私たちが比べてみました 暮らしの道具、徹底比較
バターナイフ編
2020年3月公開
切ったり、削ったり、塗ったりなど、
気持ちよく、きれいにバターを使うのに必要不可欠な「バターナイフ」。
切る、削る、塗る、と用途が限られているからこそ、その使い心地にはこだわりたいもの。
今回は、バターナイフを愛用しているスタッフ3人が
cotogotoで扱う素材もかたちもさまざまなバターナイフを比べてみました。
比べるアイテム
ステンレス
銀メッキ
木
スタッフの紹介
カメ
40代、両親と3人暮らし。
用途に合わせて数本のバターナイフを使い分けている。ナツキ
30代、夫と子ども2人と4人暮らし。
食卓に出せるおしゃれなバターナイフを探し中。カナコ
30代、夫と子ども1人と3人暮らし。
バターナイフは塗るよりも、切りやすさを重要視している。
どんなバターナイフを使っていますか?
▲バターナイフにこだわれば、バターをストレスなく切れたり、
食卓にも華を添えることがきるはずです。「バターナイフ(東屋)」を使用。
カメ
私はバターナイフなどのヘラ類が大好きで、主に3~4本を使い分けています。
それぞれサイズもかたちもさまざまですが、
共通しているのはステンレス製ということと、
柄とナイフの接合部分が平らで、角度がついていないということ。
平らなほうがバターを切るときにも刃を入れやすく、
トーストにバターを塗りやすいんです。
小回りが利く小さなバターナイフはトーストに塗る用に、
サンドイッチなどをつくる際には、
広範囲に塗れる面が広いものを使っています。
バターを塗る以外にも、ジャムを塗ったりもしていて、
何本もあるので、その日の気分で使うバターナイフを選んだりしています。
ナツキ
私は、ステンレス製のバターナイフを使っています。
かたちは、刃の右側に少し傾斜があって、
柄と刃の接合部分に少し角度があるかたちをしています。
うちではバターを溶かしながらトーストを焼いていて、
私が家族分のバターを伸ばして食卓に出しているから、
バターナイフを使う場所は主にキッチン。
10gずつカットできるバターケースを使っているので、
主にバターを伸ばすために使っています。
今使っているステンレス製のバターナイフは、
おしゃれさに欠けるので食卓には出していません。
以前は、木製のバターナイフを使っていたんですが、
なくしてしまったので、食卓にも出せるようなおしゃれな木製のものを探し中です。
カナコ
私も、ステンレス製で細身のバターナイフを使っています。
刃は丸いかたちをしていますが、先端に細かいギザギザがついているので、
かたいバターを切るときでも、すっと刃が入っていくのでお気に入りです。
私はトーストにバターを塗るよりも、料理で使う場面が多く、
カチコチのバターでもすっと切れるほうが助かるので
切りやすさを重視して選びました。
面が狭くて小さいので、柚子胡椒など、
瓶に入った調味料を取るときにも重宝しています。
早速、バターナイフを比べてみましょう
バターを切る・削ぐ
ナツキ
まずは、バターを切ったり、削ったりしてみましょう。
cotogotoでは全8種類のバターナイフを扱っていますが、
どれも刃のかたちはさまざま。
厚みにも差があるので、刃の入れやすさにも違いがあるかもしれません。
持ち手の太さやかたちもそれぞれ違うので、
かたいバターを切り分けたり、削ったりするときに
握りやすく、力が入れやすいかどうか意識して使ってみましょう。
▲各バターナイフの刃の形状。
カナコ
まずは一般的なナイフに近いかたちをしている
「バターナイフ(東屋)」を試してみたいと思います。
すっと刃が入って、かたいバターでも問題なさそうです。
カメ
刃の入りがいいのは、刃先が薄く仕上げられているおかげのようですね。
持ち手も適度な厚みがあって、力を入れやすいです。
刃が薄い点でいうと「SUNAO バタースプレッダー (graf)」が一番薄く、
そこまで力を入れずに刃が入っていきます。
切りにくいバターナイフは、途中で刃が滑って
バターが斜めに切れてしまうことがありますが、
これは下まで垂直に、きれいに切れました!
