すすむ屋茶店に教えてもらう 美味しい日本茶の淹れ方
2.今さら聞けないお茶のアレコレ
煎茶と玉露の違いや新茶はどんなお茶なのか、茶葉の保存方法など……。
日本のお茶である日本茶だからこそ
今さら聞けない疑問がある人も多いのではないでしょうか。
そんなお悩みをQ&A形式で、新原さんに答えていただきました。
Q1.煎茶と玉露の違いを教えてください!
A.すべて緑茶の一種で、茶葉を摘採する前の工程の違いで区別されます

茶園に覆いをして、日光を遮って育てられたか、
そうではないかの違いによって、
煎茶と玉露は区別されます。
煎茶は茶園に覆いをせずに育てられ、
旨味、甘み、渋味のバランスを楽しめる茶葉。
玉露は茶園に1ヵ月程度覆いをかけ、
旨味、甘みを楽しめる茶葉です。
覆いをすることによって日光を遮られた茶葉たちは、
光合成をするために
少ない日光を効率よく吸収しないといけません。
そのため多くの葉緑素をつくり出すことで、
元気に育っていきます。
この葉緑素の中に多くの甘みや旨味成分があるのです。
覆いをかけて茶葉にあえて負担をかけることで、
甘みや旨味を引き出しているのです。
Q2.5月頃によく聞く「新茶」ってどんなお茶ですか?
A.冬の間、栄養をため込んだ茶の木が育ち、
4月~5月にかけて芽吹いた新芽をすぐに摘採・製造・焙煎した日本茶のこと

茶の木が芽を出すのは春。
冬の間は活動せず、栄養をため込んでいるため、
その年に一番最初に出てきた新芽(これを1番茶という)には美味しさが凝縮されています。
また、新茶はフレッシュだからこそ
個性が強いのが特徴。
栄養がたっぷり詰まり、
この時季だけの爽やかな香りを持ち合わせています。
Q3.「焙煎」ってなんですか?
A.お茶の香りと味を決める仕上げの工程のこと
「焙煎」とは、お茶製造の仕上げの加工の一つで
茶葉を直火、熱風、遠赤外線、マイクロ波などの方法で加熱することをいいます。
これによりお茶に香りをつけ、甘みを引き出すことができます。
焙煎する時間や温度によって、香りや味わいが変わるため、
この違いがそれぞれのお茶屋さんの個性としてお茶に表れます。
Q4.茶葉の正しい保存方法が知りたいです
A.開封前は冷蔵庫や風通しのよい場所で、
開封後は冷暗所などで密閉された容器に保存を

開封前は冷蔵庫、
もしくは風通しのよい冷暗所での保管が好ましいです。
開封後は茶筒などの密閉された容器に保存し、
日光が当たらず、
風通しのいい冷暗所に保管してください。
開封後、茶葉を密封して保存したとしても
未開封のものほど状態はよくないため、
蓋を開けるたびに空気に触れることになり、
湿気を吸ってしまい
風味が落ちやすくなってしまいます。
茶葉のフレッシュな状態を楽しむためにも、
開封後2週間~1ヵ月程度で飲み切るのがおすすめです。
Q5.急須を選ぶときのポイントは?
A.使い勝手のよさで選びましょう

手にしてみて持ちやすいか確かめてみてください。
お茶は最後の一滴に旨味が詰まっているので、
出し切るために急須の持ちやすさは重要です。
急須から注ぐときに
しっかりお湯が切れるかもポイント。
また内側が広い急須だと茶葉が開きやすく、
しっかり抽出できます。
Q6.お茶を一度適温まで冷ますのはなぜ?
A.お茶の甘みを引き出すためです
高い温度のお湯でお茶を淹れると、少し渋味が強くなります。
高い温度で淹れてもかまいませんが、
甘みのあるお茶を好む方は低めの温度に調整しましょう。
Q7.お茶をすぐに抽出したいときどうすればいいですか?
A.茶葉を多めに入れ、円を描くように急須を回してみてください
来客などですぐにお茶を出したいとき、
以下の手順なら、通常より早い時間でお茶を淹れることができます。
1.通常より茶葉を多めに入れる
2.急須を回す
このとき円を描くように回すことで、
茶葉同士がぶつかって傷まず、苦味などが抽出されにくくなります。
Q8.2煎目を美味しく淹れる方法を知りたいです
A.1煎目を淹れた後、急須内にお湯を残したままにしないこと

急須内で茶葉がお湯に浸かったままになっていると、
苦味、渋味が濃くなり、お茶の色も濁ってしまいます。
1煎目を淹れたとき、急須の中にお湯を残さないように注意しましょう。