大久保ハウス木工舎

ちょっとしなったような独特のかたちの「木のヘラ」や平らな「ジャムスプーン」。
その使い心地にはプロの料理研究家から、日々キッチンに立つ老若男女までが太鼓判を押します。
そんな木の道具をつくるのは、長野県松本市にある木工作家・大久保公太郎さんの「大久保ハウス木工舎」。

もともと松本出身の大久保さん。
ですが、この地に戻って来る前は、 京都で建具職人として働いていたそう。
歴史ある街でものづくりとそれを支える道具と向き合い、 刃物と木工の関係、そしてその歴史をたどるようになったのが、
今の大久保さんの独特の製作スタイルと生みだすもののかたちに繋がっています。

例えば、あえて木を濡らしてから削り始めること。
ヤスリで仕上げるのではなく、鉋で削って表面を仕上げること。
一般的な木工の方法とは真逆に見えるようなことも、 実は木の仕事の歴史をたどったり、
使い手の声を聞きながら試行錯誤を繰り返した末にたどり着いたスタイルです。
従来の在り方を学びながら、とらわれないスタイルは、 きっとこれからも多くの愛用者を惹きつけることでしょう。