箒 | 暮らしの道具、徹底比較 | cotogoto コトゴト
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私たちが比べてみました 暮らしの道具、徹底比較

箒編

2022年6月公開

音が静かなので、時間を気にせず思い立ったとき掃除ができ、
電気を必要としないからエコで経済的な「箒(ほうき)」。
使っていくうちにだんだんと穂先が消耗しますが、
それに合わせて掃く場所を変えて、長く使い続けられるところも箒の魅力の一つ。
だからこそ、住環境や自分の体のサイズに合う使い勝手のいいものを見つけたいところ。
今回はホウキモロコシ製と棕櫚製、2種類の自然素材でできている室内掃きの箒に限定して、
素材やサイズ、掃き心地など
普段箒を愛用しているスタッフがcotogotoで扱う4種類の箒を比較します!

スタッフの紹介

  • アヤノ

    30代、夫と子どもと4人暮らし。
    掃除の時間が楽しくなるように見た目の可愛さと、
    高身長なこともあってサイズ感を重視して長柄の箒を使用。

  • ナホ

    30代、夫と2人暮らし。
    掃除機を使っていたが、排気や大きい音が苦手で箒生活に。
    今では手箒が2本に増え、夫と2人で掃き掃除をしている。

  • カメ

    40代、1人暮らし。
    1人暮らしで手狭なのもあり、掃除機を使わず、床掃除は手箒。
    目につくところに吊るして収納しているが、その佇まいも気に入っている。

どんなを箒を使っていますか?

▲箒と一口に言っても、サイズや形状、素材など種類はさまざま。
自身の暮らしに合った箒を見つけましょう。写真はホウキモロコシ製の「中津箒」。

アヤノ

子どもが小さく、集合住宅に住んでいた10数年間、
私は柄から穂先までの長さが約110cmほどの長柄の箒を使っていました。
子どもが小さいと、時間の使い方が思うようにはいかず、
掃除のタイミングが夜になることも……。
結局騒音を気にして、掃除をすることができない日もありました。
ですが、音が静かな箒を暮らしに取り入れたことで、
夜や子どもが寝ている間にささっと済ませることができるようになりました。
今では子どもも大きくなり、
一軒家に引っ越したので掃除機を中心に使っていますが、
箒には箒のよさがあるな、と改めて実感しています。
掃除機は場所によって、付属のアタッチメントを変える手間があったり、
あまり小回りが利かないことも。
箒ならそんな煩わしさはないですし、
床を掃く以外にも、壁や天井のほこりなどを
ざっざっと落とせてなかなか便利なんです。

ナホ

私は箒生活をはじめて約3年。
柄から穂先までの長さ約97cmの手箒を2本愛用しています。
夫と2人暮らしで間取りが2LDKと、そこまで広さがあるわけではなく、
家具があることも考えて、小回りの利く手箒サイズを選びました。
家は賃貸で掃除機だと騒音が気になるのはもちろん、
掃除機から出る排気のにおいが苦手だったこともあって
箒に興味を持ったのがきっかけです。
試しに1本購入してみたところ、箒生活は案外自分に合っていたようで、
少し経ってもう1本買い足したほど。
今では週2回の掃き掃除に夫も加わり、
2人で一気に掃き掃除を終わらせています。

カメ

私は箒を使いはじめて、約5年ほど。
柄から穂先まで約87cmの手箒を愛用しています。
1DKの広さの家に1人暮らしをしていて、掃除機はなく、
床の掃除はすべて箒で。
箒やちりとりでも取れない細かいごみは水拭きで拭き上げています。
静かで時間を気にせず、掃き掃除ができるところに惹かれたのはもちろん、
掃除機でも吸い込めない引き戸の溝などのごみを掻き出しやすく、
隅々まできれいにできるのが気持ちがいいんです。

箒の素材を確認しましょう

アヤノ

化繊を使った箒もありますが、
cotogotoで扱っているのは、どれも自然素材製で
室内箒として代表的な素材です。
「手箒(中津箒)」と「トモエ箒(中津箒)」はホウキモロコシ、
「棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄箒 (山本勝之助商店)」と
「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」は、
棕櫚(しゅろ)の樹皮から採れる繊維を使っています。
ホウキモロコシと棕櫚は、どちらも室内箒として代表的な素材。
それぞれどんな素材なんでしょう?


