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季節の恵みを大切にいただく、保存食暦

2018年6月公開

初夏は梅しごとの季節です。
出回る時期は一瞬ですが、疲労回復作用のある梅は夏バテ防止の強い味方。
今の時期に保存食に仕立てて、暑い季節に美味しく活用したいものです。
大人から子どもまで楽しめる梅の保存食と言えば、「梅シロップ」。
菓子・料理研究家の若山曜子さんに、グラニュー糖と酢を使う、
失敗知らずのつくり方を教わりました。
今回はすっきりした味わいに仕上がる青梅を使用。

炭酸水で割って飲むのはもちろん、いろいろなアレンジも楽しめます。
凍らせれば、ひんやりうれしい夏のデザート「グラニテ」に。
漬けた梅を活用できる「豚肉と卵の梅煮」のつくり方もご紹介します。

アレンジレシピのつくり方を見る


 

旬の食材のこと

旬の食材「梅」
爽やかな酸味で夏バテ知らずの梅

梅は、熟しても甘くならず、強い酸味が特徴の果物。
熟し具合によって用途が異なり、主に青梅は梅酒、
完熟梅は梅干しに加工されて食べられます。
青梅は5月下旬から6月中旬、完熟梅はそれから7月頭までと出回る時期が短いので、見逃さないよう要注意。
疲労回復や食欲増進作用のあるクエン酸やリンゴ酸が豊富で、暑い季節に積極的に摂りたい食材です。

若山曜子さん
教えていただいたのは…

菓子・料理研究家 若山曜子さん

東京外国語大学フランス語学科卒業後、パリへ留学。ル・コルドン・ブルーパリ、エコール・フェランディを経て、パティシエ、グラシエ、ショコラティエ、コンフィズールのフランス国家資格(C.A.P)を取得。パリのパティスリーやレストランで経験を積み帰国。現在は、書籍や雑誌、テレビ、WEB、企業の仕事のほか、少人数制のお菓子と料理の教室を主宰。「わたしのフランス菓子AtoZ」(産業編集センター)、「ヨーグルトの冷たいお菓子と焼き菓子」(世界文化社)、「30分で3品!毎日のふたりごはん」、「少量でもおいしくできる はじめての梅しごと手帖」(共に、家の光協会)など、著書多数。オフィシャルサイトは、こちらから。



 

トマトソースのつくり方

用意するもの

用意するもの
材料(つくりやすい分量/
完成量約800ml)
  • 青梅…1㎏
  • グラニュー糖…800g
  • 酢…大さじ1

つくり方

梅の下ごしらえ

1.梅は、竹串を使ってヘタの部分であるなり口をとります。なり口をとりながら、傷がついて茶色くなった梅は除けます。

洗って水気を切る

2.流水で1を洗ったら、ざるにとってしっかり水気を切ります。

冷凍させる

3.2をジッパー付き保存袋に入れ、一晩以上冷凍させます。

【ポイント】
冷凍させることで梅の繊維が壊れ、エキスが早く出やすくなります。

瓶に詰める

4.煮沸消毒した保存瓶(容量2Lを使用)に3を入れ、上からグラニュー糖をかぶせるように入れます。

【ポイント】
砂糖が溶けるまでの間に梅が空気に触れている状態だと、かびが生えたり発酵してしまうことがあります。グラニュー糖は溶けやすく、また粒子が細かいので、梅と梅の隙間にも入り込んで空気に触れにくくしてくれます。

酢を入れる

5.梅からエキスが早く出るための呼び水として、酢を加えます。

【ポイント】
酢には殺菌作用があるため、発酵を抑える意味もあります。

1週間

6.グラニュー糖が溶けて梅が顔を出すようになってきたら、グラニュー糖が早くすべて溶けるように1日1回上下を返すように瓶をゆすります。写真は、1週間程度経過した状態。まだ下にグラニュー糖が白く残っています。

1週間

7.梅がしわしわになって砂糖が完全に溶けたら完成です。写真は、漬け始めてから2週間のもの。時間が経つほど酸味が落ち着きまろやかな味わいに変化していきます。飲み頃や梅を取り出す時期はお好みで。梅はそのまま入れ続けていても大丈夫です。冷蔵で1年は保存が可能です。

▲密封瓶 2L(チャーミークリア)

若山さんが選んだ器は…

石川昌浩さんのガラスコップ
筒型コップM(倉敷意匠)

民藝のガラス作家として知られる小谷眞三氏に師事し、現在は岡山県倉敷にて「石川硝子工藝舎」という屋号で吹きガラスの制作を行っている石川昌浩さんのコップ。「岡山出身というのもあり、子どもの頃から吹きガラスには親しみがあります。ガラスは、あまり華奢なものは持つときにこわいけれど、このグラスは、ちょっとぽてっとした程よい厚みがいいですね」

 




アレンジレシピのつくり方

梅のグラニテ

梅の酸味はさっぱりと清涼感があり、暑い時期にはひと際美味しく感じます。
「梅のシロップ」を水で割って凍らせると、
ひんやりと美味しいフランスの氷菓「グラニテ」に。
シャーベットよりもザクザクとした食感で、まるで洋風かき氷。
食べるときにすだちやレモンなどを絞ると、
さらにすっきりとした味わいが楽しめます。

材料(2人分)
  • 「梅シロップ」…150ml
  • 水…100~150ml
つくり方

1. 「梅シロップ」と水をよく混ぜ合わせ、冷凍庫で2時間以上冷やします。
【ポイント】
「梅シロップ」の糖分により、ガチガチに凍ってしまうことはありません。

2. フォークなどでザクザクと砕くようにかき混ぜ、すだちを絞っていただきます。



若山さんが選んだ器は…

石川昌浩さんの筒型の小鉢(倉敷意匠)

ひとつひとつ口吹きでかたちづくられ、すとんと立ち上がったかたちが特徴的な小鉢。「吹きガラスは程よい厚みがあるから、グラニテなど冷たいものを盛り付けても、手に冷たさが伝わり過ぎなくて持ちやすいんです」


豚肉と卵の梅煮

「梅シロップ」はあっという間に飲み切ってしまっても、
意外と残ってしまうのが漬けた梅。
程よく酸味が残った梅は、料理の隠し味におすすめです。
ボリュームのある厚切りの豚肉と卵の煮物に梅を加えれば、
酸味でさっぱりと仕上がります。
さらに、梅の作用で肉がほろりとやわらかに。
食欲がない日もついつい箸が進む夏の煮物です。

材料(2人分)
  • 「梅シロップ」の梅…3~4個
  • 豚肩ロース塊…400g
  • ゆで卵…2~3個
  • ニンニク…1片

  • (A)
  • 酒、しょうゆ…各大さじ2
  • みりん…大さじ1

  • 胡椒…少々
つくり方

1. 豚肩ロースを2cmくらいの厚さに切り鍋に入れ、梅、潰したニンニク、(A)、ひたひたの水(分量外)を加え中火にかけます。沸騰したらアクをとり、蓋をして弱火で30分煮込みます。
2. ゆで卵を加え、さらに20分煮ます。
3.皿に盛り、仕上げにお好みで胡椒を振ります。



若山さんが選んだ器は…

皿 7寸 線 (陶眞窯)

コバルト色と緑の唐草模様が爽やかな沖縄のやきもの・やちむんの皿。「煮物は広がったかたちの方が盛り付けやすく、さらに汁気があるから深さもあるといいですよね。青に緑も入った色合いが夏らしくて爽やかです」








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