1日をごきげんにはじめる!仕込み上手な朝ごはん
2023年10月公開
朝が楽しみになる、
甘くてかわいいご褒美ごはん
星谷菜々さんに教わる
「りんごのコンポートスープ」
甘くてかわいいご褒美ごはん
星谷菜々さんに教わる
「りんごのコンポートスープ」
気温もだんだん下がってきて、朝布団から出にくく感じる季節。
そんな目覚めがよくないときでも、甘くて香りのいいフルーツスープが用意してあったら、
朝起きるのが楽しみになりそうです。
おまけに乾燥しがちな喉も潤い、寝起きの体も温まって、目覚めもばっちり。
菓子研究家の星谷(ほしや)菜々さんに、
旬のりんごを使った「りんごのコンポートスープ」と、
忙しい朝にも手軽に食べられ、カリッとした歯応えで満足感もある焼き菓子
「ビスコッティ」を教わりました。
はちみつをかけたヨーグルトを添えれば、たんぱく質も摂れてバランスのいい朝ごはんに。
ホットコーヒーは、しゃきっと頭を目覚めさせてくれるだけでなく、
ビスコッティを浸して食べても美味しいです。
教えていただいたのは……
菓子研究家、「apron room」主宰
星谷菜々さん
都内のアトリエ「apron room」にて、お菓子教室を中心に、不定期イベントの開催やお菓子やオリジナル雑貨のオンラインショップでの販売を行っています。
ワインエキスパートの資格を持ち、お酒とスイーツのマリアージュも提案しています。
「おいしくて幸せな気分になれる朝ごはんがあれば、朝起きるのが楽しくなる」という気持ちから、朝ごはんにまつわる書籍も手掛けています。
著書に「EVERYDAY SANDWICHES」(主婦の友社)、「エッグベネディクトとモーニングブレッド」(大和書房)など。
教室や近況のお知らせはInstagram(@apron_room)から。
りんごのコンポートスープ
果物を日持ちするようシロップでやわらかく煮る「コンポート」を
素材の美味しさが溶け込んだ煮汁ごと、スープのようにしていただくのが「コンポートスープ」です。
飲みやすいよう、甘さは控えめに。
紅玉などの赤いりんごを使えばきれいな赤いスープに仕上がります。
ドライクランベリーを加えればさらに彩りよく、
煮汁もより鮮やかになって、朝からうれしい気持ちに。
ぽかぽかと体を温めて、りんごの甘酸っぱさがしゃきっと目覚めさせてくれるので、
朝ごはんにぴったりなのです。
甘くないりんごに当たってしまったときにも、コンポートスープにすると
美味しくいただけるのでおすすめです。
また、お好みで、体を温めたり香りづけになる
シナモンやローズマリーなどを加えても。
仕込み上手のポイント
前日にりんごを煮汁で煮て、一晩味を染み込ませておけば、翌朝は温めるだけ。
材料(2人分)
- りんご(紅玉など、赤みの強いものがおすすめ)…2個(360g)
- 水…600ml
- (A)
- 白ワイン…100ml
- グラニュー糖(上白糖でも)…50g
※りんごの色をきれいに出すため、白い砂糖を使います。 - はちみつ…大さじ1
- レモン汁…大さじ1
- ※お好みでシナモンスティックやローズマリーなど加えて風味をつけても美味しく仕上がります。
- ドライクランベリー(お好みのドライフルーツでも)…大さじ2
つくり方
りんごはよく洗い、皮を剥いて8等分のくし形に切り、芯を取り除きます。
このときに皮と芯は、煮汁をつくるために使うので、捨てずに取っておいてください。
変色防止のため、実の部分は空気に触れないようラップをしておきます。鍋に水とりんごの皮と芯を入れ、強火にかけます。
煮立ったら火を弱め、写真のように煮汁に皮の色が移るまで、コトコトと20分煮出します。
皮と芯から美味しいエキスが出てきます。煮汁をざるでこして量を測り、300mlになるように調整します。
多かったら煮詰め、少なかったら水を足します。鍋に3の煮汁、Aを入れて火にかけます。
よく混ぜてグラニュー糖を溶かし、ひと煮立ちしたらりんごの実の部分を加えます。
クッキングシートを鍋の大きさに丸く切り、中心に穴をあけた紙蓋をして、グラグラしない程度の弱火で5分ほど静かに煮ます。
※りんごの歯応えを残すため火を通す時間は短めにします。
※白ワインやはちみつを使うことで風味が増し、またレモン汁を入れることでりんごの色がしっかりきれいに出るようになります。
