2018年9月公開
青々とした香りと爽やかな辛みが特徴の青唐辛子。
そのまま食べるのは辛過ぎますが、
調味料にすれば、日持ちはもちろん応用が利いて重宝します。
そこで、青唐辛子の爽やかな辛みが楽しめる「青唐はちみつ醤油」を、
料理家・柚木さとみさんに教わりました。
はちみつのコクのある甘みが旨みを増し、辛みも和らげてくれます。
冷奴や卵かけごはんにかけたり、餃子のタレにしたり、
野菜炒めや焼きそば、炒飯などの味つけなど、万能に使えます。
刻んだナッツとともにクリームチーズと和えて、
クラッカーなどに塗るディップにするのもおすすめ。
アレンジレシピとして、旬の青魚を美味しくいただく「秋刀魚のカルパッチョ」と、
豆板醤や豆鼓醤を使わない白い「麻婆豆腐」もご紹介します。
夏バテからシャキッとさせる青唐辛子
7〜9月に出回る、赤唐辛子が熟す前のものが青唐辛子。
青々とした香りと爽やかな辛みが特徴です。
辛みの成分カプサイシンは、エネルギー代謝や血流を促進、
胃腸を刺激して食欲を増進したり、消化を助ける作用も。
豊富なビタミンCやカロテンは、疲労回復や肌荒れ防止にも
一役買ってくれます。
夏のダメージや疲れが出る秋口におすすめの食材です。
教えていただいたのは…
料理家 柚木さとみさん
大学卒業後、カフェに勤務。4店舗の統括店長を務めたのち退職し、カフェプランナーやフードコーディネーターの資格を取得。食と食空間に関するプロデュースや大手料理教室講師を経て、2012年、友人達とセルフリノベーションした築55年の平屋でキッチンスタジオ「スタジオさときっちん」をオープン。「おもてなしに対応できる野菜たっぷりのごはん」をコンセプトに料理教室を主催。その他、企業向けレシピ開発、雑誌・Webサイトへのレシピ提供や、ドラマの料理制作など幅広く活動しています。オフィシャルサイトは、こちらから。
材料(つくりやすい分量/
完成量約250g)
- 青唐辛子…50g
- しょうゆ…100ml
- はちみつ…100ml
1.青唐辛子はよく洗い、水気を拭き取ったらヘタを除きます。
【ポイント】
青唐辛子は、素手のまま切ると手がひりひりしてしまうため、手袋をつけて作業します。
2.均一な大きさに刻みやすくするため、縦に1〜2本切り込みを入れます。
【ポイント】
種の部分が辛いので、辛みを抑えたい場合は、この段階でスプーンなどで種を取り除いてください。
3.みじん切りにします。
4.消毒をした保存容器に刻んだ青唐辛子、しょうゆ、はちみつを加え、よく混ぜます。
5.すぐに使えますが、半日ほど置くとより味が馴染みます。冷蔵で1ヵ月保存が可能です。
柚木さんが選んだ器は…
切り抜き印判手皿 アホウドリ、トラ猫
(倉敷意匠×kata kata)
型染めユニット「kata kata」がデザインした動物柄を、銅板転写で絵つけした豆皿。「見た目がキュートで、食卓を楽しくしてくれるお皿ですね。ほどよい窪みがあるので、しょうゆ皿などに使いやすいと思います」
ぴりりと爽やかな辛みのある「青唐はちみつ醤油」は、
唐辛子をよく使う中華料理でも大活躍。
青唐辛子の爽やかな辛さを活かすため、
豆板醤や豆鼓醤は使わずに白い麻婆豆腐に仕上げます。
挽き肉ではなく刻んだ肉を使うので、食べ応えも十分。
簡単だけれど、ごちそう感のあるおかずです。
材料(2~3人分)
- 豆腐…1丁(350g)
- 長ネギ…1本(140g)
- ニンニク…1片(約10g)
- 生姜…約10g
- 豚バラブロック(または薄切り)
…200g - 米油…小さじ1
- 塩…小さじ1/2
- 紹興酒…大さじ2
- 「青唐はちみつ醤油」
…大さじ2 - 鶏ガラスープの素…小さじ2
- 水…300ml
- 片栗粉…大さじ1
- 水…大さじ2
