私たちが比べてみました 暮らしの道具、徹底比較
杓文字編
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2019年11月公開
ご飯をよそうのに必要な「杓文字(しゃもじ)」。
プラスチックのものはお米がくっつきにくい加工がされていたり、
なんと言ってもお手入れが楽ちん。
反対に木製のものはご飯粒のくっつきやお手入れの難しさが気になるけれど、
それでもあたたかみのある木製の杓文字を使いたいという方も多いのではないでしょうか。
今回は、普段から木製杓文字を愛用しているスタッフ3人が
くっつきやお手入れなどに注目してcotogotoで扱う3メーカーを比べてみました。
スタッフの紹介
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ナオミ
30代、夫と子どもと3人暮らし。
食をはじめとする暮らし全般への関心が強く、
杓文字の使い心地にもこだわりあり。
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シュリ
30代、夫と子どもと3人暮らし。
毎日お米を食べているご飯派。
おひつ購入に合わせて、木製杓文字を使うように。
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ミズキ
20代、1人暮らし。
プラスチック製に抵抗があり、木製杓文字を使っているが
お手入れの失敗談あり。
どんな杓文字を使っていますか?
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▲木製の杓文字を使うだけで、いつものご飯がなんだか美味しそうに。
「杓文字 宮島 七寸(東屋)」を使用。
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ナオミ
私は、今年の1月くらいに購入した
「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」を使っています。
「かまどさん 二合(長谷園)」を持っていて、
以前はセットでついていた杓文字を使っていました。
でも、深さのある「かまどさん(長谷園)」に対して、
柄が短いので底にあるご飯を取ろうとすると、
手が土鍋に触れて熱い思いをしていました。
「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」は
cotogotoの杓文字の中で一番柄が長く、
三味線のバチのような特徴的なかたちが側面や底にピタッと沿って
無駄なくご飯をよそうことができるので重宝しています。
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シュリ
私は、プラスチック製の杓文字を使っていましたが、
1年半くらい前におひつを購入したときに
「杓文字 宮島 (東屋)」に買い替えました。
やっぱりおひつに合わせるなら、雰囲気のいい木製の杓文字がよかったので。
「杓文字 宮島(東屋)」は手触りが滑らかで、柾目がきれいだったので選びました。
使いはじめた頃は水に濡らすと毛羽立つのが気になりましたが、
使っていたらすぐに収まったので、今では気にすることなく使っています。
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ミズキ
私は「丸柄ナナメ杓子(宮島工芸製作所)」を約5年使っています。
プラスチック製のものはチープな感じが好きではなくて、
木製の杓文字を購入しましたが、
お米がくっついてしまったり
お手入れに気を遣わないといけなくて、
ずぼらな正確ゆえ少し面倒に感じてしまっています。
早速、杓文字を比べてみましょう
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ナオミ
杓文字を使って、炊いたご飯をお茶碗によそってみます。
よそいやすさやご飯粒のくっつき具合に違いがあるか見ていきましょう。
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▲「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」は、横幅が最大約6cmと細く、
一度によそえるご飯の量が少なめ。
数回に分けて茶碗によそうことで、ご飯を美しく盛りつけることができます。
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ナオミ
「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」を使って、ご飯をよそってみます。
特徴的なかたちをしていますがこのかたちがミソなんです。
鍋の側面に沿うだけではなく、
角の隅にたまったご飯粒も、角ばっている部分でしっかり取ることができます。
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シュリ
柄が長いから深い鍋からでもすくいやすいですね。
ただ杓文字の頭部分の面積が狭いからか、
よそえるご飯の量がは少なめ。
丼飯のときや食べ盛りの子どもがいる家庭だと
よそう回数が多くなり、面倒かもしれません。
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ミズキ
一方で、数量ずつ数回に分けてご飯をよそうことで、
美しく盛ることができるというメリットがあります。
毎日食べるお米だからこそ、見た目からも美味しくいただきたいですよね。
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▲左から「杓文字 宮島(東屋)」、「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」、
「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」の持ち手。ほどよい厚みと丸みを帯びた
「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」は手のフィット感がよく抜群の握りやすさです。
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ナオミ
次は「杓文字 宮島(東屋)」を使ってみましょう。
すくいやすさは問題ありませんね。
ただ、持ち手の先が角ばっていて手のひらに当るのが気になります。
混ぜご飯など、大量のご飯を混ぜ合わせる場合などには、
少し痛くてやりづらさを感じるかもしれません。
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ミズキ
握りやすさだったら、「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」が一番。
柄が丸みを帯びているのでフィット感がよく、手に馴染んでくれます。
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▲頭の部分が斜めになっている「丸柄ナナメ杓子(宮島工芸製作所)」は、
杓文字がご飯にすっと入っていくので、切るように混ぜる動作をしやすいのが特徴。
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シュリ
「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」には、
「丸柄マル杓子」と「丸柄ナナメ杓子」とかたちが2種類あります。
「丸柄マル杓子(宮島工芸製作所)」は、
頭の部分が丸型の一般的なかたちをしていてオールマイティーに使えそう。
一方で「丸柄ナナメ杓子(宮島工芸製作所)」は、
酢飯をつくるときなど、ご飯を切るように混ぜる作業に最適ですね。
シャッシャッシャッと、杓文字がスムーズにご飯に入るうえ、
頭の部分の面積も広いので、返すときにもしっかりご飯を捉えることができます。
ご飯粒のくっつき具合はどうですか?
