【神無月】堤人美さんに教わる「りんごのチャツネ」 | 保存食暦 | cotogoto コトゴト
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季節の恵みを大切にいただく、保存食暦

2019年10月公開

秋から冬にかけて収穫を迎えるりんご。
10月はとくに、多くの種類が出回ります。
生で食べるだけでなく火を通しても美味しく、
香りや甘酸っぱい味わいを楽しめるため、
たくさん手に入ったときは、鮮度が落ちる前に火を入れて保存食に。
定番のジャムもいいですが、
たまには一風変わった「チャツネ」はいかがでしょう。
チャツネとは、野菜や果物を砂糖、酢、スパイスと一緒に煮詰めた調味料のこと。
りんごを使うと、甘味や酸味、スパイスが利きつつ、
どこか軽やかに仕上がります。
玉ねぎや2種のお酢を使う絶品「りんごのチャツネ」を
料理家・堤人美さんに教わりました。

カレーに添えたり、ドレッシングにしたり、肉と一緒に煮込んだり、
薬味やコクを加える調味料として大活躍。
チーズとの相性も抜群で、チーズトーストにのせる食べ方もおすすめです。
アレンジレシピは、
シンプルな葉物が引き立つ「グリーンサラダ チャツネドレッシング」と、
こっくりとした味わいの「豚肉のチャツネ煮込み」です。

アレンジレシピのつくり方を見る


 

旬の食材のこと

旬の食材「りんご」
「医者要らず」の栄養素が豊富なりんご

整腸作用のある食物繊維が豊富で、
酸味の素のクエン酸やリンゴ酸には疲労回復効果も。
とくに皮には、水溶性食物繊維のペクチンや、
生活習慣病の予防やコレステロールを下げる働きのある
ポリフェノールが多く含まれるので、
皮ごといただくのがおすすめです。

堤人美さん
教えていただいたのは…

料理家 堤人美さん

京都府出身。料理研究家のアシスタントを経て独立。身近な食材を使い、シンプルなつくり方で、一捻りある美味しさを生むアイデアに定評があります。書籍や雑誌でレシピを紹介するほか、テレビの料理番組への出演やCMの料理制作、企業のレシピ開発など多方面で活躍中。「うまい! 簡単! 失敗なし! 餃子、春巻きレシピ」(エイ出版社)、「肉炒め 毎日頑張っているあなたへ。とにかく簡単に作れるレシピです。」(グラフィック社)、「昆布、かつお節、煮干し 素材はひとつだけ シングルだしで、すぐごはん」(家の光協会)など、著書多数。



 

「りんごのチャツネ」のつくり方

用意するもの

用意するもの
材料(つくりやすい分量/
完成量約1kg)
  • りんご…4個(600g)
  • 紫玉ねぎ…1個(200g)
  • レーズン…50g
  • ドライプルーン…4~5個(40g)
  • 三温糖…200g
  • 赤ワインビネガー…50ml
  • りんご酢…150ml
  • 水…200ml
  • カルダモン…4~5粒
  • クローヴ…5個
  • シナモンスティック…1本

つくり方

りんごを切る

1.りんごは芯を取ってから、皮ごと1.5~2cm角に切ります。長く煮るので細かくしすぎる必要はありません。
【ポイント】
チャツネに使うりんごは、長く煮てもほどよくりんごの存在感が残る固くて蜜の多くないものが向いています。品種で言うと、甘みが少ない「紅玉」がおすすめです。

紫玉ねぎを切る

2.玉ねぎを大きめの粗みじんにします。

プルーンを刻む

3.ドライプルーンを1cm角に切ります。

カルダモンをつぶす

4.カルダモンは香りをよく出すため、木べらなどで潰します。

生姜をおろす

5.生姜はすりおろします。

すべての材料を鍋に入れる

6.シナモンスティックは半分に折り、レモンは果汁を絞ります。すべての材料を鍋に入れます。火の当たりがやわらかく、酸に強い厚手の琺瑯鍋がおすすめです。
【ポイント】
酢は2種類使います。りんごにはりんご酢が合いますが、それだけだとパンチが足りないので、違う種類の酢として赤ワインビネガーを加え味に深みを出します。

強めの中火で10分

7.全体をさっくり混ぜ合わせたら、煮立てます。煮立ったら強めの中火で10分ほど煮ます。途中、アクが出たら取り除きます。

弱火で煮込む

8.蓋を少しずらすようにのせ、弱火で1時間半から2時間ほど、量が1/3程度になるまで、時々かき混ぜながら煮込みます。粗熱が取れたら、清潔な保存容器に入れます。冷蔵で1ヵ月ほど保存が可能です。

堤さんが選んだ器は…

皿 3寸 デイゴ(陶眞窯)

沖縄の焼き物「やちむん」の伝統的なスタイル「壺屋焼」の小皿。「実は、同じ柄の大きめの器にアレンジレシピの煮込みを盛ったらどうかと思ったのが、気にかかった最初です。国を超えるような勢いがやちむんにはあるのに、どんなものでも受け止めてくれ、それでいて日常使いができる。この器は、四季も料理もすべて問わない気もしました」


