【長月】蓮池陽子さんに教わる「無花果のコンポート」 | 保存食暦 | cotogoto コトゴト
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季節の恵みを大切にいただく、保存食暦

2020年9月公開


夏から秋にかけて旬を迎えるいちじくは、
やさしい甘味とプチプチした食感が特徴的な果物。
気温が高いと傷みやすいので、生で食べきれない分は
加熱しつつも果実感が残るコンポートがおすすめ。
保存瓶ごと加熱して手軽につくれる「無花果のコンポート」を
料理家・蓮池陽子さんに教わりました。
スパイスなどは入れず、甘さも控えめにしているので
デザートとしてだけでなく、料理にも幅広く使うことができます。

アレンジレシピは、
いちじくのプチプチした食感がアクセントになる「無花果とトマトのマリネ」と、
やさしい甘味が肉の旨味を引き立てる
「ローストポークの無花果バルサミコソース」をご紹介します。

アレンジレシピのつくり方を見る


 

旬の食材のこと

旬の食材「いちじく」
美容や健康にうれしい、いちじく

いちじくは、花のつき方が独特な果樹で、
可食部の内側にある粒々した部分が花に当たり、
漢字で「無花果」と書かれる所以です。
また「不老不死の果物」とも言われ、
水溶性食物繊維のペクチンをはじめ、
抗酸化作用のあるアントシアニン、
カルシウムや鉄分などのミネラル、
血圧の上昇を抑えるカリウム、
消化を促進する酵素が豊富に含まれています。

蓮池陽子さん
教えていただいたのは…

料理研究家 蓮池陽子さん

ビストロ勤務後、クッキングスクールの料理・製菓講師を担当。自然学校からの依頼でアウトドアクッキングのプログラムに携わる中、食べものの背景やストーリーに関心を持つように。現在は、「食の物語を紡ぐしごと」をコンセプトに「Atelier Story」を主宰。商品の開発やプロモーションから、メディアへのレシピ提供・スタイリング、フードコーディネートなど、食べものを育む歴史や自然、風土、つくり手の想いなどを丁寧に紐解き伝える活動を行っています。「バウルー公認! アウトドアでホットサンド」(山と渓谷社)、「素材は少なく、簡単に。ごちそうつくりおきレシピ」(朝日新聞出版)、「うまみがギュッ! 水なし煮野菜レシピ」(宝島社)など著書多数。オフィシャルサイトは、こちらから。



 

「いちじくのコンポート」のつくり方

用意するもの

用意するもの
材料(つくりやすい分量/
完成量約950ml)
  • いちじく…10個(400g)
  • 砂糖…130g
  • 水…200ml
  • ワイン…200ml
  • レモン汁…大さじ1~2

  • 瓶…950ml容量(今回は475mlのものを2本使用)


※ワインは、赤、白、ロゼ、オレンジなどお好みのものを。
※今回は、蓋がスクリュータイプかツイストタイプでの脱気法をご紹介しています。
※まとめて1瓶でつくったり小分けにしたりはお好みで。瓶の大きさ、かたちなどにより分量は前後するため、必要に応じて砂糖、水、ワインの量を調整してください。
※瓶ごと湯煎にかけるため、瓶は耐熱のものだと安心です。
※瓶ごとコンポートにする方法は、果実のかたさによって加熱時間を調整すれば他の果物でも応用可能です。

つくり方

瓶に詰める

1.煮沸かアルコール消毒をした清潔な瓶にいちじくを丸のまま入れます。入りきらない分は、半分に切って隙間を埋めるように入れてください。

コンポート液をつくる

2.鍋などに砂糖、水、ワインを入れて火にかけます。砂糖が溶け、沸騰したら火を止め、レモン汁を加えます。

液を注ぐ

3.2が熱々のうちに1に注ぎます。いちじくがしっかりかぶるところまで注ぎ、瓶の蓋を閉めます。後で再度蓋を閉めるので、ここではかたく閉め過ぎないようにします。

湯煎にかける

4.深めの鍋に、瓶の蓋の下あたりまでの量のお湯を沸かします。瓶が揺れないように鍋の底に布をしき、3を入れ、10分加熱します。

脱気する

5.瓶を取り出し、蓋をぎゅっと閉めて逆さにし、冷まします。逆さにすることで蓋にも熱が伝わり殺菌になります。

完成

6.冷めたら、蓋を上にして冷蔵庫へ。冷蔵で2週間保存が可能です。

蓮池さんが選んだ器は…

オーバルプレート lily white M
(イイホシユミコ)

