【霜月】山田英季さんに教わる「焼き鯖の山椒オイル漬け」 | 保存食暦 | cotogoto コトゴト
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季節の恵みを大切にいただく、保存食暦

2019年11月公開

青魚の代表格・鯖。日本近海で獲れる種類のうち、最もポピュラーな「真鯖」は、
「秋鯖」と呼ばれる11月頃のものが一番美味しいとされています。
寒くなるこれからの季節、脂ののった鯖の美味しさは格別。
傷みやすい魚ですが、オイル漬けにすれば冷蔵で10日程度日持ちが可能に。
そのままでもごはんのおかずやおつまみになり、
炒め物やサラダなどの具にするとごちそう感が増す「焼き鯖の山椒オイル漬け」を
料理家・山田英季さんに教わりました。

鯖を焼いてからオイルに漬けることで香ばしさが加わり、味のアクセントに。
にんにくや山椒が香るオイルも、調味料として重宝します。
アレンジレシピは、
しっかり焼き色をつけた鯖と舞茸が香ばしい「鯖と舞茸の焼き飯」と、
それぞれの食材の味が引き立つ「鯖と半熟卵のポテトサラダ」です。

アレンジレシピのつくり方を見る


 

旬の食材のこと

旬の食材「鯖」
こってりだけれど意外とヘルシーな鯖

鯖は脂質が多い食材ですが、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす不飽和脂肪酸で、動脈硬化や脳卒中、高血圧などの生活習慣病の予防に役立ちます。
また、脂質のエネルギー変換を助け、血液の循環をよくするビタミンB2含有量は、魚の中でもトップクラス。
目が透き通って、身に張りのあるものを選びましょう。

山田英季さん
教えていただいたのは…

料理家 山田英季(ひですえ)さん

19歳から和食、オーガニックレストラン、フレンチ、イタリアンで修行。いくつかの店にてシェフを歴任後、料理家として独立。雑誌、書籍、テレビ、店舗などへのレシピ提供や飲食店を経営。2015年11月に(株)and recipeを立ち上げ、「ごはんと、旅は、人をつなぐ。」をテーマに活動を開始。「美味しそう」を伝えるサイト「and recipe」の運営や、発酵、AIと共創する料理など、食の世界を広げながら活動中。「香ばしくて、しましまのグリルパン料理!」(株式会社エイアンドエフ)、「かけ焼きおかず かけて焼くだけ!至極カンタン!アツアツ『オーブン旨レシピ』」(グラフィック社)、「にんじん、たまねぎ、じゃがいもレシピ」(光文社)など、著書多数。活動の最新情報はこちらから。



 

「焼き鯖の山椒オイル漬け」のつくり方

用意するもの

用意するもの
材料(つくりやすい分量/
完成量約300g)
  • 鯖…1匹(500g)
  • 塩…小さじ1
  • 実山椒…大さじ1
  • オリーブオイル…200ml

  • (A)
  • ローリエ…1枚
  • にんにく…2片(15g)
  • 鷹の爪…1本

  • ※塩サバを使用すればより手軽です。その場合、工程10からはじめてください。

つくり方

胸びれごと頭を落とす

1.鯖を三枚におろします。胸びれの下から包丁を入れ、頭を落とします。
※写真は左利きでのさばき方になっています。右利きの方は、適宜魚の向きなどをやりやすいよう回転させてください。

内臓を取り除く

2.肛門から頭の方向に向かって腹側に包丁を入れ腹を開き、内臓を取り除きます。

血合いを取り除く

3.水洗いしたら、竹串など先の細いものを2~3本まとめたもので、背骨についた赤黒い血合いをこそげおとします。キッチンペーパーなどで水気を取ります。
【ポイント】
血合いが残っているとくさみの元になるので、しっかり取り除きます。

背側に包丁を入れる

4.腹側の肛門から尾びれまで、まな板と並行に並ぶ中骨の上に刃を沿わせるように包丁を入れます。背側も、尾びれから頭まで、中骨の上に刃を沿わせながら背骨に刃が届くまで包丁を入れます。

包丁を差し込む

5.刃が尾びれ側に向くよう腹から背まで包丁を貫通させます。包丁の向きを逆転させ、滑らないようキッチンペーパーなどで尾びれを押さえながら、背骨の上に刃を沿わせながら、身を切り離します。

反対側の身も切り離す

6.反対側も同じように、腹側、背側と中骨の上に刃を沿わせながら背骨に当たるまで包丁を入れます。尾びれを押さえながら、尾びれから頭に向かって身を切り離します。

肋骨を切り取る

7.三枚におろしたうち、背骨部分は使いません。残り2枚の肋骨を削ぎ落します。

塩を振って30分置く

8.塩小さじ2を両面にまんべんなく振り、30分冷蔵庫で置きます。
【ポイント】
塩で脱水することで保存性を高めます。水分とともにくさみを抜く作用もあります。

水分を拭く

9.キッチンペーパーの上に8をのせ、上からキッチンペーパーで押さえるようにして水気を拭き取ります。

にんにくを火にかけ香りを出す

10.にんにくを潰して芯を取ります。フライパンにオリーブオイル大さじ2(分量内)と(A)を入れ、弱火で香りを出します(撮影時は山椒は後入れにしましたがここで入れますか?)。
【ポイント】
にんにくの芯は焦げやすく、苦みが出るので、オイル漬けにする場合は取り除きます。ローリエは切り込みを入れ、軽く炙ってから加えるとより香りが立ちます。

鯖を焼く

11.(A)を保存容器に取り出します。焼きやすいよう9を半分に切り、10のフライパンに皮目からのせ、中火でじっくり焼きます。端の色が変わったら裏返し、さらに焼きます。焼き時間の目安は、表5分、裏3分です。

