白山陶器

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400年以上も続く、庶民のための器作り

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長崎県のほぼ中央、波佐見町(はさみちょう)という小さな街に白山陶器の本社はあります。波佐見町で焼かれるものを「波佐見焼」と呼び、その歴史は1580年頃にまでさかのぼることができます。
 波佐見焼では当初、陶器の生産をしていました。それが朝鮮からの影響などにより磁器生産へと移行していきます。磁器というと、長崎県のおとなり、佐賀県の「有田焼」や「伊万里焼」が有名ですが、高価なイメージのあった磁器を、波佐見焼では庶民でも楽しめるようにと、安価なものを大量に生産しました。そして1690年代、波佐見焼最大のヒット作と言われる「くらわんか茶わん」が誕生。草花などが簡単に描かれた手のひらに程よいサイズのこの磁器の茶わんは、飯わんに限らず、おかずや汁物、酒を飲むことなど、暮らしに合わせて好きずきに用いられ、日本中の人々に親しまれるようになりました。これにより、波佐見焼の染付け磁器の生産量が日本一になるほどだったそうです。
 この頃から、波佐見の街には多くの窯が築かれるようになりました。白山陶器の前身となる窯が創業したのは江戸時代の中頃、1779年のことです。




変わるもの 、変わらないもの

社名を「白山陶器」と改め、現在のかたちになったのは1958年。時代が変わっても、ふつうの人の暮らしになじむことを一番に考えたものづくりの姿勢は変わりません。
 その一方で、同じところにとどまり、同じものを作り続けているというわけではないのです。「人々がその器を使う生活シーンをイメージするところから器作りが始まる」という白山陶器では、刻々と変化するライフスタイルに応じながら、次々に新しい商品がデザインされています。「華美ではなく、かといって平凡でもなく、新しさはあるが時代に左右されることなく、使っていて飽きのこないデザイン」を目指しながら。
 ものがあふれ、暮らしの道具にはその便利さや、いかに手間がかからないかを求められる今、“新しい定番”を生み出すことは、きっと容易ではないはずです。その中にあって、白山陶器で生み出された新たな商品の数々は、「グッドデザイン賞」や「ロングライフデザイン賞」などを受賞し続けています。
 受賞歴は、変わりゆく暮らしのかたちに寄り添う、これからの定番を生み出したという、ひとつの証になるでしょう。ただ、白山陶器の商品をはじめて手にしたとき、そして使ってみたそのとき、華々しい受賞歴以上に、商品そのものが、雄弁にその使い勝手を物語ってくれるはずです。




デザイナー 森 正洋(1927—2005年)について

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白山陶器といえば、森 正洋さんをイメージする人も多いのではないでしょうか。波佐見町のとなり、佐賀県に生まれ、多摩美術大学にてデザインを学び、出版社勤務などを経て、白山陶器のデザイン室に入社します。白山陶器がまだその名を今のものにする以前の1956年のことでした。
 1978年に退社するまでの約20年の間、「日常の生活で使う食器を考え、形を創り、工場で生産することにより、多くの人々とともに共有し生活することにデザインの喜びを感じる」と、数々の商品を生み出しました。そのなかには「グッドデザイン賞」など、権威ある賞を受賞したものも少なくありません。そして、彼の名とともに、日本中に白山陶器の名が広がっていきました。
 退職後も顧問デザイナーを務めながら、後進の育成のために教鞭をふるったり、欧米諸国で開催される展覧会に招かれたりと、国内はおろか、国際的にも活動の幅を広げ、今では世界中でその名を知られていると言っても過言ではありません。



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