機能的で美しく、使うほどに味わいが増していく革小物のブランド「SAFUJI」。
普段は財布やバッグ、キーケースなど、主に外出先で使うものを手がけていますが、
2022年11月25日(金)~28日(月)開催の「SAFUJI展示販売会」に向けて、
「家の中で使う暮らしの道具」をコンセプトにイベント限定アイテムをつくっていただきました。
「ティッシュボックスケース」、「スリーブ」、「ラウンドトレイ」、「コースター」の4種。
使ったり、目に留まるだけで、なんだか気持ちが上向くような、
暮らしの質を上げてくれる道具たちです。
「試作でつくったものを実際に家に置いてみたり、使ってみたり
僕自身が家の中にほしくなるような道具になるよう心がけました」
と語るデザイナー兼製作の沢藤勉さんの言葉通り、
佇まいも美しく、使いやすい道具に仕上がっています。
それぞれの道具について、こだわりのポイントをご紹介します。
01 ティッシュボックスケース
02 スリーブ
03 ラウンドマット
04 コースター
01
インテリアのワンポイントになる豊かな表情が魅力
家のさまざまな場所に置かれるボックスティッシュは、
インテリアの中でも意外と存在感のあるアイテムです。
だからこそ見栄えよく、インテリアにも馴染むケースがあるといいのではと考えていました。
そこで「SAFUJI」に製作をお願いして、完成したのが一般的なボックスティッシュはもちろん、
箱なしタイプにも使える「ティッシュボックスケース」。
生活感がしっかり隠れているのはもちろん、
革の風合いがいい上品な佇まいに仕上がっています。
今回つくっていただいた4アイテムはすべて、
イベント限定ということで、普段SAFUJIでは取り扱いのない限定の革を使用。
牛革に「プルアップ」という加工を施し、折り曲げたところが白く見える表情のある革です。
すでに傷があったり、筋が見えたり風合いがあるのも特徴で、
切り出す部分によって表情が異なるため一期一会を楽しめる革になっています。
カラーは「ブラウン」と「ブラック」の2種類。
どちらもプルアップレザーですが、色によっても表情が異なります。
より個性のある風合いを楽しみたい場合は「ブラウン」、
滑らかな印象を好む場合は「ブラック」がおすすめです。
暮らしに合わせてさまざまなタイプのティッシュボックスケースがありますが、
ティッシュを引き出す部分を上や斜めから見ると、箱がちらっと見えてしまうものも。
この「ティッシュボックスケース」は、
ティッシュの箱を入れたら左右にある帯状の革を被せて、包むように蓋をします。
そうすることで、箱が左右からもしっかり覆われるので、
どの角度からも箱が見えることがないのです。
また、この左右の革が箱を押さえる役割も担ってくれているので、
ティッシュを引き出すときに中で箱が動くこともありません。
通常サイズ(約W30×D13×H7cm)のボックスティッシュや、それより小さいもの、
さらに箱なしティッシュにも使うことができます。
「佇まいをよくするために、側面に立体感をもたせることを意識しました」と勉さん。
側面の縫い目を中に入れ込むように縫い合わせることで、ふっくら丸みのある側面に。
プルアップ加工された革特有の表情が生まれ、
全体的にも奥行きのある仕上がりになりました。
側面に表れる陰影が、ティッシュボックスケース全体に上品な印象を添えてくれています。
革に切れ目を入れ、丸い頭の留め具を差し込む方法で
「ティッシュボックスケース」の蓋を留めています。
この留め具に財布でも使用している真鍮の玉を使ったことで、
より「SAFUJI」らしさが加わりました。
真鍮の落ち着いた輝きが、ワンポイントになっています。
ティッシュの引き出し口や、側面の縁部分を
クリームを布で刷り込みながら磨くことで、艶が生まれて上品さがプラスされます。
縁取りをしたように色も濃くなるので、キリっとした印象にも。
革の毛羽立ちが抑えられ、触れたときも滑らかです。
02
飲みものを楽しめるようシンプルを極めたかたち