ほどよい深さと幅広のリムが特徴的な楕円形のプレート。「丸よりもオーバルの方がいちじくのかたちが映えると思います。色は、コンポートの色を引き立てる白を選びました」

 




いちじくとトマトのマリネ

トマトと和えてマリネに。
味つけは、塩、胡椒、レモンにオリーブオイルとシンプルですが、
「無花果のコンポート」のやさしい甘味とトマトの旨味が合わさって、
深みのある味わいです。
トマトの皮を湯剥きすることで、いちじくとなじんで口当たりがよくなります。
バゲットなどを添えれば、おもてなしのオードブルとしてもおすすめです。

材料(2~3人分)
  • 「無花果のコンポート」
    …3個
  • ミディトマト…4個(80g)
  • 紫玉ねぎ…1/10個(20g)
  • イタリアンパセリ…4~5本
  • オリーブオイル…大さじ2
  • レモン汁…大さじ1/2
  • 塩、胡椒…適量
  • パルメザンチーズ…適量
  • バゲット…適量
  • 飾り用のミント、
    イタリアンパセリ…適量
つくり方

1. 「無花果のコンポート」のいちじくは4等分に切ります。ミディトマトはヘタを取り、湯剥きして4等分に切ります。紫玉ねぎはみじん切りし、辛い場合は水にさらして辛味を取った後、水気を切ります。イタリアンパセリは、葉の部分をみじん切りにします。

2. ボウルに1を入れ、オリーブオイル、レモン、塩、胡椒で和えて器に盛り、すり下ろしたパルメザンチーズと胡椒をかけます。バゲットとミントとイタリアンパセリを添えます。



蓮池さんが選んだ器は…

ReIRABO ラウンドプレート 27.5
quiet white(イイホシユミコ)

見込みの平らな部分が広く、縁が垂直方向に立ち上がっているので多少汁気のあるものでも盛りつけられる平皿。「一緒に食べるバゲットを添えたいので、お皿は大きめを選びました。『quiet white』は、いちじくとトマトの色が映えますね」

ローストポークの無花果バルサミコソース

いちじくは肉との相性が抜群。
「無花果のコンポート」をシロップごと使い、
オーブンでじっくり焼いたローストポークのソースに仕立てます。
加熱すると甘味と旨味が際立つバルサミコ酢も加えることで、
フルーティでありながらコクのあるソースに。
ごろんと大き目に切ったいちじくも華やかで、ごちそう感のある一品です。

材料(2~3人分)
  • 豚肩ロース…200gの塊を2個
  • 「無花果のコンポート」
    …4個
  • 「無花果のコンポート」の
    シロップ…大さじ1
  • バルサミコ酢…大さじ3
  • サラダ油…少々
  • 塩、黒胡椒…適量
  • イタリアンパセリ…適量
  • カルダモンパウダー…適量
つくり方

1. 豚肉は、塩小さじ1/3(分量外)をすり込み、2~3時間置きます。

2. フライパンでサラダ油をよく熱し、中火で1の全体にしっかり焼き色がつくまで表面を焼きます。天板にのせ、200度で予熱したオーブンに入れて、25~30分加熱します。竹串などを刺し、血が出てこなければ取り出します。豚肉の厚みによって加熱時間は調整してください。

3. 天板に残った肉汁、「無花果のコンポート」のシロップ、バルサミコ酢をフライパンに入れ、煮詰めます。とろみがついてきたら、半分に切った「無花果のコンポート」を加え、1~2分加熱して火を止めます。とろみが足りない場合は、水溶き片栗粉やコーンスターチ(分量外)でとろみをつけても大丈夫です。

4. 2の豚肉を適当な大きさに切り、皿に盛りつけ、3のソースをかけます。イタリアンパセリを飾り、お好みでカルダモンパウダーを振ります。



蓮池さんが選んだ器は…

しのぎ平皿 マット赤(宋艸窯)

縁に凹凸のある縞模様「しのぎ」が施された平皿。「秋をイメージして、いちじくと同系色のマットな赤色でまとめてみました。縁のしのぎもアクセントになっていますね」












 
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