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▲お茶碗一杯分のご飯をよそった後のご飯粒のくっつき具合。
左から「杓文字 宮島(東屋)」、「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」、
「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」。
予め水に30分程度浸けておけば、どの杓文字もご飯粒はくっつきにくくなります。
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ナオミ
それぞれの杓文字を使ってご飯をよそってみたところで、
ご飯粒のくっつき具合を見てみましょう。
今回は、ご飯を鍋で炊くときの炊飯時間である30分を目安に
杓文字を水に浸しておきました。
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ミズキ
くっつき具合に大きな差はありませんでしたが、
一番くっついていないのは、「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」かな。
私は普段、水に浸しておくのを忘れて
使う直前に水で湿らせる程度になってしまい、
「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」にお米がたくさんくっついてしまうのですが、
30分程度しっかり浸けておけばくっつかないんですね。
ご飯を炊きはじめたと同時に、
杓文字を水に浸けるのを習慣化して忘れないようにしたいです!
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シュリ
「杓文字 宮島 (東屋)」は、ご飯が冷めてきてしまうと
だんだんくっつきやすくなってしまいました。
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ナオミ
「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」は、
事前に浸けておかずに、直前に表面を湿らすだけでもくっつきにくいんです。
材料である栗の木が水を弾く性質があるからかも。
水に浸けておくのを忘れがちな人にはうれしいですね。
お弁当箱への詰めやすさ
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▲頭がコンパクトな「杓文字 宮島 六寸半(東屋)」は、
小回りが利いて、コンパクトなお弁当箱にご飯を詰めやすい大きさです。
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ミズキ
次はご飯をお弁当箱に詰めてみます。
お弁当箱は小判型の容量400mlのものを使用。
まず「杓文字 宮島 (東屋)」は、「六寸半」と「七寸」の2サイズのうち、
「六寸半」の方がお弁当箱の中で小回りが利いて詰めやすく感じました。
お弁当箱の側面のカーブに頭の丸みが沿うので、
隅までしっかり詰めることができますね。
ただ「七寸」も一回り大きい程度で、
一般的な杓文字と比べてコンパクトなので問題なく使えそうです。
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シュリ
「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」も同じく側面に頭の丸みが沿うので詰めやすいです。
一方、「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」は、
頭の角ばっている部分が側面のカーブに当たってしまい、少し詰めにくく感じました。
小判型のような丸型ではなくて、
四角いお弁当箱なら隅の部分に頭の角が合って詰めやすそうです。
ただ、一度によそえる量が少ないので、
お茶碗によそうときと同様に、何回かに分けてよそわなくてはいけません。
お弁当箱の場合、少量ずつ分けてよそえば
きれいに詰められるというわけでもないので、面倒に感じるかも。
お手入れのしやすさ
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▲「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」は一般的なヤスリ仕上げではなく、
鉋で仕上げているので表面に細かな傷がなく、雑菌やカビがつきにくいのです。
写真は「木のヘラ(大久保ハウス木工舎)」を鉋がけしている様子。
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ミズキ
木製の杓文字で気になるのは、やっぱりお手入れについて。
黒ずみや雑菌・カビの繁殖が心配です。
しっかり水分を拭き取って、乾燥させればいいとわかってはいるのですが、
つい面倒で水切りかごに入れっぱなしにしてしまうので、
私の「丸柄ナナメ杓子(宮島工芸製作所)」は、
柄の先の部分が少し黒ずんでしまっているんですよね。
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シュリ
「杓文字 宮島(東屋)」は乾かすのに時間がかかるので
水分を拭き取った後もなかなか仕舞えません。
それにカビではないと思いますが、
黒ずみが出てきてしまったので、ちょっと気になっています。
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ナオミ
私の「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」は、
使いはじめて1年弱というのもあってか、カビや黒ずみは発生していません。
水洗いをしたら、水分を拭き取って
すぐに引き出しの道具入れに仕舞っていますが、
購入当時と変わらず今でもきれいなままです。
栗の木が水を弾くからか乾きが早いので、
長時間乾かす必要がなく、お手入れも楽なんです。
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ミズキ
「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」は、
ヤスリをかける一般的な仕上げと異なり、
鉋で削って仕上げています。
鉋仕上げは表面に細かな傷がつきにくく、
菌の発生が抑えられるそう。
実際私は「木のヘラ(大久保ハウス木工舎)」などを使っていますが、
「大久保ハウス木工舎」のアイテムはどれも
面倒くさがりな私でもカビさせてないんです!
