管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2020 夏至
2020年6月公開
二十四節気は一年で昼間が最も長い「夏至(げし)」を迎えました。
昼間が最も短い冬至と比べると、昼間(日の出から日没)の時間差は5時間近くもあるそうです。
暦の上では夏季の真ん中にあたりますが、実際には梅雨真っ盛り。
じめっとした暑さで体調を崩しがちになる時季です。
睡眠や手洗いうがいはもちろん、旬の食材をしっかり食べて体を整えましょう。
夏至の献立
冷やし刀削麺
調理時間:25分(麺の冷凍、半解凍する時間を除く)
554kcal(1人分)
暑い夏でもさっぱり食べられる「冷やし刀削麺」。
今回は、麺のつくり方からご紹介します。
つくり方は簡単。
食材を混ぜて、こねて、冷凍庫で一晩寝かせるだけ。
時間はかかりますが、おうち時間が充実している今だからこそ
挑戦してほしいレシピです。
手づくりした麺はもちもちで食べ応え抜群。
旬のなすと新生姜、香菜を使い、
彩りに半熟卵を添えていただきます。
長ねぎのシャキシャキとした食感がアクセントになったタレは
ピリ辛だから、夏バテ気味でも箸が進むこと間違いなしです。
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材料:約2人分
(麺)
中力粉…200g
水…110ml
塩…小さじ2/3
(具)
半熟卵…2個
なす…3本
新生姜…1かけ
香菜…2株
(タレ)
長ねぎ…10cm
鶏ガラスープ…大さじ3
醤油…大さじ2
酢…大さじ1
ごま油…小さじ2
ラー油…小さじ1
砂糖…小さじ1/2
つくりかた
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1.
麺をつくります。ボウルに中力粉を入れ、塩を溶かした水を加えて生地がまとまるまで手で混ぜます。
【ポイント】
塩は水に溶かすことで満遍なく全体に行きわたります。 -
2.
縦6×横20cmの棒状にしてラップに包み、冷凍庫で一晩凍らせます。十分に凍らせたら、室温に取り出し、表面に包丁が入るくらいまでのかたさまで半解凍します。気温にもよりますが、15~20分を目安に半解凍しましょう。
【ポイント】
手早くまとめやすいよう生地は水分量が多めになっています。練ってすぐの生地はやわらかく、包丁で削ぎにくいので、一度冷凍し半解凍の状態で削ぐ作業を行うのがポイントです。 -
3.
火にかけ、沸騰した湯が入った鍋を準備します。片手で2の生地を縦に持ち、上から下へ向かって包丁をおろし、生地を太麺状に削ぎ、そのまま麺を鍋に落とします。
【ポイント】
麺を削ぐときは、手を切らないように注意しましょう。鍋の上での作業が難しい場合は、まな板の上で削ぎましょう。 -
4.
削いだ麺が浮かんできたら氷水に取り、麺が冷えたらざるに上げます。
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5.
なすはヘタを除いてラップで包み、600Wの電子レンジで3~4分ほど加熱します。ラップをはずして粗熱を取り、縦に割きます。新生姜は千切り、香菜はざく切り、卵は半熟に準備します。
【ポイント】
なすは電子レンジで加熱後、ラップをしたまま冷ますと退色してしまいます。すぐにラップをはずすことで彩りよく仕上がります。 -
6.
長ねぎはみじん切りにし、調味料を混ぜ合わせてタレをつくります。器に麺を盛って具をのせ、合わせたタレを回しかければ完成です。
栄養のまめ知識
*梅雨の晴れ間の紫外線には要注意。紫外線を浴びることにより体内で活性酸素が発生し、肌のシミやしわ、老化の原因になります。
「なす」は大半が水分で栄養が少ない野菜とされてきましたが、近年は皮に含まれるポリフェノールの一種「ナスニン」などに強い抗酸化作用が期待されています。
なすだけでなく「新生姜」には「ジンゲロール」、「香菜」には「β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE」という抗酸化成分が豊富に含まれます。梅雨の時期も体の内外両面から抗酸化策を行い、紫外線ケアを怠らないようにしましょう。
*「なす」は、“ガク”に鋭いトゲがついていて、ヘタの切り口が瑞々しいもの。皮にツヤと張りがあり、「茄子紺」といわれる紫色が濃いものが新鮮です。
*「新生姜」は、先端がきれいな赤色で、白い部分との色合いがハッキリしているもの、全体に瑞々しく皮に傷やシワがないものが良品です。
*「香菜」は葉の色が鮮やかで、茎から葉先までハリのあるのあるものを選びましょう。
料理に使った器や道具
ブルーム フリーディッシュ ブーケ
(白山陶器)
「フリーディッシュ」というその名のとおり、何でも合う使い勝手のいい器。今回の刀削麺のような太麺でも余裕を持って盛れるサイズ感と、ちょっとした汁物でもしっかり受け止めてくれる深さが魅力です。食卓を爽やかにしてくれる瑠璃色の模様が夏にぴったりの器です。
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/