商品担当のあれこれ日記
2025年8月公開
title:つくり手を訪ねる旅―輪島編―
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2024年1月1日の能登半島地震、同年9月の能登半島豪雨。
二つの大きな災害に見舞われ、元々取引をしていた「四十沢木材工芸」、「輪島キリモト」も甚大な被害に遭いました。今回はいまの輪島はどのような状況か知りたい、また四十沢さん、キリモトさんに会いたいという想いで、能登半島の輪島を訪れました。
訪ねた日は大雨に見舞われ、飛行機も着陸ができるか分からない状況でしたが、無事に到着。
腹ごしらえに入った食堂でも「こんなに強い雨だと、去年のことを思い出しちゃうね」と地元の方たちが話す声が。
▲温かいラーメンに、フライングしてかじったおむすび。
「かど長食堂」さんはタオルも貸してくれて、「来てくれてありがとう」とやさしいお言葉も。
到着早々、輪島の方の温かさに触れてほっこりです。まず向かったのは「四十沢木材工芸」。

地震の2ヵ月前に、工房の横に新設したギャラリー。
無事に地震にも耐えた、本当に素敵な内装でした。

▲奥の窓から見えるのは木材を積んで乾燥している倉庫。手前のテーブルは、その木材が積まれている景色をイメージして段になっています。
地震の際は積んでいた木材がすべて崩れて、重機も木材の下敷きになっていたそうです。
いまはきれいに積まれていますが、この量が崩れていたと考えると、途方に暮れる気持ちになりますね。
▲乾燥中の木材。桜や栗など製材された木は反りが出ないように乾燥・保管されています。
工房の中は無事なように見えましたが、損傷はあり、3階建ての大きな工房でしたが、これから解体して建て替えが必要とのこと。

▲床も地震によりヒビが入っています。

▲外壁もトタンが剥がれたまま。

▲工房の3階にあった機械も、安全を考慮して2階へ移動。大きい機械が多く、移動だけでも苦労を伺えます。
輪島漆器の元となる、木地をつくっている四十沢木材工芸。
木地づくりが止まってしまうと、漆を塗る職人の方も仕事がなくなってしまいます。
輪島塗を繋げていくためにも、現在は倉庫も仮工房としながら製作をし続けていました。またなんと新作も! 特別にチラ見せ。

昨年の「KITO テーブルキャディ (四十沢木材工芸)」に続いて、新作にも意欲的に取り組んでいらっしゃいます。
また新しいスタッフの方も増え、最近は納品もスムーズにあり、生産も安定してきたように思います。
まだ完全に復活をしてはいないですが、どんどん前に進んでいる姿を見ることができて、うれしい気持ちでいっぱいでした。続いて「輪島キリモト」へ。

▲仮説工房として建てられ、現在はギャラリーとして使用している建物。
こちらの建物は建築家板茂さんが設計した、柱・梁が紙の管でできています。

▲建物に使われている紙の管。紙ですが、コンクリート並みの硬さです。 なんと、ボランティアスタッフが2日間で組み立てられる画期的な設計! 「1日でも早く職人の手を動かせるように」と2024年3月に仮設工房としてできました。
元々建てられていた工房、仮設工房共にいまはきれいな状態ですが、地震から復興を目指していた矢先に、大雨による大規模な浸水、大きな被害に遭いました。
地震や浸水の時の様子もじっくりとご説明いただきました。

建物への被害もですが、お話を伺っていると、現在でも住む場所、精神的被害などにも大きく影響を及ぼしており、まだまだ深刻な問題が続いていることを改めて感じました。
輪島を一旦出て、戻りたいけど戻れない人。輪島に残りたいけど残れない人。新しく輪島に住みたいけど、住めない人。 輪島キリモトでも様々な事情で、専属の職人は現在3人になってしまっています。それでも少しずつですが生産が再開され、工房では職人さんの作業を見ることができました!


▲ヒビが入ったお椀を修理しているものも。「直せる」という輪島塗の特徴を実際に感じることができました。
また震災により災害ごみとして捨てられそうになっていた漆器を復活させるプロジェクト、「輪島塗 Rescue&Reborn」の器もギャラリーには並んでいました。
なんとこの日は、海外からのお客様がこちらの器を買いに、わざわざ輪島までいらっしゃっていました!

▲見事な英語で輪島塗を紹介する桐本さん。
「輪島キリモトを応援したい」という姿に、日本の外へまでも輪島塗の素晴らしさが届いている様子に感激。
「cotogotoでももっといろいろな方に届けたい!」と思える体験でした。
2025年8月29日(金)~9月24日(水)の間、高円寺実店舗でも「輪島塗 Rescue&Reborn」の器を販売するので、ぜひ実際にご覧ください!最後に、桐本さんに案内いただき、輪島の街の様子を見に行きました。

▲桐本さんの家が建っていた跡地。 現在は建物は解体され更地になっていましたが、山間のためその土地に新たに建てるには、土砂災害の心配があり建てられない状態とのこと。

▲日本三大朝市として賑わっていた輪島朝市があった辺り。 地震による大火災で崩壊した建物もすべて撤去され、こちらもいまは更地になっていました。

▲神社の鳥居は崩れたままでした。生活にかかわるものが優先され、また修復に専門性が必要などの理由により、神社仏閣は復興が後回しになることがあるそうです。

▲川に架かる橋も、いくつか立入禁止になっていました。橋の途中にヒビが入ってしまっています。

▲多くの建物は解体されていましたが、まだ地震の甚大さを感じる建物も。木造の家屋が目立ちました。

▲信号機は斜めに傾いたものが多かったです。桐本さんはもう見慣れたとおっしゃっていましたが、衝撃的な風景でした。
広くは、表面から見れば少しずつ改善されているように見えました。
ただ、壊れた建物が解体され、街中には更地が多く、景色はだんだんと片づいているけれど、そこにあった建物に住んでいる人が戻っているわけではない。
そのことは話を聞くことによって感じられたことでした。新しい建物を建てようにも、ハザードマップで危険エリアだと判断されると、新しい土地を探さなければならなかったりと、仮設住宅には住んでいるけど、様々な理由で家を建てられない場合もあります。
また子どもや家族を考えると、輪島に居続けるのが難しく、輪島を離れていくことも多いそう。住んでいる人からすると問題は山積しているのだと、話を聞くとハッとすることが多かったです。
これからもお店としては、引き続きこの土地でできたものを販売し続けることで、輪島の応援をし続けていきたいと感じた訪問でした。
高円寺実店舗では、2025年8月29日(金)~9月24日(水)の間、輪島キリモトの商品を販売するイベント、「蘇生する 輪島キリモト」を開催します。
少しずつ生産が再開された輪島キリモトの定番商品、また「輪島塗 Rescue&Rebornプロジェクト」の商品も並びます。
8月30日(土)11時~18時、8月31日(日)11時~16時は、輪島キリモトの代表・桐本泰一さんもいらっしゃいますので、ぜひこの機会にお立ち寄りください。