どんな料理も様になるリム鉢

有田焼を手がける、200年以上の歴史のある窯元「弥左ヱ門窯（よざえもんがま）」が、現代の暮らしに合う有田焼を再提案する「アリタポーセリンラボ」の「かぶと鉢」。
何を盛りつけても様になり、ついつい毎日の食事を盛りつけるのに手に取ってしまいます。

その名の由来にもなっている、端午の節句でお馴染みの兜（かぶと）をひっくり返したようなかたち。
逆さにした麦わら帽子のようでもあります。
高台から波紋が広がるように、縁に向かってカクカクと立ち上がり、見込みはゆるやかに渦を巻いています。
帽子のつばにあたるリムは幅広く、逆に縁先は薄めに仕上げてあるので、すっきりとした印象に。

素朴さを感じる釉薬とかたち

アリタポーセリンラボの一部の器は、佐賀県唐津市に構えた「天平窯（てんぴょうがま）」で作陶する陶芸作家の岡晋吾さんと協働で製作。 この「かぶと鉢」もデザインから釉薬づくり、釉薬のかけ方まで、岡さんが監修しています。

薄く青みがかった白灰色は、磁器づくりがはじまった頃の有田焼をヒントにつくった「李朝白磁」という独自の釉薬。
細かく混じる黒点や釉薬の凹凸に、素朴なぬくもりを感じます。

個体差のあるかたちは、成形する際に用いられる水コテという技法ならでは。
陶土を入れた石膏型を機械ろくろで回し、水をあてながらコテで成形する水コテは、高い技術が必要なだけでなく、一つ一つの器に異なる表情を生みます。
それぞれの個性が土もののような風合いにつながるのです。

１人分の副菜、主菜にぴったりの２サイズ

「小」、「中」の２サイズ。
サラダなどの副菜、果物、アイスクリームをよそうなら「小」に。
１人分のパスタやスープ、ごろごろと肉や野菜を煮込んだ料理なんかには「中」がぴったりです。
幅の広い縁がしっかりと余白をつくるから、何を盛りつけてもまるでプロの料理のよう。

電子レンジで使え、食器洗浄機で洗える磁器の扱いやすさに、陶器のようなゆらぎや温かみが加わった魅力ある器。
適当に盛りつけても、格好よく演出してくれるから、なんだか料理の腕まで上がった気になります。

アリタポーセリンラボについて

有田焼の地で200年以上の歴史を誇る「弥左ヱ門窯（よざえもんがま）」が、現代の暮らしに合う有田焼を提案する「アリタポーセリンラボ」。
「アリタポーセリンラボ」の歴史は、初代弥左ヱ門が同名の窯を開窯した1804年に遡ります。
以来200年以上にわたり、戦争や貧苦、家族との別離などそれぞれの時代で経済状況や社会混乱に翻弄されながらも、有田焼の伝統的なものづくりの継承と海外への輸出を行ってきました。
現在では七代目弥左ヱ門となる松本哲さんが、有田焼を今一度、世界ブランドとする取り組みの一環として、現代のライフスタイルに合ったモダンな器や、伝統的な文様の描かれた有田焼をつくり、新たな有田焼のかたちを提案しています。