▲「SUNAO バタースプレッダー (graf)」(左)と「バターヘラ(宮島工芸製作所)」(右)の
刃の厚みの比較。
ナツキ
反対に厚みのある「バターナイフ(工房アイザワ)」や
「バターヘラ(宮島工芸製作所)」は、
持ち手は両方とも適度な厚みがあって力を入れやすいのですが、
上手く刃が入っていきません。
特に「バターヘラ(宮島工芸製作所)」は、
力を入れすぎてしまうと厚みのせいで切り口が悪く、
残ったバターが美しくないのが気になります。
でも木製だから、バターの油が染みて、どんどん味が出て
育てる楽しみがありそうですね。
食事前にバターと一緒に出しておいて、
少しやわらかくしてから使うのがいいかもしれません。
カメ
私はトーストを焼く前に、バターを先に出してやわらかくしています。
その間にコーヒーを淹れたり、ほかのおかずを用意しておけば
バターを使う頃にはやわらかくて、刃が入れやすくなっていますよ。
▲真鍮の持ち手が重厚感のある「バターナイフ(FUTAGAMI)」。
刃先のかたちは油絵を塗るためのヘラをヒントにつくられています。
カナコ
次は特徴的なかたちをしている「バターナイフ(FUTAGAMI)」。
「SUNAOバタースプレッダー (graf)」ほどじゃないですが、
こちらも薄手なので刃が入りやすいです。
角度のついた持ち手が指にフィットして握りやすかったです。
ナツキ
刃が膨らんだかたちをしている「バターナイフ(柳宗理)」は、
丸いかたちと厚みがあるせいか、なかなか刃が入っていきません。
持ち手も薄いので、力を込めると手が痛くなってしまいます。
切ってみると垂直ではなく、上手く切れず斜めに切れてしましました……。
カナコ
スプーンのようなかたちをしている「ジャムバターヘラ(家事問屋)」は、
刃の入りには問題ありませんが、スプーンのようなかたちをしているので、
下まで垂直に切ることが難しいですね。
▲スライドするだけでバターが糸状になり、ふわふわに。
「Nulu/バターナイフ(EAトCO)」を使用
ナツキ
そして、これまでのバターナイフとは
一線を画すかたちをしている「Nulu/バターナイフ(EAトCO)」。
丸い穴が連なっている刃をバターの表面に当て、
手前から奥に向けてバターをこそげ取るとするすると糸状に削られていきます。
エンターテインメント性に優れていて、
子どもも楽しんで食事をしてくれるかもしれませんね。
それに糸状に削れたバターはふわふわで
トーストに塗るときも軽い力で塗れそうです。
カナコ
あれ?
私がやってみると、バターが糸状にならず、
削れたバターが塊になってしまっています……。
もしかしたら上手く削るにはコツがいるかもしれません。
カメ
私は上手くできました!
確かにちょっとコツがいるかもしれませんね。
かたいバターだとなかなか刃をスライドできないので、
ある程度バターがやわらかくなってから削るのがいいかもしれません。
ただ、バターの表面全体にナイフを滑らせるので、
上手く削れないと残ったバターの見た目が美しくないのが気になります。
「切る・削る」まとめ
ナツキ
全てのバターナイフを使って切る、削るを試してみましたが
使い心地がよかったのは、刃が薄い「SUNAOバタースプレッダー (graf)」、
「バターナイフ (東屋)」、「バターナイフ(FUTAGAMI)」でした。
刃が厚い「バターナイフ(工房アイザワ)」や「バターヘラ(宮島工芸製作所)」は
かたいバターだとなかなか刃が入っていかず、
最後まで垂直にバターを切ることが難しかったです。
一般的なナイフのかたちと異なる
「バターナイフ(柳宗理)」、「ジャムバターヘラ(家事問屋)」は、
かたちのせいなのか刃が入りにくかったり、垂直にバターを切れませんでした。
エンターテイメント性に優れている「Nulu/バターナイフ(EAトCO)」は、
バターがふわふわに削れるのが魅力。
ただ、使うにはコツが必要なので練習が必要かもしれません。
カナコ
