【如月】こてらみやさんに教わる「牡蠣のオイル漬け」 | 保存食暦 | cotogoto コトゴト
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季節の恵みを大切にいただく、保存食暦

2018年2月公開

2月から3月にかけて、冬の牡蠣と言われる「真牡蠣」が旬を迎えます。
ぎゅっと旨みが濃縮するこの期間に保存食に仕立て、
じっくり海の恵みを堪能しましょう。
瓶詰め保存食のレパートリー豊富な料理家・こてらみやさんに
「牡蠣のオイル漬け」を教わりました。

一度加熱してからオイルに漬け込むため、
おつまみやごはんのおかずとしてそのまま食べるのはもちろん、
さっと他の料理にも手軽に展開できて重宝します。
熱々をはふはふと頬張りたい「オイスターチャウダー」と、
旨みたっぷりで後を引く「牡蠣のオイスター焼きそば」のつくり方もご紹介します。

アレンジレシピのつくり方を見る


 

旬の食材のこと

旬の食材「牡蠣」
ミネラル豊富な「海のミルク」、牡蠣

牡蠣は、亜鉛や鉄分といったミネラルをはじめ、
疲れにくい体をつくる成分など栄養満点の食材。
日本で主に獲れる種類は、「真牡蠣」と「岩牡蠣」です。
牡蠣は産卵前が旨みが増し美味しくなるため旬とされ、
2月から3月に「真牡蠣」が旬を迎えます。
なるべく同じくらいの大きさのものを買うと、
火の通りが揃って加工しやすくなります。

こてらみやさん
教えていただいたのは…

料理家 こてらみやさん

京都出身。料理制作からスタイリングまで、食の総合的なコーディネーターとして活動。スパイスや香味野菜など香りを活かした料理やお酒に合うおかずに定評があります。旬の食材を瓶に美味しく閉じ込める瓶詰めレシピのレパートリーも多数。著書にはベストセラーとなった「魔法のびん詰め」(三笠書房)の他、雑誌やWebサイトにも多数レシピを提供しています。テレビの料理番組出演や、「オサル食堂」と称したイベントでのレストラン開催など、幅広く活躍中。2018年春には、毎日のごはんづくりが楽しくなる「おかずのもと」をまとめた、「おかずのもと アレンジ自在で毎日おいしい!」(翔泳社)を刊行予定。



 

カキのオイル漬け

用意するもの

用意するもの
材料(つくりやすい分量/
完成量約215g)
  • むき牡蠣(加熱用)…300g
  • 粗塩…大さじ1
  • 日本酒…大さじ1
  • 塩…ひとつまみ
  • 鷹の爪…1本
  • 黒粒こしょう…小さじ1/2
  • ニンニク…1片
  • ローリエ…1枚
  • 米油…適量(牡蠣が浸る量)

  • ※油はクセの少ないものの方がアレンジしやすくなります。 半量をオリーブオイルやごま油にすると、より洋食や中華よりに。
    お好みでお試しください。

つくり方

薬念と白菜を絡める

1.鷹の爪は種を取り、半分にちぎります。ニンニクは、潰して4等分にします。ローリエは、半分にちぎります。

牡蠣を洗う

2.牡蠣はボールに入れて粗塩を振りかけ、手ですくうようにして塩で洗います。

【ポイント】
牡蠣の身は、ヒダになっている部分に汚れや殻の欠片が溜まっていることがあります。ヒダを広げるようにして汚れを取り除きます。

水洗いして水気をとる

3.黒い汚れが浮き出てきたら、水で洗い流します。バットなどに並べ、ペーパータオルでやさしく抑えるように水気を拭き取ります。

煎り牡蠣にする

4.3の牡蠣をフライパンに入れ、日本酒と塩ひとつまみを加えてさっと混ぜ、強火にかけます。しばらくすると牡蠣から水気が出てくるので、牡蠣を転がしながら水分を飛ばすように炒りつけます。

水気を飛ばす

5.水気が飛んで牡蠣がプリッとしてきたら弱火にして、牡蠣がフライパンにくっつかないよう転がしながら炒ります。完全に水気が飛んだら火を止めます。

※フライパンについた牡蠣のエキスも別の料理に活用できるため、ひとまず洗わないで置いておきます。→おまけへ

【ポイント】
保存性を高めるため、フライパンについた牡蠣のエキスが乾くぐらいまでしっかり水分を飛ばします。

粗熱をとる

6.バットにあけて冷まします。

瓶に詰める

7.1と6を瓶に入れ、牡蠣がしっかり浸るくらい油を注ぎ入れます。菜箸などで牡蠣を動かし、油が全体に回るようにします。

冷蔵

8.完成。冷蔵で2週間保存可能です。

牡蠣のエキスを出汁に

おまけ.5のフライパンに水200mlを注ぎ、弱火にかけながら牡蠣のエキスを溶かします。旨みたっぷりの牡蠣出汁は、冷蔵で2~3日ほど日持ちするので、「オイスターチャウダー」など、ぜひ他の料理に活用してください。

こてらさんが選んだ器は…

桔梗 小鉢(JICON・磁今)

桔梗の花びらを思わせる縁のあしらいが特徴的な小鉢。「何を盛っても美しく見える品のいい器ですね。牡蠣そのものはあまり色がきれいではないので、器は中間色より、白や黒などはっきりした色が似合うと思います」

 




