日まで
  • 鍋に水と昆布をつけ、30分~一晩置きます(一晩置く場合は冷蔵庫に入れます)。

  • 鍋を弱火にかけ、湯気が立ってきたら沸騰直前に昆布を取り出します。
    強火にして沸いたら火を止め、かつお節を加えて2分待ちます。

  • ペーパータオルや晒をしいたざるで濾します。

  • かつお節を菜箸で軽く押さえて絞ります。
    だしは保存容器などに入れ、冷蔵庫で2~3日間ほど保存可能。
    冷凍保存の場合は1か月ほど保存可能。
    ジッパー付き保存袋に入れて空気をぬいて封をし、平らにしてバットにのせて凍らせるとかさばらずに保存できます。

当日
  • 器にそれぞれ味噌を半量ずつ入れ、だしを半量ずつ注いで味噌を溶きます。

    ※この後に入れる梅干しの大きさ、塩分によりお好みで味噌の量は加減してください。

  • 豆腐を水気を切ってお椀にスプーンで大きくすくって入れ、梅干しを添え、小口切りにした青ねぎを散らします。
    梅干しをくずしながらいただきます。

齋藤さんの器選び

齋藤さんの器選び

色味のある料理が映えるような色の器を選びました。

白と紺を基調とした飯碗は、茶色いおかかや赤いみょうがの入ったご飯を
引き立ててくれます。
盛りつける面が広めで、ご飯と具材がよく見えるのもいいと思います。

汁椀は、白い豆腐と赤い梅干しが映える濃い茶色を選びました。
すっきりとしたシルエットで食卓の引き締め役になってくれます。
木の器は冷たいものを入れても結露しづらく、手に冷たさが伝わらないところも
使いやすいです。

お箸は先に丸みがあって、やわらかい豆腐を食べやすいものを。
箸置きは涼し気で爽やかなガラスのものを選びました。
丸みがあってほっこりした雰囲気が木の箸とも相性ぴったりです。

1.平茶わん ST-16 (白山陶器)
2.BASE01 汁椀/汁椀乱筋 乱筋 生漆拭き漆仕上げ(ろくろ舎)
3.くるみまゆ玉はしおき さしあわ (ガラス工房 橙)
4.天削丸の木箸 鉄木 (木箸しのはら)

朝食づくりにあると便利な道具、食材

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