私たちが比べてみました 暮らしの道具、徹底比較
やかん編
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2019年12月公開
朝のコーヒーや白湯、午後のティータイムのお茶など、
お湯を沸かすため日に何度も使い、生活に必要不可欠な「やかん」。
とくに冬の寒い時季は、飲み物で体をあたためたり、
湯気で部屋を加湿したり大活躍の道具です。
頻繁に使うものだからこそ、選ぶときに気になるポイントも多いもの。
たっぷり沸かしても安定して持つことができて、注ぎやすいか、沸騰までの時間や蓄熱性、
さらには常にキッチンにあるものだから、デザイン性も重要です。
今回は、お湯を沸かす機会が多い、白湯やお茶好きのスタッフ3人が
cotogotoで扱う3メーカーを比べてみました。
スタッフの紹介
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ナオミ
30代、夫と子どもと3人暮らし。
子どもと一緒に白湯を飲むのが毎朝の日課。
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シュリ
30代、夫と子どもと3人暮らし。
白湯をつくったり部屋の加湿をしたり、やかんの使用頻度が多い。
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ミナミ
20代、1人暮らし。
お茶が好きで電気ケトルを愛用しているが、蓄熱性に欠けるのに不満あり。
どんなやかんを使っていますか?
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▲お湯を沸かすやかんは、生活の必需品です。「ステンレスケトル(柳宗理)」を使用。
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ナオミ
私は15年くらい「ステンレスケトル(柳宗理)」を愛用しています。
底が平たいかたちをしていて、火に当たる面積が広いから
お湯が早く沸く、と聞いたので購入しました。
満水2.5Lと大容量なのもポイント。
烏龍茶を2Lのジャグで保存しているのですが、
1回沸かせばぴったり注ぐことができるので、容量もちょうどいいんです。
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シュリ
私は琺瑯製のやかんを使っています。
一人暮らしをしているときに購入したもので、
使いはじめてもう10年くらい経っています。
今は古くなってきてしまったので、新しいやかんを探しているところです。
毎朝白湯をつくったり、冬の間はストーブの上にのせて部屋の加湿をしたり、
一年を通して毎日出ずっぱり。
片づけたとしても扉がない収納棚に仕舞うから
人の目に触れるところにあることがほとんどなので、
デザイン重視で選びたいと思っています。
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ミナミ
私は電気ケトルを使っています。
一人暮らしをはじめるときに
コンロが一口しかなかったこともあり、
火にかける必要がなく、コンロで他の作業ができるので選びました。
緑茶や紅茶が好きでお湯をよく沸かしますが、
電気ケトルだと1~2分で沸いて便利な反面、
凹凸や溝で洗いにくい場所が多いので、衛生面が気になってしまいます。
また、沸かして10分くらい経ってお湯を継ぎ足そうとするとぬるくて、
沸かし直すのがほとんどなので、蓄熱性がないのも悩み。
洗いやすさや、素材の違いによるやかんの蓄熱性も確かめてみたいです。
早速、やかんを比べてみましょう
お湯が沸く時間と蓄熱性について
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ナオミ
今回比較するのは、ステンレス製2種と銅製1種の計3種類のやかん。
鉄瓶もやかんの一種と言えますが、以前比較したので今回は除きます。
>>「暮らしの道具、徹底比較 鉄瓶編」はこちら
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/compare/face/face_syuri.png)
シュリ
まずは、お湯が沸く早さを確かめてみましょう。
今回は、3~4人家族のお茶やコーヒーを
淹れる場合に十分な量である1.5Lの水を入れ、
それぞれ同じ火力で火にかけてお湯の沸く早さを比べてみました。
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▲お湯が沸騰するまでにかかった時間を比較したグラフ。
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ミナミ
銅製の「銅之薬缶(東屋)」が一番早く沸騰しましたね。
銅はやかんに使われている材質の中で最も熱伝導率が高い素材。
加熱時間が短くて済むので、 日に何度もやかんを使う人にはよさそうです。
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▲「ステンレスケトル(柳宗理)」を横から見たところ。
平べったいかたちをしているのがわかります。
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ナオミ
次に早かったのは「ステンレスケトル(柳宗理)」です。
背が低く、底が広いから満遍なく火が当たって比較的すぐにお湯が沸きました。
同じステンレス製の「ストレートケトル(工房アイザワ)」は、