アレンジレシピのつくり方

オイスターチャウダー

「チャウダー」とは、魚介類や野菜がたくさん入った濃厚スープのこと。
アサリやハマグリを使えば「クラムチャウダー」。
今回は、牡蠣をたっぷり使って「オイスターチャウダー」に仕立てました。
「牡蠣のオイル漬け」をつくる際にできる牡蠣出汁を使えば、
さらに旨みたっぷりの味わい深いスープになります。
具だくさんで、一皿食べ終わる頃には体はポカポカ、
お腹もやさしく満たされます。
寒い日の、起きがけの朝食や、遅くなった夕食などに
特におすすめの一品です。

材料(2~4人分)
  • 「牡蠣のオイル漬け」…100g
  • 「牡蠣のオイル漬け」のオイル
    …大さじ1
  • 牡蠣出汁…150ml

  • タマネギ…1/2個(125g)
  • 長ネギ…1/2本(40g)
  • マッシュルーム…4個(60g)
  • じゃがいも(メークイン)
    …1個(140g)
  • ベーコン…2枚(40g)
  • パセリ(みじん切り)…少々

  • 白ワイン…大さじ2
  • 牛乳…500ml
  • バター…20g
  • 小麦粉…大さじ1
  • 塩…小さじ1/2
  • 胡椒…少々
つくり方

1. 牡蠣は小さめのものを数粒取り置いて、残りは粗みじん切りにします。タマネギは粗みじん切り、長ネギは1cm幅のぶつ切りにします。マッシュルームは石突きの変色している部分を切り落としてから、放射状に8等分にします。じゃがいもは1cmの角切り、ベーコンは1cm幅の短冊切りにします。
2. 鍋に「牡蠣のオイル漬け」のオイルを入れて中火にかけ、ベーコンとタマネギ、長ネギを炒めます。油が全体に回ったら弱火にしてマッシュルームを加え、タマネギが透き通ってくるまでじっくり炒めます。
3. 2に白ワインを入れて煮詰め、バターを加えて溶けたら小麦粉を振り入れ、粉気がなくなるまで炒めます。
4. 3を炒めながら、牡蠣出汁を少しずつ入れて溶きのばします。牛乳とじゃがいもを加え、底が焦げないようにかき混ぜながら弱火でじゃがいもに火を通します。
5. 刻んだ牡蠣を加えて塩、胡椒で味を調え、5分ほど火を通します。
【ポイント】
「牡蠣のオイル漬け」はすでに火が通っているので、身が固くなり過ぎないよう、野菜類に火が通ってから加えます。

6. 刻んでいない牡蠣を加え、あたたまったら器に盛り、パセリを散らします。



こてらさんが選んだ器は…

ReIRABO カップ L
winter night gray (イイホシユミコ)

もくもくとムラのある伊羅保釉(いらぼゆう)が味わい深いカップ。「持ち手のあるカップだと熱々を手で持って食べられるし、スープ皿より口が狭く深さがあって冷めにくいので、私はもっぱらスープはカップでいただきます。このLサイズは、チャウダーのように具だくさんの食べるスープにちょうどいい大きさですね」


牡蠣のオイスター焼きそば

ソース味や塩味など味付けによって雰囲気が変わる焼きそばは、
オイスターソースを使うと、ぐっと高級感のあるごちそう麺になります。
さらに「牡蠣のオイル漬け」を具にすることで、
より旨みの強い、お酒などにもよく合う一皿に。
香味野菜の長ネギとニラが、
こっくりとした牡蠣の味わいを引き立ててくれます。
麺をべちゃっとさせずにぱらりと仕上げる、焼きそばづくりのコツも必見です。

材料(2人分)
  • 「牡蠣のオイル漬け」…120g
  • ニラ…1/2束(50g)
  • 長ネギ…1/2本(40g)
  • 生姜…1片(7g)
  • 焼きそば用蒸し麺…2玉(300g)
  • 米油…大さじ1と1/2
  • しょうゆ…小さじ2/3
  • ごま油…小さじ1/2
  • 胡椒…少々

  • (A)
  • オイスターソース…大さじ1
  • 紹興酒…大さじ1
つくり方

1. 牡蠣のオイル漬けの油をペーパータオルで軽く押さえて取り、大きめの牡蠣は半分に切ります。ニラは5~6cmのざく切り、長ネギもニラに長さを揃えて短冊切りにします。生姜は千切り、麺は常温に戻して半分に切ります。(A)は混ぜ合わせておきます。
【ポイント】
麺は、冷えていると固まってほぐれにくいので、常温に戻してから使います。さらに、半分に切って短くすることで炒めやすくなります。

2. 中火で熱したフライパンに大さじ1の米油を入れ、麺の両面をこんがり焼き、ほぐれてきたらいったん取り出します。
【ポイント】
先に麺を焼くことで、具や調味料と合わせたときに麺がべちゃっとせず、1本1本に味が絡みやすくなります。

3.同じフライパンに残りの米油を入れ、生姜、長ネギ、牡蠣をさっと炒めます。麺を戻し入れ、ニラ、(A)を加えて炒め合わせます。しょうゆとごま油を回し入れてさっと炒め、胡椒を振ります。



こてらさんが選んだ器は…

角皿 隅入り(内村七生)

白くぽってりとした質感と、装飾的なかたちが魅力の角皿。「中央が平らで縁があるかたちが、盛り付けやすくて好きなんです。また、白磁はオイスターソースを使った茶色い麺が映えます」








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