ボウルセット M(ワンキルン)

桜島の火山灰を配合した釉薬を使用した蓋つきのボウル。「保存というとホーローやガラス瓶のイメージが強いですが、この器を拝見したときに呼吸する保存瓶のようなイメージを持ち、選びました。チャツネは、インドやアジアでは味噌のようなものかもしれない。そう思うとこの器はぴったりで、火山灰がいいように作用してチャツネをより一層おいしくしてくれる、そんな気持ちにもなりました」

 




グリーンサラダ チャツネドレッシング

りんごに玉ねぎ、数種類のスパイスが入った「りんごのチャツネ」は、
オイルと酢を足すだけで、ふくよかな味わいのドレッシングに。
レタスやサラダほうれん草など、葉物だけのシンプルなサラダを引き立てます。
甘味があるので、ナッツのような香ばしい味わいにもよく合い、
今回はうま味の強いチーズ・パルジャミーノを合わせます。

材料(4人分)
    (ドレッシング)
  • 「りんごのチャツネ」
    …大さじ3
  • 米油(または菜種油)
    …大さじ3
  • 白ワインビネガー…小さじ1

  • レタス…1/2個
  • サラダほうれん草…1/2杷
  • パルジャミーノチーズ…適量
  • 粗挽き黒胡椒…適量
つくり方

1. ドレッシングの材料を混ぜます。酸味が強いのがお好みの場合は、白ワインビネガーを足します。
2. レタスは大きくちぎって氷水に放ちます。ほうれん草は洗って葉先を摘まみます。それぞれ水気を切って器に盛ります。
3. ピーラーで薄く削いだパルジャミーノチーズと黒胡椒を振り、ドレッシングをかけていただきます。



堤さんが選んだ器は…

網目片口 小(石川昌浩)

岡山県の倉敷にて吹きガラスの制作を行う石川昌浩さんの片口。「片口のガラスは、もしかしたら多くの方の家にはないかもしれないですが、こういうものこそあると便利です。雰囲気があって、注ぎやすく、持ちやすく、ドレッシングやミルク入れにもとても使いやすそうでした。食器棚にも収まりがよさそう。注ぐために使うものは、キレがあって佇まいがいいことが条件。それが当てはまる片口でした」


隅入り横長八角皿(ジコン)

角に切れ込みの入った「隅入り」の八角皿。「このくらいの大きさの器が大好きなので、盛っていてとても気持ちよかったです! 使うときの心地よさってとっても大事だと思います。料理をぐっと押し上げてくれる気がして、私は大きめ楕円で白い器がすごく好きなんです。なので、シンプルなレタスがメインのサラダを、こんな素敵な器に盛ることを皆さんにおすすめしたいです」

豚のチャツネ煮

焼き色をつけた豚肉を、
野菜と一緒に白ワイン、水、「りんごのチャツネ」で煮込むだけ。
チャツネのりんごと酢の効果で、煮込み時間が短くても
豚肉がやわらかく煮上がります。

材料(2人分)
  • 「りんごのチャツネ」…80g
  • 豚ロースとんかつ用肉…4枚(460g)
  • 塩…小さじ1/4
  • 胡椒…少々
  • 薄力粉…適量

  • (A)

  • にんじん…1/2本(75g)
  • 玉ねぎ…1/2個(100g)
  • セロリ…1/2本(50g)

  • 白ワイン…大さじ2
  • 水…200ml
  • ウスターソース…小さじ1/2
  • オリーブオイル…小さじ2
  • バター…大さじ1
  • いんげん…16本
つくり方

1. にんじんは薄く半月切り、玉ねぎは薄切り、セロリは筋を除いて薄切りにします。いんげんは塩茹でして縦半分に切ります。
2. 豚肉は筋切りをし、4等分に切ります。塩、胡椒をし、薄力粉を薄くはたきます。鍋にオリーブオイルを入れ、中火で1分半ずつこんがり両面を焼き、取り出します。
3. 同じ鍋に(A)を加え、蓋をしてしんなりするまで弱火で10分程蒸らし炒めにします。
4. 3に豚肉を戻し入れ、中火にし、白ワインを振り、水を加えて一煮立ちさせます。
5. チャツネを加え入れ、中火で10分ほど混ぜ合わせてとろりとするまで煮込みます。仕上げにウスターソースとバターで味を調えます。皿に盛り、いんげんを添え、お好みでチャツネも添えます。



堤さんが選んだ器は…

dishes プレート fog gray 230
(イイホシユミコ)

リムがしっかり立ち上がった、汁気のあるものにも使いやすいプレート。「やや大きめのスープ皿という感じで、ディナー皿よりとても出番が多そう。立ち上がりがあって盛りやすそうなので選びました。それと色目も美しいです。こんな器を何枚か持っていると来客時にもいいですね。例えばたっぷりのスープを飲んだり、パスタやリゾットなんかもいいなと思いました」












 
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