管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2020 小暑
2020年7月公開
7月に入り、二十四節気の一つ「小暑(しょうしょ)」を迎えました。
7月のことを「文月(ふみつき)」と呼ぶのは、
七夕行事にちなんで短冊などに詩歌などの文を書き、
書道の上達を祈ったことに由来するのだそう。
梅雨で雨模様の日が多いですが、
この時季だからこそ趣味に専念したり、夏バテで疲れた体を癒すために
ゆっくりすごすのもいいかもしれません。
小暑の献立
なまり節と
素揚げゴーヤのサラダ
調理時間:25分
182kcal(1人分)
生の鰹を茹でたり、蒸したりして日持ちをよくした
なまり節を使ったレシピをご紹介。
なかなか馴染みのない食材かもしれませんが、
意外にもスーパーで手に入る身近なものなんです。
鰹節とは違い、なまり節は水分を多く含んでやわらかく、
そのまま食べられ、旨味が強い食材でもあるので、
常備しておくと便利な食材です。
旬のゴーヤとなまり節などを使った
「なまり節と素揚げゴーヤのサラダ」は、
レモン風味でさっぱりしていて、夏の食卓にぴったり。
食卓に並ぶ食材がマンネリ化してきた、なんて人におすすめ。
ごろっとしたなまり節は食べ応え抜群で、
ゴーヤはワタや種まで食べられるので栄養満点。
ミニトマトの赤や新玉ねぎの白、水菜の緑など彩り豊かで
目にも美味しい一品です。
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材料:約2人分
なまり節…100g
ゴーヤ…1/2本
新玉ねぎ…1/4個
水菜…1株
ミニトマト…10個
塩…小さじ1/3
レモン汁…大さじ4
揚げ油…適量
つくりかた
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1.
ゴーヤは5mm程度の輪切りにします。この後の工程で素揚げするので、ワタや種がついていても問題ありません。切ったゴーヤは塩揉みして10分ほどおき、出てきた水分をキッチンペーパーでとります。
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2.
なまり節はさっと水洗いし、繊維に沿って食べやすく割きます。新玉ねぎは薄切りし、水菜はざく切りに、ミニトマトは指で半分にちぎります。
【ポイント】
ミニトマトは包丁で切るよりも、ちぎったほうが味の絡みがよくなります。また、種の周りのゼリー状の部分が崩れ、食材全体に絡み、味つけの役割にもなっています。 -
3.
180℃に熱した揚げ油に1を入れ、ゴーヤが写真のようにうす茶色になるまで10分ほどゆっくり揚げて油を切ります。
【ポイント】
素揚げすることで、ゴーヤのワタや種もカリカリになって美味しくいただけます。揚げることで苦味も気にならなくなります。
菜箸を軽く水でぬらし、しっかりと水気を拭き取ってから油に菜箸を入れて全体から細かい泡が出れば、揚げ油は180℃くらいです。 -
4.
ボウルに2、3、レモン汁を入れ、全体をさっくり和えます。
栄養のまめ知識
*なまり節は鰹節をつくる工程で鰹を茹でたり、蒸して加熱し、さらにカビつけ、熟成などを施した食品です。日持ちもよく、生の鰹と同じく初夏と秋が旬です。
原料の鰹と同じく「たんぱく質」、不足すると夏バテの原因になる「ビタミンB1」が豊富に含まれます。ビタミン、ミネラルの含有量も多く、貧血を防ぐ「鉄」や「銅」、骨の強化に欠かせない「ビタミンD」も豊富。「ゴーヤ」や「ミニトマト」、「水菜」などの「ビタミンC」を含む食材と組み合わせることで栄養バランスのいい一品になります。
*「なまり節」は生に比べて日持ちがすると言っても保存食ではありません。冷蔵庫で保管し、3日以内には食べ切りましょう。酸素に触れることで酸化し、魚の匂いが強くなるので、購入する際は加工から日の経っていないものを選ぶのがおすすめです。
*「ゴーヤ」は鮮やかな緑色で、全体が太く先端は細く尖っているもの、表面のイボが潰れていないものを選びましょう。
料理に使った器や道具
皿 唐草 7寸 呉須釉(ノモ陶器製陶所)
旬の食材のゴーヤには、沖縄から届いた夏らしい器を合わせました。深さがきちんとあるお皿なので、嵩のあるサラダもしっかり受け止めてくれます。トマトの赤や新玉ねぎの白、水菜の緑など瑞々しい色が引き立つよう、深みのある呉須釉を選びました。
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/