愛らしくて何かと頼れる木の道具

大は小を兼ねる、ではなく、小は大を兼ねるとは、まさにこのこと。
かわいらしさと実用性が共存する「調理スプーン」。
木工作家の石井宏治（こうじ）さんに、佇まいよく、調理にも味見にも使えるものを、とお願いしてできたcotogotoオリジナルのスプーンは、小回りの利く、あるようでなかった道具です。

素材は、きめの細かい木目が美しい山桜を使用しています。
山桜の赤みがかった茶色によく似合う、細長い柄の先に匙がついたスプーンらしいかたち。

オイルフィニッシュの自然な風合いが、手仕事を感じる削り跡や素朴なデザインに馴染みます。

細々とした使いやすさを考えたかたち

楕円形のようでいて、雫のようにちょこんと端っこが飛び出した匙部分が特徴的。
この飛び出た部分があることで、先端が一般的なスプーンよりも平らに。

容器の隅やフライパン、鍋のカーブに沿うから、料理や調味料をしっかりすくえます。

さらに、匙部分が深すぎないから、味噌やピーナツバターのようなかためのものも、スプーン離れがいいのです。

柄は匙の大きさに比べると長さがあり、深さのある瓶や鍋の底に届いて便利です。
さらに長く使っていても疲れにくいのは、柄がかまぼこ形をしているから。上部は直線的で、親指で上から押さえやすく、下側は曲線だから当たりがやわらかいのです。

また、柄が長く匙部分が小さいので、ピッチャーやタンブラーといった、径が小さく高さのある容器の中身を混ぜるのもお手のものです。 使っていると気がつく、細々とした使いやすさに、つくり手の心遣いを感じます。

小さな鍋で炊いたお粥をすくう、小さなフライパンでの調理、深さのある瓶の底からかき出す、パウチから中身を取り出す、などとにかく小回りが利くから、日々出くわす些細な動作にぴったりなのです。

丁寧な手仕事と使い手のことを考えた気配りがぎゅっとつまった「調理スプーン」。
琺瑯鍋、テフロン加工のフライパン、ガラスや銅のものにも臆せず使えるのは木製だからこそ。
ツールスタンドにちんまりとおさまっている様子がなんとも愛らしく、ついつい手にとってしまいます。
美しく、使っていて楽しいこんな道具があると、いつもの料理やちょっとした作業がより捗ります。

石井宏治さんについて

千葉県市川市に工房を構える木工作家。
2011年より木工について学びはじめ、2014年よりカトラリーなどを制作。 木の削り出しから仕上げまで一人で行いながら、天然無垢の木材を使った暮らしの道具をつくっています。
「長く使えて、そばに置いておきたくなるもの。暮らしが豊かになるものをつくりたい」という想いで
作品をつくり続けています。