背が高くて底の面積が「ステンレスケトル(柳宗理)」に比べて狭いので
時間がかかってしまいました。
同じステンレス製でも、かたちの違いでお湯の沸く早さに差がでるんですね。
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▲沸騰してから20分後のやかんに入ったお湯の温度を比較したグラフ。
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シュリ
お湯が沸く早さのほかに
蓄熱性についても比べてみましたが、
銅製よりもステンレス製に軍配が上がったようです。
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ミナミ
ステンレスは銅よりも蓄熱性があるので、お湯が冷めにくいんですね。
銅製の鍋などは厚みを持たせることで蓄熱性を高めますが、
「銅之薬缶(東屋)」は水が入ったときに重くなりすぎないよう
薄くつくられていること、加えて熱伝導率が高いので、
あたたまりやすく、冷めやすいようです。
やかんの持ちやすさ・注ぎやすさについて
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▲「ステンレスケトル(柳宗理)」は、蒸気穴が蓋の側面についています。
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ナオミ
沸いたお湯をコップに注いでみましょう。
「ステンレスケトル(柳宗理)」は、
持ち手や蓋のつまみに樹脂が使われています。
その上、蒸気穴が蓋の側面についているので、
持ち手や蓋のつまみに蒸気が当たって熱くなることはありません。
ハンドルのかたちも、人間工学に基づいてデザインされているので、
水がたくさん入って重いやかんも、楽に持ち上げて注ぐことができます。
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▲「ストレートケトル(工房アイザワ)」の持ち手。
樹脂の持ち手の間に、ステンレスがむき出しになっています。
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▲「ストレートケトル(工房アイザワ)」の注ぎ口。
細い注ぎ口のおかげで、コーヒーのドリップなど繊細な作業ができます。
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ミナミ
「ストレートケトル(工房アイザワ)」は、
持ち手の樹脂の間のステンレスがむき出しになっているので
熱くなってしまい、ミトンや布巾があると安心かも。
つまみはステンレス製なので、必ずミトンや布巾など用意したほうがいいですね。
持ち手は角ばっているので、水が入った重い状態だと少し手が痛いのが気になります。
注ぎ口が細いおかげで、口が狭い水筒にも注ぎやすく
コーヒーのドリップもできそうです。
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▲「銅之薬缶(東屋)」は、持ち手やつまみを触るときにはミトンや布巾が必要です。
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シュリ
「銅之薬缶(東屋)」は持ち手やつまみも銅製なので、
持つときにミトンや布巾が必要。
持ち手が少しぐらぐらして、安定しないのが気になりましたが、
注ぎ口は、口の先がとがっているので、比較的細くお湯が注げました。
お手入れについて
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▲ステンレスは錆びに強く、耐久性に優れているのが魅力。
写真は「ステンレスケトル(柳宗理)」を使用。
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ミナミ
次にお手入れのしやすさですが、どれも蓋が完全に外れ、
持ち手を横に倒して手を入れやすく、隅々まで洗えますね。
中でも「ステンレスケトル(柳宗理)」は、
浅いので楽に中まで洗うことができました。
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ナオミ
「ストレートケトル(工房アイザワ)」は、深さがあって
手を奥まで入れるのが少し大変かもしれませんが、
かたちが直線的で、内側の側面に凹凸がないのでしっかり洗うことができました。
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シュリ
「銅之薬缶(東屋)」も側面のカーブに沿って
洗いやすかったです。
それに、銅には自然な抗菌作用や塩素を分解する効果があるから、
衛生的な状態でお湯が沸かせるので安心です。
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▲「銅之薬缶(東屋)」の経年変化。
左が新品のもの、右が東屋スタッフが約3年弱使用し、
その後5年ほど店頭に展示していたもの。
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シュリ
衛生面の他にも「銅之薬缶(東屋)」は、
使い込むごとに酸化してだんだん飴色に近づいていく、
経年変化が楽しめる道具。
使いながら育てていきたくなりますね。
ステンレスにはない銅ならではの特徴で、とっても魅力的です。
【番外編】白湯をつくるのにベストなやかんは?
