1日をごきげんにはじめる!仕込み上手な朝ごはん

2025年4月公開
サクサク、しっとり、さまざまな食感が楽しい
蓮池陽子さんに教わる
「鶏ハムとアボカドの
ホットサンド」
「鶏ハムとアボカドの
ホットサンド」
表面をこんがり焼き上げたホットサンドは、
サクッとしたパンの焼き目が香ばしくて、朝からちょっぴり幸せな気持ちにしてくれます。
今回は料理研究家の蓮池陽子さんに、鶏ハムと野菜を挟んだ
「鶏ハムとアボカドのホットサンド」を教わりました。
こんがりサクサクッと焼けたパンと、しっとりとした鶏ハム、とろりとしたアボカドの
食感の変化が食べていて楽しい一品。
具材の色合わせが爽やかで、見た目からも元気をもらえそう。
鶏ハムをつくるときにできる茹で汁を使ってつくれる「チキンオニオンスープ」も一緒に。
野菜を補うミニトマトと、さらっとして飲みやすいオレンジジュースの炭酸割りも添えます。
ボリュームもあるので、休日の朝ごはんにもおすすめの組み合わせ。
鶏ハムの茹で汁でスープまでできるから、食材を無駄なく使いたい
キャンプなどにもよさそうです。
一口でさまざまな食感と味を楽しめるホットサンドで、朝からごきげんに過ごしませんか。
教えていただいたのは……
料理研究家
蓮池陽子さん
ビストロ勤務後、クッキングスクールの料理・製菓講師を担当。自然学校からの依頼でアウトドアクッキングのプログラムに携わる中、食べものの背景やストーリーに関心を持つように。現在は、「食の物語を紡ぐしごと」をコンセプトに「Atelier Story」を主宰。商品の開発やプロモーションから、メディアへのレシピ提供・スタイリングや、料理教室やワークショップ、山の幸の収穫イベントの主催など、食べものを育む歴史や自然、風土、つくり手の想いなどを丁寧に紐解き伝える活動を行っています。
著書に「簡単シェラカップレシピ」、「バウルー公認!アウトドアでホットサンド」、「げんさんとよーこさんの山ごはん 簡単でおいしい絶品メニュー85」(山と渓谷社)など多数。5月28日に「ひんやりごはん」(山と渓谷社)が発売になります。
活動情報は、Instagramより。
鶏ハムとアボカドのホットサンド
前日に仕込んでおいた鶏ハムと、アボカド、紫キャベツを食パンで挟み、
フライパンでこんがりと焼き上げたホットサンド。
あっさりとした鶏ハムに濃厚でとろりとしたアボカドが好相性。
発酵調味料である味噌をマヨネーズに加えることで、コク深い風味のソースに。
淡白な味わいの鶏ハムやアボカドをまとめて、より美味しさを引き立ててくれます。
また、味噌は水っぽくならないので、パンに塗りやすいというメリットも。
紫玉ねぎやわさびの爽やかな辛みがアクセントになって、食べる手が止まりません。
サクッとしたパンの食感もホットサンドの美味しさの決め手。
カリッと焼いた後、しんなりしてしまわないポイントもご紹介します。
また、断面をきれいに見せる並べ方や、パサつきやすい鶏むね肉を
しっとりとした鶏ハムに仕上げるコツも教わりました。
残った鶏ハムやアボカド、紫玉ねぎは、
オリーブオイル、レモン汁で和えるとサラダとして美味しくいただけます。
あればケイパーを加えるとさらに深みのある味わいに。
仕込み上手のポイント
鶏肉を前日に漬け込み、茹でて鶏ハムをつくっておくことで、
朝は具材を切ってパンに挟み、焼くだけで完成します。
材料
- 【前日分】(つくりやすい量)
- 鶏むね肉…1枚(250g)
- (A)
- 塩…小さじ1/2
- 砂糖…小さじ1
- 水…大さじ1
- にんにく…1かけ
- 昆布…5cm角
- 水…600ml
- 【当日分】(2人分)
- 食パン(8枚切り)…4枚
- 前日に茹でた鶏むね肉…約半量(120g)
- アボカド…1/2個(80g)
- 紫玉ねぎ…1/8個(30g)
- (B)
- マヨネーズ…大さじ1
- みそ…小さじ1
- わさび…小さじ1/2
- こしょう…少々
つくり方
ビニール袋に、Aを入れて軽く混ぜ、鶏肉を入れて空気を抜いてしばり、3時間〜一晩置きます。
※塩糖水に漬けることにより、鶏肉がふっくらとやわらかくなります。
※漬ける時間を短くしたい場合は、Aの代わりに塩麹大さじ1でも代用可能です。漬ける時間は1時間ほど。小さめの鍋に水、にんにく、昆布を入れ火にかけます。
沸騰したら、水気を切った鶏肉を入れます。
