管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2019 霜降
2019年10月公開
秋の最後の節気である「霜降(そうこう)」を迎えました。
霜降を過ぎると、冬がやってきます。
朝晩はぐっと冷え込み、あたたかいスープや鍋が美味しい時季になってきました。
体をしっかりあたため、栄養も摂って本格的な冬に備えたいですね。
霜降の献立
薄切り肉でつくる
塩豚のポテ
調理時間:35分
492kcal(1人分)
「ポテ」とは、塩豚を使ったポトフのこと。
ポトフが牛塊肉を使うのに対し、
ポテは塩豚を野菜とともに煮込んだフランス北東地方の郷土料理です。
しっかり下味がついた塩豚でつくると、
風味や食感など仕上がりがよくなります。
今回は塊肉ではなく、薄切り肉を使うことで、
煮込み時間を大幅に短縮できるレシピをご紹介。
旬の「にんじん」や「じゃがいも」、「芽キャベツ」と一緒に煮込むと、
野菜の甘みも感じられ、ほっこりと体をあたためてくれます。
豚肉につけていただくソースは、マスタードが利いてピリ辛。
やさしい味わいのスープのアクセントになります。
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材料:2人分
豚ロース薄切り肉…200g
塩…小さじ1/2
ソーセージ…小4本(40g)
にんじん…1本(150g)
じゃがいも…2個(200g)
芽キャベツ…6個(90g)
ローリエ…2枚
水…600ml
酒…大さじ1
粗挽き黒コショウ…適量
(ソース)
マスタード…大さじ1
カロリーハーフマヨネーズ…大さじ1
つくりかた
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1.
豚薄切り肉を広げ、1枚ずつ片面に塩をすり込みます。
【ポイント】
両面に塩をすりこんでしまうと過度な味つけになり、風味などが損なわれてしまいますので注意しましょう。 -
2.
1を重ねて塊状にし、塩を染み込ませるためラップでしっかり包み、冷蔵庫で最低30分ほど寝かせます。
【ポイント】
冷蔵庫で寝かせることで、肉同士がしっかりくっつきます。 -
3.
ソーセージは、斜めに切れ目を入れます。芽キャベツは根のかたい部分を切り落とします。じゃがいもは皮をきれいにむき、にんじんは1本を四等分します。火の通りにくいにんじんだけラップで包み、電子レンジで3分ほど加熱しましょう。
【ポイント】
ソーセージは出汁がよく出るよう、切れ目を入れておきましょう。じゃがいもは丸のまま入れることで、型崩れを防ぎます。 -
4.
鍋に水、酒、ローリエ、3を入れて火にかけます。煮立ったら弱火にし、具材に火が通るまで20分ほど煮込みます。
【ポイント】
薄切りの豚肉は塊肉と違い、長時間煮込むとパサついてしまうので、仕上げに加えます。 -
5.
2をかたちが崩れないようラップごと4等分します。ラップを剥がしたら4に加え、層になっている豚肉の中心部分が白くなるまでさらに3分ほど煮ます。器に盛って黒こしょうを振り、合わせたソースを添えたら完成です。
栄養のまめ知識
*
“スポーツの秋”ということで運動をしやすい気候になり、エネルギーをたくさん使う場面が増えてくると思います。
その際にはエネルギーの素となる「糖質」とともに、糖質をエネルギーに変える働きをする「ビタミンB1」を摂ることが重要です。「豚肉」と「ソーセージ」には「ビタミンB1」が豊富に含まれ、十分に摂取していると、運動後の疲労やだるさが軽減されるのです。
また、運動することによって体内では活性酸素が発生するため、それを打ち消す抗酸化作用のある「β-カロテン(ビタミンA)」、「ビタミンC」などを同時に摂ることが運動後のケアになります。「β-カロテン」は「にんじん」に、「ビタミンC」は「じゃがいも」、「芽キャベツ」に多く含まれています。これらの栄養素はスープに溶け出しているので、食べる際にはスープも残さず飲みましょう。
*「豚肉」は淡いピンク色で、しっとりしているものが良品です。脂肪が乾燥していたり、パックにドリップが溜まっているものは鮮度がよくないので避けましょう。
*「にんじん」は皮に張りと艶があり、切り口に変色がなく、細めのものが新鮮です。
*「じゃがいも」は手にしてずしり、と重く、芽が出たり、緑色に変色していないものを選びましょう。
*「芽キャベツ」は小粒で“巻き”が固く、葉に艶があって濃い緑色のものが鮮度良好です。
料理に使った器や道具
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/