管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2017 啓蟄
2017年3月公開
二十四節気は「啓蟄(けいちつ)」へ。
土の中で冬眠していた虫たちが外に出てくる頃といわれ、
一雨ごとに気温が上がり、徐々に春めいた日差しを感じられるようになってきます。
三寒四温の名の通り、まだ寒い日もありますが、
私たち人間も少しずつ、新しい季節への準備をはじめたいですね。
啓蟄の献立
鰆(さわら)の燻製
調理時間:40分(冷蔵庫におく時間は除く)
142kcal(1人分)
文字通り春が旬の鰆(さわら)を、茶葉とざらめで燻してつくる燻製です。
燻製チップを用いた一般的な燻製に比べて癖が無く、甘くて柔らかい香ばしさなので、
鰆本来のしっとりと上品な味わいを楽しめます。
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材料:2人分
鰆切り身…2切れ
塩…小さじ1/3
ほうじ茶…ひとつかみ
ざらめ糖…大さじ2
大根おろし、木の芽…好みで適宜
つくりかた
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1.
鰆は水分を抜くため、塩を全体にまぶし、キッチンペーパーで包んで冷蔵庫で1日おいておきます。
【ポイント】
しっかりと水分を取りたいので、途中でキッチンペーパーを数回取りかえることをおすすめします。魚用の吸水シートを使うとベスト。 -
2.
オーブンシートを鰆1切れよりひと回り大きく切り、2枚用意します。1を皮目を下にして、1切れずつ乗せます。
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3.
鍋の底に、アルミホイルかオーブンシートを敷きます。その上にほうじ茶とざらめ糖を入れて、軽く混ぜ合わせ、平らにならします。
【ポイント】
今回は無水鍋を使いましたが、蓋があり、煙が十分に回る深さ(8cm以上が目安)の鍋なら、土鍋やフライパンなど他の鍋でも代用できます。 -
4.
強火にかけ、ざらめ糖が溶けて煙がしっかり出てきたら2を乗せます。
【ポイント】
煙が一部ではなく、全体からもくもくと出てくるまで待ってください。 -
5.
蓋をして強めの弱火にし、20分ほど加熱します。火を止めてそのまま5分ほどおいてから取り出します。器に盛り、好みで大根おろしや木の芽を添えて食卓へ。
【ポイント】
鍋によって加熱時間が異なります。20分経ったら一旦蓋を開けて、飴色になっていなかったら、もうしばらく加熱してください。
栄養のまめ知識
*チップを使わない簡易的な燻製のレシピです。ポイントは、食材の水分をしっかり抜くこと。面倒でなければ、鰆は1日おいた後キッチンペーパーを外し、さらにラップなどせずに2~3時間冷蔵庫において水分を飛ばすと、より燻製らしい仕上がりになりますのでお試しください。燻製する食材は魚の他、肉やチーズ、卵や練り物などいろいろなもので応用できます。
*ほうじ茶以外にも、紅茶や緑茶、ジャスミン茶など、ご自宅で余っている茶葉を使ってつくることができます。風味や香りがそれぞれ違った仕上がりになります。
*鰆は暖流を回遊し、春になると日本近海に産卵のために入ってくる青背魚。瀬戸内海で獲れる「春」ものと、駿河湾で獲れる「秋」ものがあります。きめ細かくしっとりした肉質で、良質なたんぱく質と脂質、ビタミンB2やナイアシンなどのビタミンB群も含みます。
*鰆は身がぐずぐずしているものは避け、触ってみてハリがあり、皮の斑点模様が鮮やかなものを選びましょう。
料理に使った器や道具
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/