IFNi Roasting&Co.に教えてもらいました
コーヒーを美味しく、楽しくするドリップ講座
4. 美味しいドリップコーヒーを淹れてみましょう
いよいよドリップスタートです。
豆を均一にしっかり蒸らし、旨味をあますところなく引き出すイメージで。
すべては美味しい一杯のために。
STEP1ドリッパーにフィルターをセットし、挽いた豆を入れます
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/DSC_0748.jpg)
ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、挽いた豆を入れて平らにならします。
すべての豆から均一にコーヒーエキスを十分に出し切るのが、
豆の旨味を最大限に引き出す理想的なドリップ。
平らにするのは、なるべく均一に豆を蒸らすためです。
ポイント!
フィルターは濡らしません
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/IMG_4933.jpg)
ペーパーの匂いを落とすためなどの理由で、
フィルターにお湯を通してから豆を入れる方法もありますが、
濡らさないのがIFNi流。
先にペーパーを濡らしてしまうと、フィルターの目が詰まったり、
ドリッパーにペーパーがくっついてしまい、蒸らしの段階で
横からの炭酸ガスの抜け道がなくなってしまいます。
また、濡れたペーパーに触れた豆が濡れて、
キュッと縮んでしまい、エキスが出にくくなるということも。
STEP2豆を蒸らします
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/IMG_4981.jpg)
挽いた豆の真ん中から、お湯を“置く”ように、とろっとろっと点滴のように垂らします。
徐々に中央から豆が膨らんでくるので、少しずつその周りにお湯を垂らす範囲を広げていきます。
湯量は均一に。多すぎても少なすぎても、全体をしっかり蒸らすことはできません。
多いと、湯だまりができてしまい、底の方の豆がふやけすぎたり、
固まってお湯が下に落ちなくなってしまいます。
逆に少なすぎると、表面の豆だけが固まり、お湯を落としてもその下まで浸透しなくなってしまいます。
ポイント!
コーヒーの旨味やコクは「蒸らし」で決まります
「蒸らし」は、コーヒーのエキスを出し切る作業。点滴のように、やさしくそっと丁寧にお湯を垂らしながら、
すべての豆の組織が開いて膨らむイメージで。
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/DSC_0758.jpg)
まずは、真ん中からお湯をそっと垂らします。
円錐形のドリッパーの場合、
真ん中が一番深く、豆の層が厚くなります。
豆全体に均一にお湯を浸透させるためには、
真ん中からお湯を垂らしはじめます。
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/DSC_0778.jpg)
お湯に触れた豆から炭酸ガスが出始めます。
このガスが上に上がってくることで、
「豆が膨らむ」状態になります。
蒸らしによる豆の膨らみ方は、2段階に分かれ、
はじめは中央だけが膨らみます。
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/DSC_0787.jpg)
徐々にお湯を垂らす範囲を、中心から外へ向かって
少しずつ円を描くように広げていきます。
豆のふくらみも、中央だけでなく、その周りにまで広がります。
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/DSC_0795.jpg)
垂らしたお湯は、下方だけでなく、横にも広がっていきます。
フィルター側の表面の豆にお湯がかかっていなくても、
内部ではお湯が浸透しているので、
ペーパーの際までお湯を垂らす必要はありません。
ここまで膨らむ範囲が広がったら、蒸らしは終了。
STEP3淹れたい量までお湯を注ぎます
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/uchisoto.jpg)
▲お湯は、内側→外側→内側に円を描くように。内側が太く、外側にいくほど細く注ぎます。
豆が十分膨らんだら、内側から外側、外側から内側というように円を描くようにお湯を注いでいきます。
豆が膨らんだら注ぐのをやめ、沈んできたらまた注ぐといった具合に、
豆が自然に呼吸をしているくらいのテンポで注ぎます。
お湯を注いで、豆がきれいな円状に膨らんだら、均一にお湯が浸透しているということ。
1杯淹れる場合、5〜6回お湯を注ぐくらいの速度がひとつの目安。
ポイント!
お湯は、やさしく細く注ぎます
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/IMG_5279.jpg)
勢いよくお湯を注ぐと、余計なところまで飛び散ってしまい、
豆が暴れてしまいます。
なるべくポットの注ぎ口を近づけ、
細くやさしく注ぐようにします。
このとき、ポットを少し横に倒すように傾けると、
湯量を調節しやすいとか。
湯量は、外:内=1:3.5のイメージで
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/ill_3.jpg)
蒸らしと同様、ドリッパーの深さを意識して、お湯を注ぎます。
円錐形のドリッパーの場合、中央が豆の層が厚くなるので、
外側を注ぐときよりも内側を注ぐときの湯量を多くすると、
均一にコーヒーを落とすことができます。
湯量の目安は、外:内が1:3.5くらいのイメージ。
フィルターにお湯をかけないように
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/DSC_0875.jpg)
抽出のときも、フィルターの際まではお湯を注ぎません。
豆の層がほとんどないところにお湯を注いでも、
豆を通らないで下に落ちてしまい、
出来上がりのコーヒーが薄まってしまいます。
淹れ終わったときに、ペーパーがなるべく濡れていなければ、
無駄なくコーヒーを落とせたと言えます。
松葉さんはよく、「コーヒーを無駄にしない」という言葉を
口にしていました。
STEP4目標量になったらドリッパーを外します
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/DSC_0913.jpg)
今回は、出来上がり量を150ccの想定で豆の量も決めているので、
150ccまで淹れたら、まだコーヒーが落ち切っていなくてもドリッパーを外します。
最後まで落としきってしまうと、エグミが出てしまうので要注意。
抽出したコーヒーは、軽く振って、全体の濃度を均一にしてからカップに注ぎます。
余った豆の保存方法
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/hozon.jpg)
豆も農作物のひとつなので、鮮度が大切。
長持ちさせるためには、冷凍や冷蔵保存をするイメージが強いですが、松葉さんは常温の密閉容器での保存をすすめます。
冷凍や冷蔵をしてしまうと、冷凍庫や冷蔵庫から出したときに、
外気との温度差で豆に水滴がついてしまうのです。
お湯を浸透させる前に豆が濡れてしまうと、豆の組織が湿気てしまい、エキスが出にくくなってしまいます。
そのため、豆の保存は温度よりも湿度管理が大切。
温度管理できる機械があるのであれば、豆の種類にもよりますが、10~13℃がいいとのこと。
夏場など湿度の高い時期は、除湿剤を一緒に入れて置くのもいいそうです。
ドリップの基本的な流れはここで終了。
「二杯目も飲みたくなるコーヒー」を目指して松葉さんがたどり着いた方法が、今回ご紹介したやり方。
これをひとつの基準として、豆の量や挽き具合、抽出スピードや抽出量などをいろいろ変えて、
ぜひ自分の好きな味、そしてそれを淹れるやり方を探していってください。
「正解がないのがコーヒーのよさ」なのですから。
![](http://gigaplus.makeshop.jp/cotogoto/site_data/cabinet/special_issue/ifni/line.jpg)