持ち手に関しては、「バターヘラ(宮島工芸製作所)」が
厚みがあり、手に馴染む感じがありました。
他にも「バターナイフ(工房アイザワ)」と「バターナイフ(FUTAGAMI)」は
持ち手の面に指がフィットして持ちやすく握りやすかったです。
「SUNAOバタースプレッダー (graf)」や「ジャムバターヘラ(家事問屋)」、
「バターナイフ(東屋)」は程よい厚みがあって
持ちやすさに問題はありませんでした。
「バターナイフ(柳宗理)」と「Nulu/バターナイフ(EAトCO)」は、
持ち手が薄いので、力を入れると手が痛くなってしまうのが気になりました。
トーストに塗る
カメ
次は実際にトーストに塗ってみましょう。
先ほどバターを切りやすかった
「SUNAOバタースプレッダー (graf)」から使ってみます。
切るだけではなく、塗りやすさも抜群ですね。
トーストは平面に見えて、案外凸凹しています。
刃の丸みを帯びている部分が、
その凹凸にフィットしてバターが塗りやすいです。
▲小さく、柄が短い「バターナイフ(工房アイザワ)」は、小回りが利いて塗りやすいです。
カナコ
似たかたちをしている「バターナイフ(工房アイザワ)」と
「バターナイフ(柳宗理)」、「バターヘラ(宮島工芸製作所)」は
どれも塗りやすかったです。
「バターナイフ(工房アイザワ)」は柄が短く、小さいので使いにくいかも、
と思っていましたが短くて小さいからこそ機動力がありました。
「バターナイフ(柳宗理)」は塗りやすさに加え、
面が広いので、一度に広範囲に塗れるのがうれしいところ。
サンドイッチなどをつくるときにいいかもしれません。
「バターヘラ(宮島工芸製作所)」は名前の通り、
ヘラに近いかたちをしているので塗りやすかったです。
ナツキ
他のかたちのナイフはどうでしょう。
「ジャムバターヘラ(家事問屋)」は面が広くて塗りやすいですが、
中央にバターが溜まってしまうのが難点。
「バターナイフ(FUTAGAMI)」は、先端に行くにつれて細くなるため
バターを塗っているとその部分からバターがはみ出てしまいました。
また、「SUNAO バタースプレッダー (graf)」などのように
刃の部分に丸みがなく、直線的なかたちをしているからか、
トーストへのフィット感がなく、
塗ったバターにムラがあったり上手くできませんでした。
カメ
「バターナイフ(東屋)」も直線的なかたちをしているので、
トーストの面に当たらず、塗りにくく感じました。
「バターナイフ(東屋)」と「バターナイフ(FUTAGAMI)」は、
持ち手が重厚感のある真鍮を使っているからか、若干重さもあるように感じます。
▲「Nulu/バターナイフ(EAトCO)」のギザギザした刃を使って焦げを取っているところ。
ナツキ
「Nulu/バターナイフ(EAトCO)」は、くの字のかたちのせいで
バターを伸ばしにくく、トーストに塗りにくいですね。
バターを削ったり、
逆の刃を使って焦げを取ったりするにはいいかもしれないですが
トーストに塗るのは少し苦手なのかもしれません。
「塗る」まとめ
カナコ
結果は「バターナイフ(工房アイザワ)」が一番塗りやすかったです。
刃の丸みがトーストの凹凸にフィットし、
小さいことで機動力があったのがよかったです。
似たようなかたちをしている「SUNAOバタースプレッダー (graf)」、
「バターナイフ(柳宗理)」、「バターヘラ(宮島工芸製作所)」も
塗りやすかったです。
直線的なかたちをしている「バターナイフ(東屋)」や
先端に行くにつれて細くなっていく「バターナイフ(FUTAGAMI)」は
トーストの凹凸に当たらなかったり、バターがはみ出してしまいました。
「ジャムバターヘラ(家事問屋)」はスプーンようなかたちをしていて
中央にバターが溜まってしまうのが欠点。
「Nulu/バターナイフ(EAトCO)」は、くの字の角度のせいか
バターを伸ばしにくかったです。
素材の違いについてはどうですか?