再沸騰したら火を弱め2〜3分加熱し、途中で肉を裏返して、火を止めます。※昆布を入れることによって旨みが加わって深みのある風味に仕上がります。
キッチンペーパーで落とし蓋をした後に鍋の蓋をし、粗熱が取れたら、鍋ごと、または保存容器に移し替えて冷蔵庫で保存します。
※パサつかずに仕上げるためにほどよい低温で長時間熱を通します。そのため、急激に冷めないよう蓋をしておきましょう。
アボカドは1/2にカットして種を取り、皮をむきます。
鶏肉は1〜2mm幅に、アボカドは1〜2mm幅にスライスします。玉ねぎは繊維に沿って薄切りにします。
Bを混ぜます。パンの両面にBの半量を塗ります。
パンの上に玉ねぎ、鶏肉、アボカドの順に半量ずつ、同じ向きで並べます。具材を並べるときは均等な間隔で隙間なく並べると仕上がりがきれいです。
最後にもう1枚のパンを、Bを塗った面が内側になるよう重ねます。フライパンを火にかけます。フッ素樹脂加工のフライパンの場合はそのままで、それ以外のフライパンは油を少量引きます。
ほんのり温まったらパンを入れ、鍋の蓋などで重しをし、弱火〜中弱火で2分加熱します。※重しにはある程度重さのあるものがおすすめです。鋳物やガラスの鍋蓋や、お皿やまな板に重さのあるものをのせるなどしてください。「ベーコンプレス(家事問屋)」のような商品を使うのもおすすめです。
こんがりとした焼き目がついたら裏返して2分加熱します。
網などに取り上げ2分ほど粗熱を取ります。
冷ますことでパンがべちゃっとするのを防ぎ、サクサクッとした美味しさを保ちます。ホットサンドのアボカド側の面を下にし、よく切れる包丁で断面が見えるようにカットします。
包丁を細かく前後に動かすとパンくずが断面に入りやすくなるので、上側にある鶏ハムを先に切り、下側にあるアボカドは1往復で切るときれいに仕上がります。
チキンオニオンスープ
こんがりと焼きつけて、トロッと甘くなった玉ねぎの入ったチキンベースのオニオンスープ。
シンプルなだけに玉ねぎの甘さや食感を存分に味わえます。
ホットサンド用の鶏ハムを茹でたスープからつくりますが、
このときに使う鶏むね肉は、鶏肉の中でも美味しくだしが取れる部位。
スープを取るときに入れるニンニクや昆布、最後に加えるナンプラーやバターによって、
香りや旨み、コクが加わって深みのある風味に仕上がります。
仕込み上手のポイント
前日に鶏むね肉を茹でてスープを取っておけば、
朝は玉ねぎと一緒に煮るだけで完成です。
材料(2人分)
- 玉ねぎ…中サイズ約1/2個(100g)
- 「鶏ハムとアボカドのホットサンド」でつくった鶏ハムの茹で汁…400ml
- オリーブオイル…小さじ1/2
- ナンプラー…小さじ1/2
- バター…5g
- イタリアンパセリ(みじんぎり)…少々
- 塩、こしょう…適量
つくり方
玉ねぎは輪切りにします。
鍋にオリーブオイルを熱し、中火で両面に焼き色をつけます。
茹で汁を加え10分ほど加熱し、ナンプラー、塩、こしょうで味を調えます。
火を止めてバターを加えます。器に盛りパセリ、こしょうをかけます。
蓮池さんの器選び
初夏に似合う爽やかできりっとした印象にしたいと思い、白系でまとめました。
アンティークの雰囲気が好きなので、プレート、スープボウルは
フランスの骨董品を意識したという「フードフォーソート」のものを選びました。
オーバルプレートはサンドイッチを立てて盛りつけるときに収まりがよく、
ミニトマトをのせたサイズ違いのプレートも小ぶりでぴったり。
スープボウルは足つきで品のある雰囲気にしてくれ、
小さめで朝のスープにちょうどいい大きさ。
グラスは薄手ですっきりとした印象のもの、合わせるコースターもジュースの色を邪魔しない白を選びました。
爽やかな色の野の花を手吹きガラスのやさしい輝きの花瓶に挿せば、
食卓の雰囲気をがらっと変えてくれます。
1.工場型角小瓶 八角 (石川昌浩×倉敷意匠)
2.MODERN CLASSIC カフェオレボウル S 白 White (フードフォーソート)
3.コンパクト オールド 6oz (木村硝子店)
4.コースター ホワイト サークル (ソイル/soil)
5.MODERN CLASSIC オーバルプレート S (フードフォーソート)
6.MODERN CLASSIC オーバルプレート M (フードフォーソート)