管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2016 啓蟄
2016年3月公開
二十四節気は「啓蟄」の節になりました。
聞き慣れない言葉ですが、「虫が地上に出てくる」という意味をもちます。
つまり、ようやく温かくなってきて、動物や木々たちが冬の眠りから目覚める頃ということです。
新しいことを始めたり、今までのことをリセットするのにもいい時期です。
啓蟄の献立
春のアクアパッツァ
調理時間:20分
334kacl(1人分)
「アクアパッツァ」といえば、
本来「煮汁を魚の上に回しかけ続けながら強火で短時間煮る」お料理ですが、
今回は手軽な蒸し煮にアレンジ。
旬の食材たちのさまざまな旨味を存分に堪能できます。
鍋、兼、器には、軽くて扱いやすい「無水鍋」のフタを使いました。
そのまま食卓に出しても素敵です。
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材料(2人分)
金目鯛 切身…2切
塩…小さじ1
ホワイトアスパラガス…3本
空豆…20粒
こごみ…8本
昆布10cm角…1枚
ドライトマト…15g
日本酒…カップ1/2
水…カップ1/2
オリーブオイル…小さじ2
バゲット…好みで適宜
つくりかた
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1.
金目鯛に塩をすり込み、10分ほどおきます。
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2.
ホワイトアスパラガスは根元をのぞき乱切りにします。
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3.
空豆はさやと薄皮をむきます。
【ポイント】
空豆のつめの部分(「お歯黒」ともいいます)に爪をひっかけるとむきやすくなります。 -
4.
こごみは根元の固い部分をのぞき、貯め水の中で振り洗いします。
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5.
鍋に昆布を敷き、1を並べます。ドライトマト、日本酒、水を加えて強火で煮立てます。
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6.
煮立ったら周りにホワイトアスパラガス、空豆、こごみを入れ、蓋をして魚に火が通るまで5分ほど煮ます。
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7.
蓋を取り、仕上げにオリーブオイルを回しかけ、そのまま食卓へ。
お好みでバゲットを添え、スープに浸しながらお召し上がりください。
栄養のまめ知識
*金目鯛は美しい赤色と姿形から、お祝い魚として用いられる魚です。脂が乗っておいしいのは12〜3月にかけて。春らしい食卓の主役にぴったりの食材です。たんぱく質はもちろんですが、脂質も豊富です(ブリと同程度の脂質含有量)。さらにビタミンB群、ビタミンEなども含んでいます。
*こごみは灰汁抜きが必要なく、さっと加熱するだけで食べられるお手軽な山菜です。山菜は下処理が面倒……という方も、ぜひ試してみてください。
(ちなみによく似た形状の”わらび”や”ぜんまい”は、灰汁抜きが必要です)
*アクアパッツァは、本来「煮汁を魚の上に回しかけ続けながら強火で短時間煮る」お料理ですが、今回は手軽な蒸し煮にアレンジしました。魚、昆布、ドライトマト、日本酒それぞれから旨味が出るので、素晴らしいスープ(煮汁)になります。ぜひスープも残さず召し上がってください。トーストしたバゲットを浸して食べるのがおすすめです。
料理に使った器や道具
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/