木材の違い
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ミズキ
三つの杓文字はそれぞれ材料としている木が違います。
かたい木という特徴は共通していますが、
「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」で使われている栗の木は、
湿度に強く、水を弾くからご飯粒がベタッとくっつきにくいそう。
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シュリ
私が持っている「杓文字 宮島(東屋)」には、
梓(あずさ)という木が使われていて、柾目がきれいなのが特徴。
「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」を握ったときにやわらかく感じたのは、
弾力のある桜の木が材料だったからなんですね。
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▲「丸柄ナナメ杓子(宮島工芸製作所)」の経年変化。
左がミズキさんが約5年使ったもの、右が新品のもの。
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シュリ
「杓文字 宮島(東屋)」は1年半使って少し色が濃くなってきました。
「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」は徐々に赤味が増してくるんですね。
木の道具といえば、経年変化も楽しみの一つだから、育てがいがありそう。
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ナオミ
「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」は
栗の木の性質なのか、ほかと比べるとあまり変化は見られなさそう。
経年変化を楽しみたい人は、「杓文字 宮島(東屋)」か
「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」を選ぶといいですね。
最後に、杓文字の違いをまとめてみました
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ナオミ
一番握りやすかったのは「丸柄杓子(宮島工芸製作所)」。
丸みがあって、手にフィットする感じがよかったです。
「丸柄マル杓子」は、一般的なかたちなので用途を選びません。
「丸柄ナナメ杓子」は、切るようにご飯が混ぜやすく、
酢飯などをつくるときにおすすめのかたちです。
使用前に水に浸けておけば、ご飯粒がくっつきにくく
ストレスなく使うことができます。
使用後、しっかり乾燥させる必要はありますが、
木の経年変化を楽しめる杓文字です。
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シュリ
「杓文字 宮島 (東屋)」も、一般的なかたち。
オールマイティに使えるので、1本目の杓文字としておすすめです。
「六寸半」は小回りが利くので、お弁当をつくる機会が多かったり、
あまり量をよそう必要がない人向け。
幅広く使いたい場合は「七寸」を選ぶのがいいかもしれません。
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ミズキ
特徴的なかたちの「杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)」は、
頭の部分の角のおかげで、
隅に入ったご飯粒まで取ることができます。
柄が長いので、深さのある鍋からでもよそいやすいのもいいですね。
頭の部分が小さく、少しずつご飯をよそうことで、
きれいにご飯を盛ることができるのもポイント。
さっと水で濡らすだけでご飯がくっつきにくく、カビにくいので、
木の扱いに不安がある人にもおすすめしたいです。
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杓文字 宮島 (東屋)
材質:梓(あずさ)
詳しくはこちら
サイズ:
六寸半 約W60×D10×H195mm
七寸 約W65×D15×H210mm
重量:
六寸半 約30g
七寸 約40g
備考:食器洗浄機 ×
【特徴】
・一般的なかたちでオールマイティに使える
・「六寸半」は、お弁当箱に詰めるとき
小回りが利いて扱いやすい
・細やかで美しい柾目が特徴
杓文字 大久保型(大久保ハウス木工舎)
材質:栗
サイズ:約W60×D15×H230mm
重さ:約25g
備考:食器洗浄機 ×
【特徴】
・鍋の側面や底に沿うかたちで、
隅に入ったご飯粒もしっかりとれる
・持ち手が長く、深い鍋でも安心
・ご飯粒がくっつきにくい
・きれいにご飯が盛れる
・黒ずみやカビが発生しにくく、手入れが楽丸柄杓子(宮島工芸製作所)
重さ:
詳しくはこちら
丸柄ナナメ杓子 約35g
丸柄マル杓子 約40g
備考:食器洗浄機 ×
【特徴】
・「丸柄マル杓子」は、オールマイティに使える
・「丸柄ナナメ杓子」は、切るように混ぜやすく
酢飯づくりなどにおすすめ
・手にフィットしやすく、握りやすい
・水にしっかり浸せば、ご飯粒がくっつきにくい
・経年変化がわかりやすい