2018年1月公開
香りがよく、ほのかな苦味と酸味が爽やかな「金柑」。
皮ごと食べるのでビタミンCをたくさん摂ることができ、
寒い季節の風邪予防にぴったりの果物です。
体を養生する料理が得意な料理人・西野優さんに、
同じく冬が旬のネギと合わせた「金柑と長葱のピクルス」を教わりました。
体をあたため抗菌作用があるシナモンや八角、生姜、
咳を鎮める黒胡椒、栄養満点のハチミツも入った「冬のピクルス」です。
果実酢で漬けたような、酸味がやわらかいピクルスに仕上がるので、
サラダ感覚でいただけます。
金柑というと、シロップ煮など甘くして食べるイメージがありますが、
ピクルスにすれば料理へのアレンジも幅が広がります。
チーズとヨーグルトを使う「金柑と長葱の根菜グラタン」と
酒粕と塩で煮付ける「寒ブリの金柑長葱煮」のつくり方もご紹介します。
ビタミンC豊富、のどにやさしい金柑
皮ごと丸のまま食べられる金柑は、
ビタミンC補給にぴったりの果物。
古くから咳止めや喉にいいとされ、
1年で最も寒くなる1~3月に旬を迎えることから、
風邪予防の食材として知られています。
パッと鮮やかな橙色は気持ちも明るくしてくれます。
表面に艶があり、ヘタが青々としたものが新鮮です。
教えていただいたのは…
料理人 ピリカタント/西野優さん
北海道の十勝出身。農家の息子と、もやし屋の娘の両親の元に育ち、子どもの頃から料理好きに。出版社勤務、旅人、旅と食をテーマにした「ピリカタント書店」の経営を経て、料理人に。ケータリングや出張料理のほか、Webサイトへのレシピ提供、二十四節気にちなんだ食事会開催など、軽やかに活躍中。季節の食材にスパイスとハーブを合わせ、古今東西織り交ぜた無国籍な料理、人と土地を結ぶごはん、旅の香る食卓を描くように料理をしています。活動の最新情報はこちらから。
材料(つくりやすい分量/
完成量約1kg)
- 金柑…14個(200g)
- 長ネギ(白い部分)…2本(200g)
- 赤唐辛子…1本
- 米酢…250ml
- 水…250ml
- ハチミツ…大さじ3
- きび砂糖…大さじ2
- 塩…大さじ1
- 生姜…20g
- ニンニク…1片(4g)
- ローリエ…2枚
- シナモンスティック…2本(13g)
- ホールの黒胡椒…小さじ2
- 八角…1個
(ピクルス液)
1.金柑はヘタを取り、1個を4~5等分するイメージで5mm幅に輪切りにします。
※余裕があれば、ここで種を取っておくと、食べる際により食べやすくなります。
2.長ネギは、10cmの長さに切ってから、さらに縦半分に切ります。輪切りの金柑との見た目のコントラストを楽しむため、長めにしています。
3.煮沸殺菌した保存容器に、漬けムラが出ないよう1と2を交互に入れ、赤唐辛子も入れます。
4.ピクルス液をつくります。ニンニクは芯を取り除き、生姜は皮ごと千切りにします。
5.鍋にピクルス液の材料をすべて入れ、火にかけます。火を入れることで砂糖や塩が溶け、スパイスの香りが立ちます。
6.ピクルス液が沸騰したら火を止め、4に注ぎます。
【ポイント】
早く味を染み込ませたいときは、ピクルス液が熱いうちに金柑と長ネギに注ぎます。保存容器が耐熱でない場合や、ピクルスの漬かり具合による味の変化をゆっくり楽しみたいときは、粗熱がとれてから注ぎます。
7.粗熱が取れたら蓋をして冷蔵庫へ。半日置いたら完成です。冷蔵で2週間保存が可能です。
西野さんが選んだ器は…
浅鉢 中(石川昌浩)
静かに波打つようなゆらぎが光をやさしく受け止める、吹きガラスの鉢。「ガラスは夏というイメージがありますが、私には出身の北海道の雪や氷の世界が思い浮かぶんです。窓から見えるつららとか。そんな冬の景色を食卓に表現してみました」