「春の豆」と言えば、空豆とグリーンピース。
色鮮やかな若葉色が、食卓に春を運んでくれる食材です。
この時期出回る生のものは、冷凍や缶詰とは味も香りも格段に違います。
ただ、とくに生のグリーンピースは出回る時期が限られるので、
旬の今まとめて保存食にして、ゆっくり堪能したいもの。
美しい色や香り、ほくほくとした味わいを保ちつつ、
アレンジもしやすい保存食「春の豆のオイル漬け」を、
料理家・たくまたまえさんに教えていただきました。
瑞々しい色と香りの空豆とグリーンピース
大きなさやの中に豆が3〜4個入っている「空豆」と、
人差し指サイズのさやに小さな豆が5〜6粒入った
「グリーンピース」。どちらも春に旬を迎える豆です。
新鮮なものは、さやがツヤっぽくふっくらしたもの。
さやから出すと風味が落ちていくので、
調理する直前にさやから出します。
さやから出すと正味はほんの少し。
手間も少々かかりますが、
生から調理したものの美味しさは格別です。
教えていただいたのは…
料理家 たくまたまえさん
料理好きが高じ、東京の中でも自然豊かで畑の多い街に移り住んだのを機に、約20年前から四季折々の保存食づくりをスタート。近所や自宅になる杏やすもものを使ったシロップ煮や、たくま家伝統のらっきょう漬けなど、季節ごとに好きなものをつくって楽しむ暮らしが評判に。フリーマーケットなどでも販売。著書に、「たまちゃんの保存食」(マイナビ)や、旦那さんのためのお弁当づくりをまとめた「たまちゃんの夫弁当」(主婦と生活社)があります。日々のお弁当や季節の保存食づくりの様子は、こちらから。
材料(つくりやすい分量/
完成量約250g)
- 空豆…200g(さやから出したもの)
- グリーンピース…100g(さやから出したもの)
- 塩…大さじ1
- エキストラオリーブオイル…約200cc
※完成量は、オイルを切った豆のみの量です。
※今回は、空豆はさやの長さ約17cmのものを13本、グリーンピースはさやの長さ約8cmのものを25本使用。
※オイルは、お好みのものを。米油などもおすすめです。豆の香りを楽しむためには、香りが強くないあっさりしたもの選びましょう。
1.空豆とグリーンピースをさやから出します。しぼんだりシワが寄ったものは取り除きます。
2.空豆の皮に入った筋(爪)の脇の部分に、包丁の端で5mm程度の切り込みを入れます。
【ポイント】
切り込みを入れることで、塩茹でした際に豆に塩味がしっかりつきます。また、皮も剥きやすくなります。
3.空豆とグリーンピースを別々に塩茹でします。まずは空豆。鍋にたっぷりの湯を沸かし、沸騰したら塩をひとつまみ(分量外)入れ、空豆を入れます。3分経ったら、ざるに上げます。
4.グリーンピースを茹でます。塩をひとつまみ(分量外)入れた湯で2分半茹でたら、手で触れるくらいの熱さになるまで、湯の中でそのまま置きます。
【ポイント】
グリーンピースをすぐにお湯から出すと、皮がシワシワになってしまうため、お湯の中で冷まします。
5.空豆の皮を剥きます。2で入れた切り込みをとっかかりにすると、するっと剥くことができます。
6.空豆、グリーンピースともにキッチンペーパーなどで水気を取ります。余分な水分をとることで日持ちしやすくなります。
7.煮沸して消毒した瓶に6の空豆とグリーンピースを入れ、塩を振りかけます。
8.オリーブオイルを、豆が隠れるところまで注ぎます。
9.瓶の蓋をして冷蔵庫へ。翌日からいただけます。冷蔵庫で約2週間は保存が可能です。
たくまさんが選んだ器は…
白磁輪花(九谷青窯・高原真由美)
波打つ縁が花びらのように立ち上がり、ほどよい深さがある白磁の深皿。「白磁は豆の緑色がキレイに映ります。縁が少し立ち上がっているので、立体的に盛り付けられて豆の丸みが可愛らしく見えるかなと。オイルを回しかけても大丈夫な深さもいいですね」