管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2016 処暑
2016年8月公開
8月も残すところあとわずか。二十四節気は「処暑(しょしょ)」の節に入りました。
「処暑」とは暑さが終わるという意味。
まだまだ残暑は厳しいものの、朝夕の風に夏の終わりを感じる日も増えてくる頃です。
夏休みが終わって疲れも溜まっているはず。静養と栄養補給をお忘れなく。
処暑の献立
しじみのシンプル
炊き込みご飯
調理時間:40分(米の浸水、蒸らし時間を除く)
331kacl(1人分)
しじみの旨味たっぷりの出汁で炊いた最高に美味しい炊き込みご飯です。
しじみにはたくさんの栄養素が含まれており、疲労回復効果や肝臓の解毒作用なども。
夏休みの疲れが残るこの時期にぴったりの一品です。
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材料(2人分)
米…カップ1(200ml)
しじみ…300g
昆布…5cm角1枚
水…カップ1と1/2
酒…大さじ1
塩…小さじ1/3
三ッ葉(細かい小口切り)…8本
つくりかた
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1.
【下準備】しじみの砂抜きをします。
(※砂抜き済みで売っているものは、この工程は省略可)
①1%塩分の食塩水<水200ml(カップ1)に塩2g(小さじ1/3)>をつくります。
②しじみをバットに並べ、しじみの半分くらいの高さまで食塩水を加えます。
③新聞紙などを被せて暗くし、冷暗所に3時間ほど置きます。
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2.
米はさっと洗って水気を切ります。ボウルに米と米が隠れるくらいの量の水適量を入れ、20分浸水させます。
【ポイント】
この後、浸水した水は捨ててしまいます。ご飯を炊く鍋や炊飯器で浸水するのではなく、ボウルなどを使うのが便利です。 -
3.
しじみは殼をこすり合わせて洗います。
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4.
鍋にしじみ、昆布、水カップ1と1/2、酒を入れ弱火にかけます。煮立って殼が開いたら、さらに10分ほど煮て火を止め、塩を加えます。
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5.
しじみと煮汁を分け、煮汁は冷まします。しじみは10個程度、殻付きを残してあとは身を殼から外します。
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6.
鍋もしくは炊飯器に、水気を切った2の米、冷めた煮汁カップ1(足りなければ水を足して調整してください)を入れ、表面を平らにならします。その上に昆布、しじみをまんべんなく散らします。
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7.
鍋や炊飯器の1合分の表示どおりの時間で炊きます。
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8.
蒸らしまで終わったら、ふたを開け、細かく小口切りにした三ッ葉を散らし、よく混ぜます。
器に盛りつけていただきます。
栄養のまめ知識
*しじみの栄養価
しじみには、亜鉛や鉄などのミネラルやビタミンB12などが豊富に含まれています。また、アミノ酸も豊富で、そのひとつ“タウリン”は、コレステロール値を下げ、肝臓の解毒作用を強化すると言われています。
*しじみは湖、河口など海水と淡水の混ざったところ(1%塩分)に生息しているため、砂出しはアサリなどより薄い塩水で行ってください。ちなみにアサリの生息地は海水(3%塩分)です。
*しじみの旨味成分(コハク酸)は水溶性なので、弱火で加熱しゆっくりと煮出します。昆布(旨味成分はグルタミン酸)も加えると“旨味の相乗効果”でより深い旨味のある出汁になります。
*しじみは冷凍したものを使うとより旨味成分が汁に溶け出し濃い出汁になりますが、身の旨味がすっかり抜け切って味気なくなってしまいます。今回のように身も食べる料理のときは生しじみを使うほうがおすすめです。
料理に使った器や道具
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/