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▲やかんの蓋を嵌める穴が大きいと白湯をつくるときに蒸気がしっかり逃げます。
写真は「ストレートケトル(工房アイザワ)」を使用。
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ナオミ
私は毎日白湯を欠かさず飲んでいますが、
白湯をつくるときに気になるのが
やかん蓋を嵌める穴の大きさや蓋の取り外しの可否について。
白湯をつくるとき、水が沸騰するまでは蓋をしたままでも構わないのですが、
水が蒸発しはじめる沸騰後は、
やかんの蓋を外して15分ほど沸騰させる必要があります。
それというのも、水道水には消毒のためカルキ(塩素)が含まれていて、
これが飲料水として風味を損なう主な原因です。
カルキは沸騰させることで蒸気となるので、
沸騰後は蓋を外して、きちんと蒸気の逃げ道を確保することが必要。
だから大きめの口で、蓋が取り外せるやかんが理想なんです。
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ミナミ
「ステンレスケトル(柳宗理)」はやかん蓋を嵌める穴が直径約130mmと一番大きく、
蒸気の逃げ道もしっかり確保できて、白湯づくりにはぴったりですね。
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シュリ
次いで「ストレートケトル(工房アイザワ)」が直径125mm。
「銅之薬缶(東屋)」が直径100mm。
どれも人の手が入るくらいの大きさの口なので、申し分なさそうです。
ということで、cotogotoで扱っている三つのやかんは、
どれも白湯をつくるには適していると言えますね。
最後に、やかんの違いをまとめてみました
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ナオミ
「ストレートケトル(工房アイザワ)」は、注ぎ口が細くて繊細で
コーヒードリップや水筒に注ぐときには最適。
蓄熱性も一番高く、何度も沸かしたくないという人によさそうですね。
スタイリッシュなデザインがとても人気で、
入荷するとすぐに売り切れてしまうから入手するのは至難の業ですが、
だからこそ憧れの品ですよね。
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/compare/face/face_syuri.png)
シュリ
「銅之薬缶(東屋)」は、お湯が沸くのが一番早くて、
日に何度も沸かす場合におすすめです。
他にも、銅には自然な抗菌作用や塩素を分解する効果があり、
衛生面も安心できるのがうれしいです。
お値段は少々はりますが、
ころん、としたかわいらしいかたちだったり、
経年変化も魅力。一生もののやかんです。
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ミナミ
「ステンレスケトル(柳宗理)」は、一番容量が多く家族が多い方に最適。
平べったいかたちのおかげでお湯が沸くのが早いのもポイントです。
白湯をつくる場合も、やかん蓋を嵌める穴が大きいので蒸気がしっかり逃げていきます。
持ち手が熱くならない工夫や力のない女性でも持ちやすいかたちなど、
名プロダクトデザイナー・柳宗理のすばらしさを実感できる使い心地でした。
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銅之薬缶(東屋)
材質:
詳しくはこちら
銅、ニッケル
サイズ:
約φ170×W200×H240mm(ハンドル含む)
やかん蓋を嵌める穴の大きさ 約φ100mm
重量:
約640g
容量:
約2.18L(満水)/約1.52L(7分目)
備考:
直火 ○ IH × 電気レンジ ×
オーブン × 食器洗浄機 ○
【特徴】
・熱伝導率が高く、早く沸騰する
・銅は抗菌作用や塩素を分解する効果がある
・かわいらしいフォルムと繊細な意匠が魅力
・経年変化が楽しめる
【価格(税抜)】
18,000円
ストレートケトル (工房アイザワ)
材質:
本体 18-8ステンレス
ハンドル フェノール樹脂
サイズ:
W223×D163×H225mm (ハンドル含む)
やかん蓋を嵌める穴の大きさ 約φ125mm
重さ:約860g
容量:
約2.34L(満水)/約1.63L(7分目)
備考:
直火 ◯ IH ◯ 電気レンジ ×
オーブン × 食器洗浄機 ×
【特徴】
・蓄熱性が高い
・注ぎ口が細く、コーヒーのドリップなどに最適
・スタイリッシュなデザインが魅力
【価格(税抜)】
詳しくはこちら
12,500円
ステンレスケトル (柳宗理)
ブラックピーマン 200V サテン仕上げ重さ:
詳しくはこちら
815g
容量:
約2.5L(満水)/約1.75L(7分目)
備考:
直火 ○ IH ○ 電気レンジ ×
オーブン × 食器洗浄機 △
※食器洗浄機を使用すると、
ハンドル部分の樹脂素材が白く変色する可能性があります。
【特徴】
・平べったいかたちで、早く沸騰する
・やかん蓋を嵌める穴が大きいため、洗いやすい
・持ち手とつまみが熱くならない
・水が入った重い状態でも安定して持てる
【価格(税抜)】
10,000円