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底からゆるくカーブを描き斜め上に立ち上がった縁に細いリム。
角の丸い正方形にマットな表面が静かな存在感を放ちます。

日本を代表するプロダクトデザイナー・柳宗理が1982年にデザインし、
愛知県瀬戸市の「セラミックジャパン」が製作する「白黒食器シリーズ　bowl」。

生産過多にならず、真似されにくいかたちを追求した結果、
大量生産の難しい、急須などの袋物をつくる際に使う鋳込み成型を使用することに。
あまり見かけない角のないスクエア型はその成型法を活かしたかたちです。

「white」と「black」の全２種類のカラーは、
出しゃばりすぎず、引っ込みすぎず、
和洋中エスニックどんな料理を盛りつけても引き立てるマットな輝きをしています。

マット釉は、焼成の際にムラになりやすいため、
つくり手に敬遠する職人が多かったそうですが、
そのソフトな質感に惚れ込んだ柳たっての願いで、
瀬戸の職人たちとともに試行錯誤の末に実現しました。

四角形の器は、食卓に置けば適度なアクセントになり、
食器棚でも納まりのいいかたち。
傷がつきにくく、電子レンジや食洗機も使えるので
ガシガシ使う日常の器にぴったりです。

サイズは、「S」と「L」の２種類。
「S」は、１人分のサラダやスープ、朝食のヨーグルトに。
取り鉢として使っても程よいサイズ。

「L」は大鉢のように、煮物やポテトサラダなど取り分ける料理をどんと。
縁が斜めに立ち上がっているから、料理をすくいやすく、
リムがあるから持ち上げやすいかたちです。

シンプルがゆえに飽きることなく、使い勝手もいい器にはついつい手が伸びるもの。
時が経っても古びることのないデザインと実用性を備えています。

セラミックジャパンについて

愛知県瀬戸市の陶磁器のメーカー。
1973年の創立当初からデザインに強くこだわり、
幅広い分野で活躍するデザイナーとともに
歴史ある“せともの”づくりの技を現代に活かす製品づくりをしています。

実用性とデザイン性を兼ね備えたシンプルながら存在感のある器は、
グッドデザイン賞の受賞や、MoMA(ニューヨーク近代美術館)のパーマネントコレクションになるなど、
日本国内だけでなく世界でも認められています。