▲ホウキモロコシは稲穂に似たイネ科の植物。
現在では、国産のものは一般に流通することがほとんどない、希少な作物です。

カメ

ホウキモロコシはイネ科の植物で、見た目は稲穂に似ています。
しなやかでコシがあるので、室内掃きに適した素材と言われています。
国内での箒づくりの衰退とともにその栽培も減り、
現在では一般にほとんど流通していない希少性の高い作物です。
「手箒(中津箒)」と「トモエ箒(中津箒)」で
使用されているホウキモロコシは
中津箒で無農薬栽培されていて、なかでも良質な穂を厳選しているそう。

▲棕櫚は、ヤシ科の植物。
「棕櫚箒 最高級鬼毛 (山本勝之助商店)」は、
その樹皮から採れる繊維の中で希少な「鬼毛」を使用しています。

ナホ

棕櫚はヤシ科の植物。
太い幹をつけ、まるで扇子の骨組みのように大きく広がる葉を生やします。
「棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄箒 (山本勝之助商店)」と
「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」で使われているのは、
その棕櫚の樹皮から採れる繊維のなかでも「鬼毛」と呼ばれる希少な部分のみ。
棕櫚製の箒は使いはじめの頃「棕櫚粉」と呼ばれる繊維のくずが出ますが、
鬼毛は粉がほとんど出ないため、扱いやすいのがうれしいポイントです。
昔から和箒の中で最も長持ちすると言われ、嫁入り道具として使われるなど、
棕櫚箒の最上質品として高値で取引されてきたようです。

アヤノ

どちらも昔から箒の素材として重宝されてきた、
今では希少性が高いものなんですね。

持ちやすさはどうですか?

▲各箒のサイズ比較。

アヤノ

箒を購入するとき、まず気にするのは持ちやすさではないでしょうか。
そこでポイントになるのがサイズと重さ。
私は168cmと長身なこともあって、サイズを重視して長柄の箒を選びました。
手箒サイズだと、かなり腰を曲げなくちゃいけなくて……。
長柄なら、立ったまま掃くことができるので
家中掃き掃除をしても、腰が痛くなりません。

カメ

私は特に軽いかどうかを重視しましたね。
重いと掃除するのが億劫になってしまうので、
長柄箒より、コンパクトな手箒を選びました。

ナホ

掃除は頻繁にするものですし、
毎日気持ちよく体に負担がかからないように掃除するためには、
自分の体に合ったサイズと重さの箒選びが必要ですね。
まずは、自分の体に合う箒のサイズを知るため、
身長168cm、160cm、155cmのスタッフが
それぞれ4種類の箒を持ってみました。

▲身長168cmのアヤノさんが各箒を持ったところ。
左から「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」、「トモエ箒(中津箒)」、
「手箒(中津箒)」、「棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄箒(山本勝之助商店)」。

カメ

まずは、身長168cmのアヤノさんに各箒を持ってもらいました。
やっぱりアヤノさんの身長だと、柄が短い手箒は体勢が辛そうですが
実際持ってみてどうですか。

アヤノ

そうですね、一番短い「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」や
「トモエ箒(中津箒)」はかなり腰を曲げる必要があるので、
長時間掃除をしていると辛くなってきそうです。
でも「手箒(中津箒)」なら、ちょっと前かがみになるくらいで
比較的腰を曲げずに掃くことができそう。
もちろん「棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄箒 (山本勝之助商店)」の方が
体勢は楽で、広い面積を掃くのであればこちらを選びたい。
ただ長柄の箒は家具の下や狭い階段を掃くときなどは、
あまり小回りが利かないので、長柄の他にもう1本箒を選ぶとしたら、
「手箒(中津箒)」くらいのサイズが私にはよさそうです。

