1日をごきげんにはじめる!仕込み上手な朝ごはん
2024年8月公開
朝の生地づくりがいらない
ふわふわパンケーキ
若山曜子さんに教わる
「オーバーナイトパンケーキ」
ふわふわパンケーキ
「オーバーナイトパンケーキ」
憧れの朝ごはんの一つ、ふわふわの焼き立てパンケーキ。
とはいえ、朝から生地をつくるのは少々手間に感じてしまいます。
そこで今回は、菓子・料理研究家の若山曜子さんに、
生地を前日につくっておける「オーバーナイトパンケーキ」を教わりました。
朝焼くだけだから、忙しい朝でもあっという間につくれます。
暑い日にうれしい、火を使わずにつくれ、するするっと飲めてタンパク質も補える
「きゅうりの冷製スープ」も教わりました。
朝起きるのが楽しみになるパンケーキの朝ごはん。
前日の仕込みをうまく活用してチャレンジしてみませんか。
教えていただいたのは……
菓子・料理研究家
若山曜子さん
東京外国語大学フランス語学科卒業後、パリへ留学。ル・コルドン・ブルーパリ、エコール・フェランディを経て、パティシエ、グラシエ、ショコラティエ、コンフィズールのフランス国家資格(CAP)を取得。パリのパティスリーやレストランで経験を積み帰国。現在は、書籍や雑誌、テレビ、WEB、企業の仕事のほか、オンラインレッスンを開催。
「疲れていても、おいしいものが食べたい! 若山曜子の気楽に作る日々のごはん」(家の光協会)、「お茶のお菓子 抹茶、ほうじ茶、紅茶、烏龍茶…香り豊かなお茶を加えればお菓子がもっと美味しくなる」(マイナビ出版)、「ふわふわ生地とパリッと生地の2つで始める おうちパンはこれでいい」(KADOKAWA)など、著書多数。
活動情報は、こちらから。
オーバーナイトパンケーキ
イーストを混ぜ込み、一晩発酵させてつくるパンケーキ。
一般的なベーキングパウダーのみを使うパンケーキよりも
ふわふわ、もちっとした食感に仕上がり、イーストの香ばしさも漂います。
さらに重曹を加えることでより膨らみ、焼き色も美味しそうな仕上がりに。
ホットケーキに比べて少し薄くて水分が多めだから、
火の通りが早いうえ、きれいなまん丸のかたちに焼きやすくてつくりやすいです。
1枚分の粉の量が少なめで食後感が軽いのもうれしいです。
「きゅうりの冷製スープ」をつくるときに出るホエイも無駄なく活用します。
ホエイを使うことで軽い食感になり、ベーキングパウダーの働きを促進してくれます。
手づくりのホイップバターとメープルシロップも添えて。
ホイップバターはカチカチにならずに取り分けやすく、
やわらかいからパンケーキに塗りやすくて、これもまた忙しい朝にありがたい一工夫です。
仕込み上手のポイント
前日にパンケーキの材料を計量し混ぜておくから、
朝は焼くだけでごちそうパンケーキのでき上がり。
一晩冷蔵庫で寝かせることで生地がゆっくり発酵して、味に深みが増します。
材料
- 【オーバーナイトパンケーキ】(2人分、6枚程度)
- 薄力粉…140g
- インスタントドライイースト…2g
- ベーキングパウダー…小さじ1と1/2
- グラニュー糖(きび砂糖でも)…大さじ1
- 重曹…小さじ1/3
- 塩…ひとつまみ
- 卵…1個
- 牛乳…160ml
- ホエイ…40ml
「きゅうりの冷製スープ」をつくる際に出るものを利用します。
牛乳に置き換えても。その場合はレモン汁かお酢小さじ1を足します。 - 太白ごま油または米油…大さじ1
- 【ホイップバター】(つくりやすい分量)
- 有塩バター…50g
- 生クリームまたは牛乳…大さじ2
つくり方
【ホイップバター】
バターと生クリームを常温に戻しておき、バターに少しずつ生クリームを加えて、全体が馴染むまで混ぜ合わせます。
【オーバーナイトパンケーキ】
大きめのボウル(生地が2~3cm膨らむスペースがある)に、薄力粉、インスタントドライイースト、ベーキングパウダー、グラニュー糖、重曹、塩を入れて泡立て器でざっと混ぜます。
1の中央にくぼみをつくり、卵、牛乳、ホエイ、最後に太白ごま油を少しずつ加えながら、粉気がなくなって均一になるまで混ぜます。
※一気に入れるとダマになるので、少しずつ入れていきましょう。ボウルに蓋やラップをかぶせ、冷蔵庫に入れて最低8時間発酵させます。
発酵させすぎると酸っぱくなるので、24時間までにしましょう。
ホイップバターは冷蔵庫でかたまるので、パンケーキを焼きはじめるタイミングで外に出しておくのがおすすめです。
また、生地は一晩発酵させると一回り膨らみ、もったりとした感触になります。
