於福鍋の工房を訪ねて
まだまだ残暑の残る9月のある日、
この冬、新しい土鍋をはじめると東屋さんに伺い、その工房へ案内していただきました。
東屋さん曰く、「土鍋をやるなら伊賀焼き以外に選択肢はない」、
「耐火度と保温力では伊賀焼きに勝るものはない」というほど、
絶大な信頼を置く、伊賀焼きの職人さんの工房です。
電車は近くにないからと、京都駅から車で約1時間。三重県伊賀市の山奥へ。
山道を登った先に、小さな工房がありました。
聞こえてくる音は、工房に流れる静かなジャズと、ときどき屋根の上にどんぐりが落ちる音、
そして、ろくろの回る音や土を削る音。
そこでひとりの職人さんが静かに作陶をしています。
少しおじゃまをして、「於福鍋」の魅力を伺いました。
柴本耕志さん
経済産業大臣指定 伝統工芸品 伊賀焼 成形部門
伝統工芸士
天保3年(1832年)創業の伊賀焼の窯元、
長谷製陶(ながたにせいとう)株式会社に24年間勤務後、独立。
東屋との付き合いは、独立以前からで、かれこれ10年近くにもなるのだとか。
実は、石の彫刻家でもある柴本さん。今も個展などを行う現役作家でもあります。
伊賀土鍋の材料となる、石を多く含む「伊賀土」へのこだわりは、
きっとそのせいもあるのかもせいれません。