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IFNi Roasting&Co.に教えてもらいました
コーヒーを美味しく、楽しくするドリップ講座

コーヒーを美味しく、楽しくするドリップ講座

ほっとくつろぎたいときや、しゃきっと気合いを入れたいとき、
起き抜けから食事のしめくくりまで、1日の中で何度も登場するコーヒー。
街中にたくさんコーヒーショップはあるけれど、
おうちでも自分好みのコーヒーを淹れられたら、いいですよね。
とはいえ、コーヒードリップは、なんだか複雑で難しそうなイメージもあります。
静岡のロースター「IFNi Roasting&Co.」さんに、コーヒードリップの基本から教えてもらいました。





1. IFNi Roasting&Co.のこと


今回ドリップについて教えてもらうのは、
静岡市を拠点にコーヒー豆の焙煎、卸業、販売をしている
「IFNi Roasting&Co.(イフニ ロースティング アンド コー)」の代表、松葉正和さん。



松葉さんは、今年43歳。学生時代にコーヒーの世界に魅了されて20年以上。
アルバイトやダブルワークをしながら、世界各地でさまざまなコーヒー文化や焙煎に触れ、
2001年に地元である静岡にIFNiをオープンさせて15年が経ちます。

実は松葉さんは、10代後半までコーヒーが嫌いだったのだとか。
それがエジプトで、運命の一杯と出会います。
断りきれないシチュエーションで、えいやと飲んだ一杯がたまらなく美味しくて、
そこからどっぷりコーヒーの道へ。
コーヒーに携わるさまざまな人たちに師事しながら、
自分が好きなコーヒー・焙煎を追い求めてきました。
「当時は、多い時で1日20種以上飲んでました。いや、飲まされてましたね。笑」。
さらにコーヒーの歴史や世界のコーヒー文化、
豆そのものについてや焙煎の作業など、化学的・物理的な側面からも研究し、
試行錯誤を重ねてきたのだそうです。


▲静岡にある「IFNi Roasting&Co.」の焙煎所。

「僕がお世話になった人たちには、亡くなった方もいるけれど、
彼らから学んだそれぞれの“スタンダード”を参考に
今も変わらず作業しているだけなんです。
焙煎に関しては、謎めいた職人技ではなく、単純に作業であるということに行き着いています」
と松葉さんは言います。
「IFNi」という不思議な響きを持つ店名も、実はそんな想いからつけたのだとか。
「IFNiは、昔実在した国(現在のモロッコ)の名前で、
英語の“infinity(無限)”や“eternal(永遠の)”の語源にもなったもの。
変わらないことをやっていこうという意味でIFNiにしました」。

実はIFNiには、コーヒー豆の焙煎だけでなく、
コーヒーを淹れるための器具やコーヒーアイテムをつくり出す
メーカーとしての顔もあります。
たとえば人気商品の「リネンフィルター」なら、
糸から打ち込んだというオリジナルリネンの開発から携わったのだとか。
「日本だけでなく、世界でも、コーヒー周りのアイテムって選択肢が案外少ないんですよね。
探してなければ、自分でつくるしかなくて」。
松葉さんはそう言いますが、つまりは納得がいくものが数少ないということ。
だからこそIFNi製のアイテムたちは、
採算度外視で試作に何年もかけ、妥協せずにつくられたものばかり。

すべては「美味しいコーヒーをストレスなく飲んでもらいたい」という想いから。
ぶれずにその気持ちを持ち続けて行動する姿勢はもはや、
いちロースターの域を越えています。

二杯目も飲みたくなるコーヒー



「苦くないのに、しっかりコクがあって、美味しい!」。
松葉さんに淹れていただいたコーヒーをはじめて飲んだときの感想です。
ふっくらとやさしく、味わい深いのに強くない、
じんわりと体にしみ込むような、しみじみと美味しいコーヒー。

今話題の「フルーティなコーヒー」とも、
ちょっと前に流行った、どっしりと苦味のあるフレンチタイプのものとも違う。
「こういう味を求めていたのかも」と思わせてくれる味でした。

「松葉さんの思う“美味しいコーヒー”ってなんですか?」
思わず投げかけた質問に、
「すんなり体に入って、二杯目も飲みたいと思わせるもの」と即答。
その答えと、コーヒーの味わいがしっくりとはまりました。

ドリップのやり方を教えてもらうのに松葉さんほど適任はいない、
と前のめりになった途端、
「正解がないのがコーヒーのよさなので、
今日教えるやり方も、決まりではないですよ」ときっぱり。
まさに、“これぞ正解”という淹れ方を教えてもらおうと思っていたところ、
いきなり意外な展開になってしまいました。

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