日に日に寒くなる季節。
鍋ものに欠かせない冬野菜・白菜が旬を迎えています。
白菜は、まるごと1株で買う方がお買い得。
とはいえ、1株を食べ切るのはなかなか大変です。
そんなときは、まずはお鍋や炒め物に、
残りを「白菜漬け」にしておけば、カサも減って保存も利きます。
時間が経つと乳酸菌発酵で酸味が加わり、また違った味わいも楽しめます。
アレンジしやすいシンプルな定番の「白菜漬け」を、
料理家・スズキエミさんに教えていただきました。
瑞々しくてクセのない冬の葉野菜・白菜
霜が降りる晩秋から冬にかけて旬を迎える白菜は、
冬の葉野菜の代表格。
葉の先端は、緑や黄白で縮れていて、茎の方に行くほど
肉厚で白くなり、シャキシャキとした食感が特徴的です。
クセのない味わいは、どんな食材とも好相性。
また、火を通すと甘みが増し、鍋やスープなど
体をあたためる料理をやさしい味わいに仕上げてくれます。
ほとんどの成分は水分ですが、ビタミンCも豊富。
寒い季節に、たっぷり美味しくいただきたい食材です。
教えていただいたのは…
料理家 スズキエミさん
宮城県の米どころ出身。レストランやカフェで勤務後、料理家として独立。素材の持ち味を活かして丁寧につくるごはんのレシピを、雑誌や書籍で提案。ワークショップや料理教室「暦ごはんの会」「暦の手しごとの会」も主宰し、料理に大切な”塩梅”を伝えています。「季節の保存食とレシピ」(家の光協会)、「スズキエミさんのいただく野菜」(主婦の友社)など、著書多数。
オフィシャルサイトは、こちらから。
材料(つくりやすい分量)
- 白菜…1/4株(約500g)
- 塩…白菜の重さの3%(約15g)
- 昆布…5cm(2mm幅に細切り)
- 唐辛子…1本
※白菜の使用量は1/4株ですが、4等分のやり方にもポイントがあるため、1株の状態から説明します。
1.白菜は、株ごとざっと洗い水気を切ります。根元の部分のみ、5~6cmの深さで縦に切り込みを入れます。
2.切り込みから指を差込み、1/2に割ります。葉をちぎるのではなく、葉と葉の重なりを外すイメージです。1/2株になったら、同じ要領で1/4株にします。
【ポイント】
手で割ると、葉の緑色の部分がちぎれてバラバラするのを防ぐことができ、この後の工程がやりやすくなります。
3.ザルなどにのせ、3時間~半日程度天日に当てます。
【ポイント】
白い芯の部分の表面が少し乾いたような状態になったらOK。1/4株にしてから洗ったものは、葉と葉の間に水気が入るので、上記の時間よりかかる場合があります。
4.葉をめくって、白い茎の部分を中心に塩をまぶします。
【ポイント】
使用する塩は、焼き塩のようにサラサラしたものは白菜にくっつきにくいので、少し水分を含んだ粗塩がおすすめです。
5.塩をまぶした上に、2mm程度の幅に細切りにした昆布を3~4本散らします。4→5の工程を繰り返して、すべての葉に塩をまぶし、昆布を挟みます。
【ポイント】
昆布を入れることで、旨味が増し、塩がまろやかになります。
6.唐辛子と一緒にジッパーがついた密封できるビニール袋に入れ、空気を抜くようにして封をします。少しぴりっと辛味を出したい場合は、唐辛子を輪切りにして入れます。
【ポイント】
白菜を直に容器に入れて漬けるより、密封できるビニール袋に入れた方が、白菜から水分が早く出て、より手軽につくることができます
。
7.ボウルなどにビニール袋ごと入れ、落とし蓋(トレーなど平らなもの)、白菜の重さの2倍の重し(石など)をのせます。
【ポイント】
一番水分が出る白い茎の部分に重しがのっている状態にします。葉先が多少出ていても大丈夫です。
8.1~2日置いて白菜から水分が出てきたら、重しを外して冷蔵庫へ。暖房などが入っていない寒い場所であれば、冷蔵庫に入れなくても大丈夫です。漬けはじめから5日程度して、白菜の白い部分がくたっとしてきたら食べ頃です。食べやすい大きさに切り、水気を絞っていただきます。
スズキさんが選んだ器は…
いろは 中皿 菊紋(馬場商店)
長崎の波佐見町でつくられていた庶民のための器「くらわんか碗」の文様を再現し、使い勝手のいいサイズの中皿に施したお皿。「白菜漬けは見た目がすごくシンプルで華やかさはないので、柄があった方がいいかなと。藍色の染付で模様が入ったお皿は、何を盛っても映えますし、白菜の外側の葉の緑色にも内側の葉の黄色にも合うと思います。サイズ感もいいですよね」