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伝統工芸「萬古焼」の土と技術に、新しい4つの想いを

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 三重県の四日市市。古くは東海道の宿場町として栄えたこの街で、4社の陶磁器メーカーが立ち上げた「4th-market」は、2005年生まれの、まだ新しいブランドです。
 とはいえ、4th-marketの製品をつくるのは「萬古焼(ばんこやき)」の4つの窯元。萬古焼は日本の伝統工芸のひとつです。その歴史は古く、萬古焼が四日市に定着したのは、明治時代のことでした。今では四日市市の地場産業になっています。
 萬古焼といっても、そんなに聞き覚えのある名前ではないかもしれません。でもきっと、知らないのは名前だけ。冬になると食卓に頻繁に登場する土鍋は、萬古焼のものかもしれません。お茶を飲むためのその急須も、萬古焼かもしれません。
 土鍋は萬古焼の代表商品で、生産高は国内の80〜90%近くを占めているそうです。そして、釉薬をかけずに焼き締めた、紫がかった茶色の「紫泥(しでい)」の急須は、伝統工芸品に指定されています。どちらもきっと、一度はどこかで目にしたことがあるはずの、昔から日本人に馴染みの深い焼き物なのです。
 萬古焼の特徴は、その陶土にあります。耐熱性に優れているため、直火や空焚きにも耐えうる強度があります。それに加えて、萬古焼がより一般に広く知れ渡ったのは、大正時代に開発された「半磁器」の製造技術によるものでした。半磁器とは、簡単に言ってしまうと、素地の半分が磁器土。つまり石です。そして、もう半分が陶土。つまりは土。磁器の硬さと陶器の柔らかさ、そして吸水性を併せ持ったものです。
 4th-marketの製品のなかには、陶土だけを使ったものも、半磁器のものもあります。その土地の土を使い、萬古焼の長い歴史と技術に裏付けをもつこのブランドがつくりだすのは、今、そしてこれからの暮らしに合わせた、新しい萬古焼のかたちです。


「使う」の先にあることへ

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4th-marketが目指すのは、「気取りすぎず、可愛すぎず、シンプルなだけでもないモノ」。そんな4th-marketを担うのは、萬古焼の窯元の若手後継者たちです。そもそものきっかけは、四日市市で毎年5月に行われる「萬古祭」だったそう。主に食器の製造を行う「山口陶器」と「竹政製陶」、鍋や耐熱食器が中心の「三鈴陶器」、そして急須がメインの「南景製陶園」。この4社が共同で製作したことが縁となり、4th-marketは誕生しました。
 彼らが一番大切にしているのは、実際に製品を使う人のこと。使い手にとっての「いいもの」「いい器」とは、その歴史や価値、デザインや使い勝手だけではありません。「また同じものが欲しい」と思ったときに、それがきちんと存在し、買いやすい価格であること。4th-marketは、そんなずっと先のことにまで想いを寄せ、ものづくりを行っているのです。
 たとえば、家族が増えたから、同じ器がもうひとつ欲しくなる。使いやすいからいつも使って、いつも使うから欠ける、割れる。
 あることがあたりまえになっていたものがなくなってしまったとき、はじめてどれだけ大事だったか、ようやく気づくことがあります。
 4th-marketの器は、普通の暮らしに普通に馴染むもので、それだけでも特別なことなのに、いつかもし、失ってしまったとしても、再びきっと手にすることができます。
 取りかえしがきく、なんていうとちょっと違うのかもしれませんが、たとえ失ったとしても、どうしても取りかえしたくなるような器ばかりだから、それはとてもありがたいのです。


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