▲身長160cmのナホさんが各箒を持ったところ。
左から「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」、「トモエ箒(中津箒)」、
「手箒(中津箒)」、「棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄箒(山本勝之助商店)」。

カメ

続いて身長160cmのナホさんに持ってもらいました。
私も身長161cmであまり変らないのですが、持ってみてどうですか。

ナホ

私も手箒なら「手箒(中津箒)」が一番体勢が楽ですね。
短めに持てば腰を曲げずに掃くことができます。
でも、「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」は1番短いですが、
穂先が急な斜めにカットされているからか、
自然に手を下ろしただけで床に穂先が満遍なく当たります。
腰を曲げる必要はあるんですが
そこまで無理している感覚ではないですね。

カメ

確かに、「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」より
少し長いのに、「トモエ箒(中津箒)」の方が体勢的にはちょっと厳しいかも。
穂先のカットの傾斜が緩やかだから、
自然に手を下ろすだけでは穂先全体がきれいに接地しませんね。
穂先の角度に合わせて持とうとすると、
余計腰が曲がってしまうようです。

▲身長155cmのスタッフが各箒を持ったところ。
左から「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」、「トモエ箒(中津箒)」、
「手箒(中津箒)」、「棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄箒(山本勝之助商店)」。

アヤノ

最後に身長155cmのスタッフにも各箒を持ってもらいました。
155cmくらいだと、「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」と
「トモエ箒(中津箒)」はそこまで長さの違いはなさそうです。
ただやっぱり手箒サイズの中で体勢が楽なのは「手箒(中津箒)」とのこと。
また、「棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄箒 (山本勝之助商店)」に関しては、
他の3人と同じく一番体勢が楽だったようですが、
柄の先が胸より高い位置に来てしまって、「ちょっと長い」と感じたそうです。

ナホ

長柄の場合、身長によっては柄の先が顔の近くまで来てしまい
掃きにくいということもありそうですね。
手箒サイズの箒を選ぶときには、腰の曲がり具合など体勢を、
長柄箒を選ぶ場合は、柄の先と顔の位置関係を確認するのがよさそうです。

▲箒それぞれの重さを比較したグラフ。

カメ

サイズの次は重さを比べてみましょう。
圧倒的に軽かったのは「トモエ箒(中津箒)」。
手首への負担が少なく、部屋中を楽々掃除できそうです。
「トモエ箒(中津箒)」は穂先と同じホウキモロコシが柄にも使われています。
持ち手部分が太い上、編み上げの紐が滑り止めになるので握りやすく、
それも軽く感じる理由なのかもしれません。
「手箒(中津箒)」は「トモエ箒(中津箒)」と違い、
持ち手に竹を使っている分重さがあるとはいえ、
310gと比較的軽めです。

アヤノ

柄が竹製で、鬼毛をまとめるのに銅線が使われている
「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」は、
結構重さがありますね。
掃除したい面積が広かったり、
長時間掃除をしていると重さが気になってくるかも?

カメ

しかし穂先のカットのおかげで、
腕の角度は比較的自然な状態で掃くことができるので
そこまで負担にはならないはずです。

ナホ

一番長い「棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄(山本勝之助商店)」も
重さがありますが、両手で扱うのでそこまで負担に感じませんでした。

カメ

それぞれの身長によって、合う箒のサイズもさまざま。
あんまり重いと手首が痛くなってしまう場合があるので
重さにも注目して箒選びをしたいですね。
とはいえ、重くても長柄は、廊下があったり部屋が広かったり
掃く面積が広い場合はむしろ楽。
一方手箒は小回りが利くので、家具の下や階段などに最適、
といったようにサイズや重さと一緒に
住環境も視野に入れると、より自分にあった箒を選ぶことができそうです。