▲ステンレス製は食洗器に対応しているため、お手入れが簡単なのがうれしいところ。
「SUNAOバタースプレッダー (graf)」。
カメ
「ステンレス」、「銀メッキ」、「木」のバターナイフを試してみましたが、
木製の「バターヘラ(宮島工芸製作所)」は握りやすく、軽くてよかったですね。
ナツキ
木製は見た目のあたたかみがあったり、
一つ一つ木目も違うので、より愛着が持てそうです。
それに、経年変化もあって
使っていくごとに育てていく楽しさがあります。
カナコ
「バターナイフ(工房アイザワ)」と
「バターナイフ(FUTAGAMI)」も銀メッキを使っているので
経年変化が楽しめますよ。
それぞれ持ち手の銅と真鍮の部分も変化が楽しめるので、
1本のバターナイフで二つの素材の経年変化が楽しめるのは
なんだかお得感があっていいと思います。
カメ
そしてステンレス製は、真鍮の持ち手の「バターナイフ(東屋)」と
「Nulu/バターナイフ(EAトCO)」」以外は食洗器に対応しているので、
お手入れが簡単なのがうれしいところ。
頻繁に使うものだからこそ、お手入れが簡単なのはいいですね。
最後に、バターナイフの違いをまとめてみました
ナツキ
総合的に使いやすかったのは「SUNAO バタースプレッダー (graf)」。
刃が薄いからバターが切りやすく、
丸みを帯びているからバターを伸ばしやすかったです。
持ち手も程よい厚みがあって握りやすくもありました。
カナコ
切りやすさでいうとナイフのかたちに近い「バターナイフ(東屋)」もよかったです。
バターだけではなくて、チーズなどを切るのにも使えそうですね。
直線的なデザインなので、塗りにくさはありましたが
真鍮の持ち手の重厚感や洗練されたかたちが素敵です。
同じ真鍮の持ち手の「バターナイフ(FUTAGAMI)」も魅力的。
こちらも刃が薄く切りやすいのですが、先端が細くなっていることで
塗るときにはバターがはみ出し、塗りにくさがありました。
ですが、他にはないかたちで、デザイン性が高いところ、
柄が長くてヘラ部分が細いかたちは、
柚子胡椒のような瓶から調味料をすくうときなどに重宝しそうです。
カメ
刃が厚くて切りにくいところが残念でしたが、
一番塗りやすかったのは「バターナイフ(工房アイザワ)」。
小さく、柄も短いからか小回りが利いて機動力は抜群でした。
「SUNAOバタースプレッダー (graf)」と同じで、
丸みを帯びたかたちをしているからか、
トーストにフィットして伸ばしやすく、塗りやすかったです。
カナコ
大きい面が特徴の「バターナイフ(柳宗理)」は、
丸みを帯びたシルエットと刃が厚めだからか、
刃が滑ってバターがなかなか切れないのが残念でした。
反対にこの丸みのおかげで、バターが伸ばしやすいので
面が大きいところを生かして広範囲にバターを一度に塗れるのは利点です。
サンドウイッチなどをつくるときによさそうですね。
カメ
「ジャムバターヘラ(家事問屋)」は、
若干スプーンのようなくぼみがあるかたちをしているので、
垂直にバターが切れなかったり、
塗っていると若干ヘラの中央にバターが溜まってしまうことがありますが、
基本的な切る・塗るという作業はしやすい印象でした。
くぼみのおかげですくいやすいから、ジャムにも使えて、
一つで二役担ってくれるのはいいですね。
ナツキ
「バターヘラ(宮島工芸製作所)」は刃が厚く、
バターがかたいと切りにくかったです。
名前にヘラとある通り、バターが伸ばしやすく塗りやすかったです。
また、木製だから握りやすく、あたたかみのあるデザインも好印象です。
カメ
糸状にバターをふわふわに削れる「Nulu/バターナイフ(EAトCO)」は、
使い方にコツがいるため、慣れるまでには時間がかかるかもしれません。
エンターテインメイント性に優れているので、
食卓で会話が弾んで、楽しく食事ができそう。
バターを塗るには、くの字の角度のせいか伸ばしにくく感じました。
他のバターナイフにはない機能として、
トーストの焦げをとることができる
ギザギザの刃がついているのは便利だと思います。
-
バターナイフ (東屋)
【特徴】
詳しくはこちら
・刃が薄く、かたいバターでも切りやすい
・持ち手の真鍮の重厚感が素敵
・他にもチーズなどの切り分けにも使える
【価格(税抜)】
4,500円
-
ジャムバターヘラ(家事問屋)
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SUNAO バタースプレッダー(graf)
【特徴】
詳しくはこちら
・刃が薄いため、バターを切りやすい
・丸みを帯びたかたちをしているため、
バターを塗りやすい
・持ち手に程よい厚みがあり、握りやすい
・食洗器に対応しているのでお手入れが楽
【価格(税抜)】
1,600円
-
バターナイフ(柳宗理)
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Nulu/バターナイフ (EAトCO)
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バターナイフ(工房アイザワ)
【特徴】
・小さく、柄が短いため、
小回りが利いて機動性に優れている
・丸みを帯びたかたちをしているため、
バターを塗りやすい
・角ばったかたちをしていて、
面に指がフィットし、握りやすい
・銀メッキと銅、両方の経年変化を楽しめる
【価格(税抜)】
1,550円
-
バターナイフ(FUTAGAMI)
-
バターヘラ (宮島工芸製作所)