管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2016 芒種
2016年6月公開
二十四節気のひとつ「芒種(ぼうしゅ)」。
この時期になると、西のほうから徐々に梅雨がやってきます。
雨でお出かけをやめたなら、台所仕事に精を出すのも楽しいものです。
芒種の献立
〆鯵の冷や汁素麺
調理時間:20分(冷や汁を冷やす時間を除く)
414kacl(1人分)
焦げた味噌の風味が香ばしく、
コクのあるしっかりした味を楽しめる冷や汁です。
素麺ならのどごしもいいので、暑くなりはじめたこの時期に最適。
ごはんで冷たいお茶漬けのようにしても美味しくいただけます。
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材料(2人分)
(冷や汁)
しょうが(みじん切り)…親指大1本分
味噌…大さじ3
ごま油…小さじ2
すりごま(白)…大さじ3
カレー粉…小さじ1/4
かつお出汁…カップ2
(〆鯵)
鯵(刺身)…120g
塩…小さじ1/4
かぼす果汁…小さじ2
砂糖…小さじ1/2
ごま油…小さじ1/2
かぼす皮(せん切り)…適宜
(トッピング)
みょうが(せん切り)…2本
ゴーヤ(薄切りにして塩もみ)
…1/3本
かぼす…1個
素麺…2束
かぼす(いちょう切り)…適宜
つくりかた
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1.
フライパンにごま油をしき、しょうが、味噌を炒めます。香りが立ち、味噌が部分的に焦げてきたら火からおろします。
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2.
すりごま、カレー粉、出汁を加えてよく混ぜ、冷蔵庫でしっかり冷やします。
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3.
〆鯵をつくります。鯵は塩をして軽く揉み5分ほど置きます。かぼす果汁、砂糖を加えてよく混ぜ、さらに2〜3分置いて酢じめにします。鯵の肌のピンク色が白っぽくなってきたら、ごま油、かぼすの皮を加えて和えます。
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4.
素麺は沸騰した湯で茹で、氷水でしっかりしめます。
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5.
4の素麺を盛りつけます。少量ずつフォークに取って、パスタを食べるときのようにくるくる巻きます。これを2〜3回繰り返して形を整え、崩れないように器に置き、そっとフォークを抜くと、きれいで食べやすい盛りつけができます。
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6.
巻いた素麺の中央の凹みに好みのトッピングをします。
別の深さのある器に2のよく冷えた冷や汁を注ぎ、3の〆鯵、トッピングを添えていただきます。
栄養のまめ知識
*代表的な大衆魚である“鯵”。一般的に鯵と言うと“真鯵”のことを指します。通年出回っていますが、初夏〜夏にかけてが旬。この時期の鯵は安価で身が締まり、脂が乗っています。身がピンと張っていて、ぜいごがしっかりしているもの、腹が盛り上がっているものを選びましょう。
*鯵などの“青背魚”に多く含まれるDHA、EPAなどの不飽和脂肪酸には血中の中性脂肪、コレステロールの減少、血栓予防効果などが確認されています。不飽和脂肪酸は酸素に触れたり、加熱することで酸化しやすいので、お刺身(生)がおすすめです。
*本来の“冷や汁”は、炙った鯵などの魚をほぐして味噌とともにすり鉢で擦り合わせ、それを直火で炙って焦がしたところに出汁を加えてつくります。このレシピでは鯵は締めてトッピングに、味噌はフライパンで炒める簡単な方法にアレンジしました。
*かぼすは夏〜初秋にかけてが旬の柑橘です。今回は酢〆に使う酢の代わりに果汁を使いました。爽やかな酸味と香りが料理を引き立てます。レモンなどでも代用できます。
料理に使った器や道具
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/