掃き比べてみましょう

▲同じ条件になるよう床にごみを広げて、掃き比べてみました。
赤い糸は髪の毛、綿はホコリ、青いビーズを塵などのごみに見立てています。

ナホ

次は実際に箒を使って床を掃いてみましょう。
「中津箒」はホウキモロコシ製、「山本勝之助商店」は棕櫚製なので、
この二つの素材でどのように掃き心地や
ごみの集まり方に違いがあるかを比べたいと思います。
使った箒は「手箒(中津箒)」と、
「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」です。
実験のために赤い糸を髪の毛、綿をホコリ、
青いビーズを塵などのごみに見立てて広げたところを、掃いてみます。
掃く場所は、フローリング、畳、毛足の長いカーペット、
毛足の短いカーペット、部屋の隅、と5か所。

カメ

今回は比較しやすいように、各箒で一掃きした後の様子を比べます。
ホウキモロコシも棕櫚も座敷箒として重宝されている素材ですが、
掃いてみるとどう違うのか楽しみですね!

フローリング

▲各箒でフローリングを掃いた後の様子。
どちらも一掃きでごみがなくなりました。

アヤノ

まずはフローリングから掃いてみましょう。
「中津箒」、「山本勝之助商店」どちらも
一掃きでごみを取ることができました。
ただ掃き心地には大きな違いがありますね。

▲一掃きした後の穂先の様子。
「中津箒」(左)に比べ、「山本勝之助商店」(右)の方がごみが
多くついているのがわかります。

カメ

「山本勝之助商店」の方が穂先にホコリや髪の毛が多くつきましたね。
棕櫚の繊維には油分が含まれていて、
ホコリなどのごみを穂先で絡め取りやすいと言いますが、まさに!
ホコリが舞い上がったりすることもなく
きれいにごみを集めることができました。

ナホ

ホコリアレルギーがある人には特にうれしいポイントですね。
ホウキモロコシ製の「中津箒」は多少つくものの、
絡め取る、というよりはごみを移動させる、という感じ。
ホコリなどの軽いごみを寄せ集めていくようなイメージです。
穂先についたごみも、2回、3回と掃き続けてみると
取れていってしまいました。


▲各箒で畳を掃いた後の様子。
どちらもホコリや髪の毛はきれいに掃くことができました。
棕櫚製の「山本勝之助商店」は溝に少し塵ごみが残っています。

カメ

次は畳を掃いてみます。
畳はフローリングより凸凹しているので、どう違いがあるでしょうか。
棕櫚製の「山本勝之助商店」は、先ほどと同じく
ホコリや髪の毛はスイスイ絡め取っていってくれますね。
穂先がしっかり畳に接し、穂の密度も高いので
塵ごみに見立てたビーズもしっかり掃いていました。
ただ、畳と畳の間にできる深めの溝にビーズが残ってしまいました。


アヤノ

「山本勝之助商店」の穂先は、コシがあるというよりは、
しっとりしなやかな分、掻き出し力はいま一つ。
ただ、やさしく掃くことができるので、畳を傷める心配はなさそう。
最近の掃除機は掻き出し力が強くて、
畳を傷めてしまわないか心配になっていたので、
すごくいいなと思います。


ナホ

対してホウキモロコシ製の「中津箒」は、
しっかり溝のごみまで掻き出せて気持ちがいいです。
溝に穂先の先がしっかり入っていく感じ。
そして穂の芯がしっかりしていて、コシがあるから
一度にごっそり掻き出せます。
畳の部屋がある方には「中津箒」をおすすめしたいですね。

カーペット

▲各箒で毛足の長いカーペットを掃いた後の様子。
どちらもホコリや髪の毛はきれいに掃くことができました。
「山本勝之助商店」は「中津箒」に比べ、塵ごみの青いビーズが残っています。