※木やステンレス、シリコンなどの落とし蓋だと重みでりんごが潰れやすいので、紙蓋の使用がおすすめです。火を止めて蓋をし、余熱で火を通します。
粗熱が取れたらドライクランベリーを加えます。
※ドライクランベリーは煮ると崩れやすいので、粗熱が取れてから加えます。保存容器に移し、紙蓋とラップをかけて、冷蔵庫に一晩置いて味を染み込ませます。
紙蓋をかぶせたままにしておくことでより煮汁に浸りやすくします。
※冷蔵庫で一晩じっくり煮汁を染み込ませます。
左が煮た直後のもの、右が冷蔵庫に一晩置いたもの。
一晩置くとりんごに煮汁の赤い色がほんのり移り、味も染み込みます。
いただく分だけ小鍋に移して温め、器によそいます。
器によそい、電子レンジで温めても大丈夫です。
※冷蔵庫で約3日間保存が可能です。冷たいままでも美味しく食べられます。
ビスコッティ
焼いたり温めたりする手間なく、手軽に食べられるから、忙しい朝にもぴったりなビスコッティ。
ザクザクとした食感で、目覚めにも一役買ってくれます。
朝ごはんにも合うように甘さを控えめにし、ナッツをたっぷり使って、食べ応えを出しています。
小さめにつくると、お腹の空き具合に応じて個数を調整できます。
スープやコーヒーに浸しても美味しく、満足感も増します。
ホールのピスタチオを使うと断面がきれいで、風味もよくておすすめ。
もし手に入らない場合は、アーモンドなど、他のナッツでも代用できます。
材料(つくりやすい分量)
- 卵…2個(130g)
- 塩…小さじ1/2
- きび砂糖(他の砂糖でも)…60g
※きび砂糖を使うと、コクのある甘みになります。 - 薄力粉…140g
- ベーキングパウダー…小さじ1
- (A)
- オートミール(クイックタイプ)…100g
※ホール状のロールドタイプを砕いて細かくしたもの。
市販品の中でもっとも一般的なタイプです。
ロールドタイプだと仕上がりが変わってしまうので、クイックタイプを選びましょう。 - スライスアーモンド…140g
- ピスタチオ…50g(殻つきの場合は100g用意して殻をむきます)
つくり方
ボウルに卵と塩を入れて泡立て器で溶きほぐします。
きび砂糖も加えて、写真のように砂糖が溶け、白っぽくなるまでよく混ぜます。薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい入れ、Aを加え、写真のようにゴムベラで底からすくい上げるようにして、練らないように混ぜます。
※練りすぎるとかたくなってしまうので注意します。写真のように粉っぽさがなくなるまで混ぜます。
生地を2等分にして、それぞれをラップに包み、長さ26cmほどの棒状にのばします。
※お使いの天板の大きさに応じて、まとめる大きさは調整してください。ラップをはがしてクッキングシートを敷いた天板に置き、再びラップをかぶせて上から幅5cmほどになるようにのばします。
180℃に予熱したオーブンで20分焼きます。
天板をオーブンから取り出し、粗熱を取ります。生地をまな板に取り出し、包丁で写真のように斜め1cm幅にスライスします。
天板に切り口を上にして並べ、再び170℃のオーブンで20分ほど、写真のようにこんがりとした色になるまで焼きます。
天板をオーブンから取り出し、そのまま冷まします。湿気ないように、ガラスジャーや缶などに入れ、あればシリカゲルも入れて、2週間ほど保存可能です。
お腹の空き具合に合わせて、お好きな量をそのままいただきます。
星谷さんの器選び
ヨーロッパが由来のコンポートやビスコッティに合う雰囲気のものを選びました。
「FOOD FOR THOUGHT/フードフォーソート」の
「MODERN CLASSIC」シリーズは、フランスのアンティークのような佇まい。
スープをよそったカフェオレボウルはたっぷり入って、
大きめのりんごが入ったスープにちょうどいい大きさ。
落ち着いた白がスープのきれいな赤色を引き立てて、
しっかりとした高台がかわいらしく見せてくれます。
普段からこのような器を愛用しているので、迷わず手に取りました。
ビスコッティとヨーグルトをのせるプレートは、オーバル型のものを選びました。
オーバルプレートは横長なので、ワンプレートなど複数のものをのせるときに、
端っこから順番にのせていけば盛りつけが決まりやすく、とても使いやすいですよ。