３本の泡の柱が立ち上るロックグラス

中に注いだ飲みものと親和性が高いのは、ガラスの透明感の影響か、泡模様の効果でしょうか。
長野県中部に位置する生坂村（いくさかむら）にて宙吹きガラスを製作する「ガラス工房玄々舎」から届いた「水あわロックグラス」。

底から３本の泡の柱が立ち上っていくようなデザイン。
大きさやかたちがさまざまな泡が施されたグラスは、まるで水中を覗いているようです。
元になるガラス玉（下玉）に線状にガラスをのせ、気泡が入るようにつぶすことで生まれる模様は、ガラスを溶かす炉と作業台を何往復もしながらつくられます。

ぽってりと丸みのあるかたち

気泡は、ぽってりとした厚みのある底の中にも見られます。
丸い底は、手ですっぽり包みたくなる曲線。
縁の近くでかすかにすぼみ、そこから縁に向かって少しだけ広がります。
大きな氷もすっぽり入る広めの口は、縁先がふくよかで口あたりも抜群です。

飲み物をたっぷり楽しめるサイズ

脚つきグラスのような特別感は薄いですが、カジュアルな風情が日常づかいの器にぴったり。
約270mlほどある容量は、キンキンに冷えたお茶や水、ジュースをごくごく飲みたいときに。
緑茶のグリーンに、ほうじ茶の茶色、アイスカフェオレのベージュ、と飲みものの色も楽しめます。
お酒を楽しむロックグラスとして、まんまるな氷を入れてウイスキーや梅酒を注いで。

ガラスなのに、シャープさよりもぬくもりを感じる「水あわロックグラス」。
こぽこぽと泡がのぼる水の中を横から眺めているような、不思議な気持ちになります。

ガラス工房玄々舎について

美和抄斗子（さとこ）さん、小林正則さんご夫妻が営む「ガラス工房玄々舎」。
1997年に愛媛県松野町にて設立したのち、現在では長野県生坂村の山中に拠点を移し、吹きガラス製作を続けています。
工房の名前は、ガラスづくりの技術を学んだ先生が提案してくれた中から響きのいいものを選び玄々舎としたそう。
玄々舎のガラスの器は、宙吹きによるぽってりした愛らしい姿が特徴的。それはとりも直さずふだん使いの器として使いやすいガラスの姿であり、２人の好みが反映されたものだそう。
毎日の暮らしの中で気がつくといつもこればかり使っている、という器。そんな風に生活にとけ込んでいく心地よい器を届けてくれます。