カメ

カーペットは毛足の長いもの、短いもの2種類を試してみました。
まずは毛足の長いカーペットから。
穂先にコシがあまりない「山本勝之助商店」で、
毛先の長いカーペットのごみが取れるのか心配でしたが、案外取れていますね。

アヤノ

穂先に髪の毛やホコリが絡まりついてくるおかげでしょうか。
でも、カーペットの毛の奥に入り込んでしまう塵ごみは取りにくく、
青いビーズは残ってしまいました。

ナホ

塵ごみはカーペットでも、
掻き出し力のある「中津箒」の方がしっかり取れますね。
ただ、穂先の密度が低いので取りこぼしがありました。
何回か繰り返して掃けば問題なさそうです。

▲各箒で毛足の短いカーペットを掃いた後の様子。
どちらもホコリや髪の毛が取りにくく、掃き残しがありました。
ただ「中津箒」は掻き出し力のおかげで、塵ごみは比較的取れていました。

アヤノ

次に毛足の短いカーペットで試します。
「中津箒」、「山本勝之助商店」どちらも
ホコリや髪の毛などが取りにくかったです。
「掻き出す」ほど毛足が長くないと、
掃くことでごみをカーペットに押しつけるようになってしまい、
何度掃いても取れず、苦戦しました。

カメ

意外にも毛足が長いカーペットの方がごみが取れた感覚がありました。
とはいえ、塵ごみは残ってしまったので
毛足が長くても、短くてもカーペットを掃除するのには
箒は不向きと言えそうです。
家にカーペットを敷いている場合は、
掃除機と併用するのがいいかもしれません。

部屋の隅

▲各箒で部屋の隅を掃いた後の様子。
どちらもホコリや髪の毛はきれいに掃くことができました。

ナホ

最後に部屋の隅を掃いてみましょう。
掃除機だとヘッドの厚みで隅に入り込んだごみが取れなかったりしますが、
箒はどうでしょう。

アヤノ

「山本勝之助商店」は密度ややわらかさのおかげで
穂先が隅に入り込んである程度は取れますが、
掻き出し力が低いので、多少ごみが残ってしまいました。

カメ

やっぱりコシのある「中津箒」は、隅のごみもしっかり取れますね。
掃除機と比べても、こちらの方がよく取れている感じがします。

ナホ

いろいろな場所で箒を試してみてわかったのが
「中津箒」は穂先にコシがあるので掻き出し力が強く、
「山本勝之助商店」は穂先がしっとりとして密度が高いので、
ごみを絡め取るのが得意ということ。
その違いをより明確に見るため、細かい塵ごみに見立てた粉を床に広げ、
各箒で1回掃いた様子と、10回掃いた様子を比べてみました。

▲「中津箒」(右)と「山本勝之助商店」(左)それぞれ1回ずつ掃いてみたところ。

▲「中津箒」(右)と「山本勝之助商店」(左)それぞれ10回ずつ掃いてみたところ。

アヤノ

1回掃いたときは、そこまで大きく差はないですが、
穂先の密度が高く、幅も広い「山本勝之助商店」の方が
若干多くごみが取れたようにも思います。

カメ

そして10回ほど掃いてみると、
掻き出し力のある「中津箒」の方が、
逆に地の黒がきれいに見えていました。
「山本勝之助商店」は穂先がやわらかいから、
床をなでるようになってしまうのかも?

