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あけびは、春にはかわいらしい花を咲かせ、秋になると甘い実がなり、目や舌を楽しませます。
そして、丈夫なつるは、暮らしの道具の材料として古くから活用されてきました。

青森県で取れる良質なあけびを地元の職人が編んでつくる「あけび　鍋敷き」。
手編みかごやバッグなどの表面に使用できない黒みがかった部分も活用し、
自然からの恩恵を余すところなく使いきる、そんな取り組みにも共感が持てます。

落ち着いた色合いと丁寧に編み込まれた編み目、そして、あけびが醸す素朴な雰囲気は
土ものや鉄、ガラスなど、どんな素材にも馴染みます。
縁の厚みが、中央に置くものが直接テーブルに触れないよう、
ほどよいクッションとなる空間をつくります。

食卓では、土鍋の下が定位置になるでしょうか。
キッチンでは、鉄瓶の下に。
お茶の時間には、ティーポットをのせて。
オーブンから出したばかりのグラタン皿やケーキ型の一時置き場にも。

季節の花を生けた花器の下に敷いても似合います。

熱いものや冷たいものを直接食卓に置きたくない場面って、意外と多いものです。
出しっぱなしでも問題ないほど活躍するあけびの鍋敷きに特別なお手入れは必要ありません。
長く愛用するうちに、ツヤも味わいも増して育っていく、
日々その様子を楽しむだけでいいのです。