冷たいものだけでなく、あたたかい飲みものにも使えて便利な耐熱グラス。
ですが、いざ飲もうとすると熱くてグラスが持てないなんてことも。
そんな悩みを解消したくてお願いしたのが「スリーブ」です。
使用している革は「ティッシュケース」と同じ、
プルアップ加工が施された「ブラウン」と「ブラック」の2色。
上下の縁も同様に、艶が出るよう磨かれています。
今回は、シンプルなかたちと汎用性のあるサイズの「THE GLASS TALL(ザ/THE)」
(約φ78×H117mm)に合わせてつくっていただきました。
革の端と端を縫い合わせる工程で、筒状のまま縫製できる「ポストミシン」を使用。
SAFUJIでは鞄にも使用しているミシンで、縫い目が平らに仕上がります。
そのためグラスに装着したときに隙間ができず、フィット感が増します。
見た目がすっきりするのはもちろん、
手にしたときにスリーブがずれにくいのもポイント。
「グラスに口をつけるときにスリーブを気にせず、気持ちよく飲めるように」と
スリーブの位置には気を遣ったそう。
「THE GLASS TALL(ザ/THE)」(写真中央)に取りつけると、
口縁からスリーブまで約3cmの余裕があります。
どこを持っても手に馴染むように、過度な装飾はせず、シンプルなデザインに仕上げています。
縫い合わせ部分のステッチも、平らでまっすぐ。
手への馴染みがいいのもうれしいところです。
グラスをそのまま持っているかのように、違和感なく持つことができます。
03
鍋敷き、トレー、自在に使える
SAFUJIで取り扱いのある「コースター」のかたちを元に、
サイズや厚みを変えて、より幅広い用途で使える「ラウンドマット」をつくりました。
表面にはプルアップレザーを使い、色は他のアイテムと同じく「ブラウン」と「ブラック」の全2色。
机の上などに置いたときに滑りにくいうえ、のせるものの衝撃を和らげるなど、
木や金属、布などのマットとは違った、革製ならではのよさがあります。
鍋敷きとして使う場合、熱で鍋と接地している部分が焦げたり、艶っぽくなることも。
それが味になって、財布やバッグなどとはまたタイプが違う経年変化を楽しめます。
「ラウンドマット」は、数枚の革を重ねてつくられています。
上から2枚目をドーナツ状の革にすることで、1枚目を重ねたときに窪みができます。
その窪みの縁に沿ってガラス板でこすると、段差ができ、立体感が生まれるのです。
プルアップレザーならではの表情のあるムラ感がより楽しめます。
表面の革は他のアイテムと同様プルアップレザー、
それ以外の部分には、「床革」と呼ばれる革が使われています。
一般的に革は、なめされた後、機械で厚さが調整されます。
その際、革の表層を剥がした後に残る部位が「床革」です。
繊維が荒く薄いのが特徴で、SAFUJIでは、財布や鞄などには使用しない革ですが、
今回はこの床革をマットの内側に活用することで、革を無駄なく活用しています。
大きさは、直径約190mm、厚さは約8mm。
アクセサリーや鍵を置いたり、花瓶の下に敷いてインテリアとして使うのはもちろん、
ほどよい厚さがあるので、土鍋やポットを置く鍋敷きとしても使えます。
アイデア次第で幅広い用途で使えるのもうれしいところ。
03
プルアップレザーを使った限定色
SAFUJIで既に取り扱いのあるアイテムであるコースターを
今イベント限定のプルアップ加工が施された革
「ブラウン」と「ブラック」でつくっていただきました。
既存のアイテムでは表面にも「床革」を使っていますが、
今回は「ラウンドマット」と同じくプルアップレザーを使用することで立体感が際立ち、
革の表情も豊かに。
同じ革を使用しているため、「スリーブ」と組み合わせても相性がよく、
お茶の時間がより楽しくなりそうな佇まいになっています。
「あそこに置こう」、「こうやって使おう」と
どれも家の中に迎えるのが楽しみになるアイテムばかり。
今イベントの限定商品なので、ぜひこの機会にcotogotoまでお越しください。