- 花椒または山椒(粗挽き)…適量
(水溶き片栗粉)
※豆腐は、お好みで絹か木綿をお選びください。
つくり方
1. 豆腐は1.5cm角のさいの目切り、長ネギは青い部分もすべてみじん切り、ニンニク・生姜は皮を剥いてみじん切りにします。豚バラ肉は5mm角に刻みます。
2. 中華鍋を中火で熱し、煙が出てきたら米油を加え豚バラ肉を炒めます。豚肉に火が通ったら、ニンニク、生姜を加え、香りが出るまで炒めます。
【ポイント】
肉のくさみを取るために、肉から出る油が透き通るまでよく炒めます。最初からニンニクと生姜も一緒に炒めると、肉に火を通す間に焦げてしまうため、今回は後から入れます。
3. 塩を加えてざっと炒めたら、紹興酒を加えます。アルコールが飛んだら、「青唐はちみつ醤油」を加え炒めます。
4. ネギの半量を加え油が馴染むまで炒めたら、鶏ガラスープの素、水を加え一煮立ちさせます。沸騰したお湯に塩一つまみ(分量外)を加え1分程下茹でした豆腐を、あたたかいうちに加えます。
【ポイント】
豆腐は、下茹ですることで余分な水分が抜け、麻婆豆腐が水っぽくならず、豆腐の煮崩れも防げます。塩を入れることで、豆腐が固くなるのを防ぎます。ぐらぐらと長時間茹でると、豆腐に「す」が立ち口当たりが悪くなってしまうので、加熱は1分程度に。豆腐同士がくっついてしまうため、お湯を切ったらすぐに加えるようにします。
5. 再度沸騰したら、水溶き片栗粉を加え、とろみがつくまで混ぜます。残りのネギを加えてざっくり混ぜ、味が足りなければ塩または「青唐はちみつ醤油」で調整を。お好みで、粗く引いた花椒または山椒を散らします。
柚木さんが選んだ器は…
オーバルプレート M moon gray
(イイホシユミコ)
「moon gray(ムーングレイ)」と名づけられた独特の色味が印象的なオーバルプレート。「落ち着いたニュアンスカラーとかたちに惹かれました。通常のオーバルプレートよりも長細く、広めのリムは、ありそうでないかたち。深さもけっこうあるので、ほっそりした見た目よりもたっぷり盛りつけられます」
オリーブオイルとバルサミコ酢、そして「青唐はちみつ醤油」を合わせたソースで、
旬の魚・秋刀魚をカルパッチョに。
青魚の持つ独特のクセを、青唐辛子の辛みが和らげ食べやすくしてくれます。
爽やかな青唐辛子の辛みを生かすため、
合わせる酢は、酸味がやわらかく
はちみつやしょうゆとも相性のいいバルサミコ酢がおすすめ。
秋刀魚の旨みにソースの甘辛酸っぱさが合わさった、
ごはんもお酒も進む一品です。
材料(2~3人分)
- 秋刀魚(刺身用)…100g
- 万能ネギ…3本(12g)
- プチトマト…2〜3個
- 金ごま(なければ白ごま)
…小さじ1/4 - 「青唐はちみつ醤油」…大さじ1
- バルサミコ酢…大さじ1/2
- オリーブオイル…大さじ1/2
(ソース)
つくり方
1. 万能ネギは、根元を切り落とし、小口切りにします。プチトマトはヘタを除き、4〜8等分に切ります。
【ポイント】
色のアクセントとして散らすトマトは、通常サイズのトマトだと種の部分など水気が多くなってしまうため、今回はミニトマトがおすすめです。
2. ボールにソースの材料を入れ、少しとろみがついた乳化の状態まで、油とその他の液体をしっかりと混ぜ合わせます。
3.器に秋刀魚を並べ、万能ネギと金ごまを散らします。
4.ソースをかけ、プチトマトをのせます。
柚木さんが選んだ器は…
角皿 墨貫入 210 青
(南景製陶園)
釉薬に入ったヒビ「貫入(かんにゅう)」に、墨を流し込んで模様を浮き上がらせた角皿。「貫入による模様と色が印象的。21cm四方というのも使いやすいサイズです。縁が少し立ち上がっていることで、カルパッチョのようにソースをかけた汁気のある料理も安心です」