焼く前に生地を1~2回、スプーンやへらなどでさっくりとかき混ぜます。油を薄く引いて中火に熱したフライパンにお玉1杯分の生地を落として焼きます。
ふつふつと泡が立ってきたらひっくり返します。
※油を多めに引くと焼きムラになりやすいので、薄くのばしましょう。
※ふんわりきれいなかたちに焼くため、お玉で生地はのばさないようにしましょう。
※「日々のフライパン (cotogoto)」など、フッ素加工などのこびりつきにくい加工がされているフライパンだときれいに焼きやすいです。裏面にもほどよい焼き目がついたら焼き上がりです。
2~3を繰り返してパンケーキを6枚焼きます。
2枚目以降はフライパンが熱くなりすぎているので、1枚焼くごとにフライパンを濡れ布巾の上にのせて冷ますと均一に焼きやすくなります。盛りつけて、ホイップバターとメープルシロップを添えて完成です。
ホイップバターの代わりに電子レンジで軽く温めたバターを使っても。
すぐに食べない場合は、粗熱が取れてからラップに包み、冷凍庫で2週間ほど保存可能です。
パンケーキの楽しみ方あれこれ
甘さは控えめにしているので、
しっかり食べたいときは目玉焼きやベーコン、スモークサーモンなどを添えて
お食事風にしても美味しくいただけます。
おやつに楽しみたいときはホイップクリームといちごやブルーベリーを添えたり、
生地にブルーベリーを混ぜ込んだりしても。
薄力粉の一部をオートミールに置き換えれば、グルテン控えめなパンケーキに。
オートミールは食物繊維を多く含んでいるから、腹持ちもよくなります。
きゅうりの冷製スープ
中近東や東欧で夏によく食べられている、きゅうりとヨーグルトがベースの冷製スープ。
きれいな緑色が見た目にも涼やかで、爽やかな味わいでするするっと飲みやすいです。
あっさりしているので、ヨーグルトを水切りしてコクを感じる仕上がりにしています。
にんにくやレモン、添えたハーブや赤玉ねぎを風味のアクセントに。
火を使わずにつくれるのも、暑い日にはうれしいメニューです。
トッピングは今回のハーブや赤玉ねぎ以外にも、
刻んだスモークサーモンをのせても美味しくいただけます。
仕込み上手のポイント
前日にスープをつくって冷やしておけば、朝は盛りつけるだけで
ひんやりのどごしのいいスープの完成です。
材料
- きゅうり…4本(350g)
- ヨーグルト…250g
- にんにく…1/2かけ
- 塩…小さじ1/2
- レモン汁…大さじ1
- オリーブオイル…大さじ1
- イタリアンパセリやディルなどお好みのハーブ(あれば)…お好みの量
※その他バジル、大葉、ねぎなどお好みのハーブや薬味をお使いください - 赤玉ねぎ(あれば)…お好みの量
つくり方
ざるをボウルまたは大きめのカップなどにセットし、キッチンペーパーや晒を敷いた上にヨーグルトをのせ、1時間以上冷蔵庫に入れて水を切ります。
水切り後ヨーグルトは120g程度になります。
下に溜まった液体(ホエイ)の一部を「オーバーナイトパンケーキ」に活用します。きゅうりはかたい皮をピーラーで剥き、1.5cm角程度の粗みじん切りにします。
にんにくは芯を取ります。
赤玉ねぎはみじん切りにし、塩とレモン汁(分量外)をかけておきます。きゅうり、ヨーグルト、にんにく、塩、レモン汁、ハーブを滑らかになるまでブレンダーまたはミキサーにかけます。
全量が容器に入らない場合は、きゅうりの半量、にんにく、ハーブだけを先にブレンダーにかけ、液体状になったら残りを追加します。
「チャーミークリアー (セラーメイト)」などの保存容器でブレンダーにかけると、そのまま保存できて洗い物が減らせます。
スープを器に盛りつけ、オリーブオイルをかけ、お好みでハーブ、赤玉ねぎをのせます。
若山さんの器選び
パンケーキには、茶色いパンケーキが映えて、爽やかで朝らしい印象の白いお皿を。
すっきりしたリムがよりパンケーキを引き立ててくれていると思います。
緑色のスープには、ほんのり緑がかったガラスの鉢を合わせました。
きゅうりがよりひんやり見えると思います。
ジュースはオレンジ色が引き立つ爽やかなグラスに入れました。
カトラリーも、涼し気な銀色と銅のワンポイントが、シンプルな器たちに似合います。
1.くるみガラス モール小鉢 (ガラス工房 橙)
2.コップ 輪花コップ M (倉敷意匠×石川昌浩)
3.unjour プレート M220 suna(ユミコ イイホシ ポーセリン/yumiko iihoshi porcelain)
4.純銅洋食器 銀仕上 カトラリー デザートフォーク、デザートナイフ、デザートスプーン (工房アイザワ)