ナホ

実際に掃いてみると、素材が違うことで
掃き心地やごみの取れ具合にそれぞれ特徴がありましたね。
ホウキモロコシを使っている「中津箒」は
穂先にコシがあって掻き出し力があるから、
畳や部屋の隅、引き戸の溝などのごみを取るのに最適。
棕櫚の「山本勝之助商店」は穂に油分が含まれているから、
ホコリや髪の毛などを舞い上げず、
絡め取ってくれるのでフローリングにおすすめです。

収納・お手入れについて

アヤノ

あとは、収納や日々のお手入れについても見ておきたいところ。
みなさんは収納やお手入れなど、どうしていますか。
私は立てかけて収納してしまい、穂先が大きく曲がって
ごみが掻き出しにくくなるなど、掃く力が半減してしまいました。
箒を収納するときは、吊り下げるのが一番だと痛感しましたね。

▲佇まいのよさも大切。
「中津箒」で使われている2色の糸は、
東京西荻窪に草木染めの工房を構える「NONA」で染めてもらった、cotogotoオリジナル。
やわらかな色合いで、和洋問わず現代の生活空間にすっと馴染みます。

ナホ

吊り下げて収納する場所をどこにするかですが、
あえて見せる収納にして、インテリアとして楽しむのもおすすめです。
「中津箒」も「山本勝之助商店」もデザイン性が高いので、
仕舞い込んでしまうのはもったいないですしね。

カメ

私も見える場所に吊るしています。
そして「吊るす」ということさえ気をつけていれば、
お手入れはあまり必要ないように思います。
5年ほど使っていますが、普段のお手入れは、
使い終わった後に穂先についたごみを手で取るくらいです。

アヤノ

とはいえ、長く使いたいからお手入れについては把握しておきたいところ。
もし穂先が曲がってしまったり
使っていて不具合が出てしまった場合の対処法を
こちらにまとめました!

    • 【お手入れについて】

      ◆「中津箒」、「山本勝之助商店」共通
      ◎穂先の汚れが気になったら
      汚れが気になる場合は水かぬるま湯でさっと洗い、
      風通しのいい場所に陰干ししてください。
      また、洗剤の使用はお避け下さい。

      ◎穂先にクセがついてしまったら
      1. 直したい部分の穂先を、ぬるま湯で軽く湿らせます。
      2. 布や新聞紙で軽く水分を取り、手でかたちを整え、
      紐で束ねるかネットで覆ってかたちを固定します。
      3. 穂先を下に向けて吊るして乾くまで陰干しします。

      ◎銅線や糸がほつれてしまったら
      修繕が可能か状況によりますが、
      まずはどのような状態かお気軽に当店までご相談ください。

      ◎保管方法
      使わないときは吊るすなど、穂が床につかないように保管してください。

      ◎穂先が減ってきてしまったら
      穂先は使用しているうちに自然とすり減り、短くなります。
      穂先にばらつきがでて使用しにくくなった場合ははさみなどを使用し、
      お好みのかたちに整えて使用してください。
      穂先は短くなるほど硬くなります。
      使いはじめはお座敷、次に板の間、土間、庭など、順番に使用場所を変えていくことで、
      長くご愛用いただけます。

      ◆「山本勝之助商店」
      ◎使いはじめに
      棕櫚製品の特徴として、使いはじめに繊維のくず「棕櫚粉」が落ちます。
      「山本勝之助商店」が使用している「鬼毛」は、
      棕櫚粉がほとんど出ず、扱いやすいのが特徴ですが、
      使いはじめる前には、室外や新聞紙を敷いたところで十分払い落としてからお使い下さい。

    箒の違いをまとめてみました

    アヤノ

    箒選びのポイントを整理すると、
    持ちやすさとどこを掃きたいかの2点と言えますね。
    持ちやすいかは、サイズと重さが自分に合うかどうか。
    長柄の「棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄箒 (山本勝之助商店)」は
    立った体勢のまま掃くことができるので、いいなと思いました。
    身長168cmある私は、
    手箒サイズだと腰をうんと曲げないといけなくて辛いのですが、
    長柄の箒は長身の方におすすめです。
    また、長時間掃くときにも楽なので、
    廊下や掃く面積が広いおうちにも向いています。