取り出す

11.身側にも焼き色がついたら火を消し、取り出します。

ほぐす

12.一口大にほぐしながら骨を除き、(A)の入った保存容器に入れます。
【ポイント】
皮を剥いで身のみを漬けると、さらにくさみのないオイル漬けに仕上がります。

取り出す

13.実山椒を入れ、オリーブオイルを注ぎます。保存性を高めるため、空気に触れないよう身がしっかりオリーブオイルに浸かった状態にします。必要ならオリーブオイルを足してください。冷蔵で10日ほど日持ちが可能です。

山田さんが選んだ器は…

八角輪花皿 小皿(JICON・磁今)

上品な白色の、8枚の花弁がふわりと開いたかたちの小皿。「ある程度の期間保存できる保存食の楽しさは、好きなときにちょこちょこ摘まめること。他のおかずと一緒にそれぞれ豆皿などに盛って、1人ビュッフェスタイルとか楽しいですよね。器は料理と対局の色で引き立たせることが多いですが、『焼き鯖の山椒オイル漬け』のような色が主張しすぎないものの場合は、同系色の器の方がきれいにまとまる気がします」

 




鯖といんげん豆の焼き飯

「焼き鯖の山椒オイル漬け」を、
舞茸と一緒にさらに軽く焦げ目がつくまで炒めて焼き飯の具に。
刻んだいんげん豆で彩りを加え、最後に山椒の香りが染み出たオイルを一回し。
香ばしさと歯ごたえ、ふわりと香る山椒が後を引く一皿です。

材料(2人分)
  • 「焼き鯖の山椒オイル漬け」
    …80g
  • いんげん豆…4本
  • 長ねぎ…1/2本(50g)
  • 舞茸…1/2袋(70g)
  • 卵…2個
  • ごはん…2膳
  • ごま油…大さじ1と1/2

  • (A)
  • 塩…小さじ1/2
  • 白胡椒…少々
  • しょうゆ…小さじ2

  • 「焼き鯖の山椒オイル漬け」の
    オイル…大さじ1/2
つくり方

1. いんげん豆は5mm幅の輪切り、長ねぎはみじん切りにします。舞茸は房から食べやすい大きさにほぐします。
2. フライパンでごま油をあたため、軽く油を切った「焼き鯖の山椒オイル漬け」と舞茸を加え、弱火で焼き色がつくようしっかりと炒めます。
【ポイント】
舞茸は、両面に焼き色がつくまでしっかり焼いて水分を飛ばすと、味が濃くなりうま味が増します。

3. いんげん豆を加えしんなりするまで炒めます。
4. 溶き卵を加え半熟状になるよう炒めます。
5. ごはんを加えてほぐしながら炒め、(A)で調味します。長ねぎを加えて混ぜ、火を止めます。
【ポイント】
焼き飯はフライパンを振るイメージがありますが、家庭のコンロの火力だと、火から離すことで温度が下がりべちゃっとしてしまいます。フライパンは置いたまま、ヘラを2本使って両手でほぐしながら炒めます。長ねぎは最後に加えることで香りが飛ばず、さらに全体がぱらっと仕上がります。

6. 「焼き鯖の山椒オイル漬け」のオイルを和えます。
【ポイント】
最後に山椒の香りが移ったオイルを和えることで、山椒が香るしっとりとした焼き飯に。



山田さんが選んだ器は…

八角プレート 鉄散 小
(古谷製陶所)

白い肌に鉄分による黒い斑点が散りばめられた鉄散の八角プレート。「長皿は、焼き魚やとんかつとキャベツなど、盛りつける料理が限定されがちですが、リムが広めで少し立ち上がっていたら、何にでも使えます。八角でちょっと変わったかたちをしているから、焼き飯や炒め物などを盛っても楽しいと思います」

鯖と半熟卵のサラダ

「焼き鯖の山椒オイル漬け」を、半熟卵やじゃがいも、
クレソンと合わせて大人なポテトサラダに。
マッシュしたポテトにのみ味をつけ、後から他の具材を混ぜて仕上げます。
口に運ぶたびに、鯖の旨味、クレソンの苦味、卵のコク、
それぞれの味わいが飛び出し、食べ飽きないサラダです。

材料(3~4人分)
  • 「焼き鯖の山椒オイル漬け」
    …50g
  • じゃがいも…中3個(400g)
  • クレソン…1束(25g)
  • 卵…2個

  • (A)

  • 塩…少々
  • 黒胡椒…たっぷり
  • レモン汁…大さじ1

  • 「焼き鯖の山椒オイル漬けの
    オイル」…大さじ2と1/2
つくり方

1. 半熟卵をつくります。鍋に湯を沸かし、卵を入れて6分半茹で冷水に取ります。
2. じゃがいもの皮と芽を取り、耐熱容器に入れて水大さじ2(分量外)を加えてラップをします。電子レンジ(600W)で8分加熱し、水気を切ります。
3. 2に(A)を加えて和えます。
4. 「焼き鯖の山椒オイル漬け」とちぎったクレソンを加えてさっくりと和えます。
5. 器に盛りつけ、輪切りにした半熟卵をのせます。



山田さんが選んだ器は…

皮鯨輪花角皿
(九谷青窯・高原真由美)

波打つ輪花模様と「皮鯨」と呼ばれる鉄釉による黒い縁取りが特徴の中皿。「サラダは小分けに盛る派です。人が来たときなど、大皿にどーんと盛りがちですが、1人分ずつ小分けに盛る方が遠慮しなくて食べやすいんです。このお皿は、1人分にちょうどいい大きさですね」












 
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