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高柳政廣

「伊万里」、「唐津」、「有田」など焼物の産地として知られる佐賀県で、
実はそれらよりも長い歴史を持つといわれている「尾崎焼」をご存知でしょうか。
1281年の元寇の際に捕虜になった蒙古軍の兵隊が人形を模った笛をつくったのが「尾崎人形」のはじまりで、
人形づくりには「尾崎焼」の器などに使った粘土の余りを活用していました。
一度はすべての窯元が廃業し、途絶えてしまった火を再燃させたのが1990年のこと。
「尾崎焼保存会」とつくり手・八谷至大(はちやよしお)さんの努力によるものでした。
その八谷さんも2006年に亡くなり、
今ではその後を継いで一人伝統の火を守るのが高柳政廣(たかやなぎまさひろ)さんです。
伝統的な手法や鳩笛、水鳥といった定番のモチーフ以外にも、
干支の動物や佐賀県が面する有明海のシンボル・ムツゴロウなど、新しい作品も生み出しています。
発色の鮮やかなアクリル絵の具や、ざらりとした触感が楽しい土など、
独自の工夫を加えて、尾崎人形づくりを進化させています。