    カメ

    手箒は小回りが利くので、家具が多かったり
    階段があるなら1本は持っておきたいサイズ。
    比較した3種類の中でも「手箒(中津箒)」は一番長く、
    身長168cm、160cm、155cmのどのスタッフが持っても
    手箒の中で一番体勢が楽だった、という結果でした。
    家に1本だけ置くとして、身長がバラバラな家族で一緒に使うのであれば
    「手箒(中津箒)」を推したいです。

    ナホ

    「トモエ箒(中津箒)」は約250gと一番軽く、
    手首への負担が少ないのがいいところ。
    また、柄の部分の太さや使われている紐が滑り止めになるので
    握りやすさも抜群でした。

    カメ

    「棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)」は
    一番短いからか身長が高ければ高いほど腰を結構曲げる必要があります。
    しかし穂先が急な斜めにカットされていて、
    自然に手を下ろしたときに床にしっかり接地してくれるから
    そこまで無理をして曲げている感覚ではありませんでした。

    アヤノ

    続いてどこを掃きたいかに関係してくるのは、箒の素材。
    「中津箒」はホウキモロコシ製、「山本勝之助商店」は棕櫚製で、
    それぞれ履き心地もごみの取れ具合も異なりました。
    「中津箒」は穂先にコシがあって掻き出し力があるから、
    畳があるおうちにおすすめです。
    部屋の隅や引き戸の溝のごみまでスッキリ掻き出せます。
    一方「山本勝之助商店」は穂先がやわらかいので、掻き出し力はいま一つ。
    ただ穂の密度が高く、油分が含まれているため、
    ホコリや髪の毛などを舞い上げず、絡め取ってくれます。
    天然のワックス効果もあるのでフローリング中心のおうちに最適。

    ナホ

    廊下やリビングなど広い面積を掃くなら長柄、
    階段や家具などの下には小回りが利く手箒サイズ。
    家に畳があるのであればホウキモロコシ製の「中津箒」。
    フローリング中心なら棕櫚製の「山本勝之助商店」。
    ざっくり言ってしまえばこう判断するのがいいと思いますが、
    畳しかない家や家具がまったくない家は、
    今ではそうそうありませんよね……。
    となると、箒1本をマルチに使うというより、
    サイズ違い、素材違いで2本持っておくと便利そうです。





    • 手箒(中津箒)

      材質:ホウキモロコシ、竹、綿糸、針金

      サイズ:約W850×D200×H50mm

      重量:約310g

      【特徴】
      ・穂先にコシがあって掻き出し力がある
      ・手箒サイズの中では
      一番長く、比較的楽な体勢で持てる

      詳しくはこちら
    • トモエ箒(中津箒)

      材質:ホウキモロコシ、竹、綿糸、針金

      サイズ:約W780×D200×H50mm

      重量:約250g

      【特徴】
      ・穂先にコシがあって掻き出し力がある
      ・軽く、手首への負担が少ない
      ・太い持ち手部分と編み上げの紐が
      滑り止めになって握りやすい

      詳しくはこちら
    • 棕櫚箒 最高級鬼毛 手箒(山本勝之助商店)

      材質:棕櫚、竹、銅(巻線)、鉄(鋲)

      サイズ:約W250×H750×D40mm

      重量:約380g

      【特徴】
      ・ホコリや髪の毛を絡め取り、舞い上げずに掃ける
      ・穂先が急な斜めにカットされているため、
      自然に手を下ろすだけで床にしっかり接地する

      詳しくはこちら
    • 棕櫚箒 最高級鬼毛 長柄箒(山本勝之助商店)

      材質:棕櫚、竹、銅(巻線)、鉄(鋲)

      サイズ:約W250×H1250×D40mm

      重量:約540g

      【特徴】
      ・ホコリや髪の毛を絡め取り、舞い上げずに掃ける
      ・腰を曲げずに楽な体勢で掃け、
      広範囲の掃除にも最適

      詳しくはこちら
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