管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2019 立春
2019年2月公開
北陸では春一番が吹いたりなど、だいぶ春を感じられるようになりました。
木々の先に目をやれば、小さなつぼみを見つけられることもあるかもしれません。
しかし、まだまだ寒い日が続くはず。
春の訪れを探しに、寒くても元気よく外出できるよう
しっかり栄養補給して、新しい季節を迎えましょう。
立春の献立
寒サバのぬか炊き
調理時間:35分
364kcal(1人分)
「寒サバのぬか炊き」は、
サバをはじめとした青魚をぬかみそ(ぬか床)で炊き込んだ
江戸時代から伝わる北九州の郷土料理。
ぬかみそを調味料として加えることで、青魚特有の臭みが消え、
ぬか床に漬け込まれていた野菜のエキスと、
発酵によるほのかな酸味が特有の旨味を引き出します。
寒サバもこの時期旬なので、より美味しく味わえるはず。
コクのあるしっかりとした味付けなので、
ご飯と合わせるのはもちろん晩酌のアテにもおすすめ。
冷蔵庫で、2~3日程度保存できます。
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材料:2人分
サバ切り身…2切
しょうが(薄切り)…4枚
ぬかみそ※…大さじ4
鷹の爪(小口切り)…1/3本
粉山椒…ひとつまみ
(A)
みりん…大さじ3
酒…大さじ2
砂糖…大さじ1
水…カップ1/2
ほうれんそう…お好みで適宜
千切りしょうが…お好みで適宜
※使用するぬかみそについて、新しいものは使い慣れたものに比べると味がこなれておらず、塩気が強く、味がとがっています。新しいぬかみそを使用する場合は、醤油の量を大さじ1と1/2に減らし、塩分を調整しましょう。
つくりかた
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1.
サバはさっと洗って、キッチンペーパーで水気をよく拭き取ります。
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2.
鍋にしょうが、鷹の爪、(A)を入れて中火にかけます。
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3.
煮立ったら1を並べて入れ、落し蓋をして、さらにその上から蓋をして弱火で10分ほど煮ます。
【ポイント】
落し蓋をすることで、少ない調味液が魚に均一にまわるようになります。そしてさらに上から蓋をするのは、調味液が蒸発して煮詰まらないようにするためです。 -
4.
2の蓋と落し蓋を外し、煮汁にぬかみそ、粉山椒を加えて溶きます。再び落し蓋と蓋をし、弱火で20分ほど煮ます。最後に器に盛り、お好みでほうれんそうや千切りしょうがを添えます。
【ポイント】
味にムラができないよう、ぬかみそはしっかり溶きましょう。サバは煮崩れしやすく、落し蓋をしていることで味は均一にまわるので、煮ている間にひっくり返したり、煮汁をかけるなどの作業は必要ありません。弱火以上の火力で煮たり、既定の時間より長く似てしまうと焦げつく可能性がありますので注意してください。
栄養のまめ知識
*回遊魚である「サバ」の旬は、夏の北海道から始まり徐々に南下していきます。旬の最後である12月~2月にかけては、九州で脂の乗った「寒サバ」が漁獲されます。
脂質には不飽和脂肪酸の「EPA」(血栓を防いでコレステロール値を抑える)や「DHA」(脳神経細胞の機能維持、アレルギー症状の改善)が豊富に含まれ、また血合い(背身と腹身の間にある赤黒く固まった部分)部分には「鉄」や「ビタミンB群」が多く含まれます。
「ぬかみそ」にも同じく「ビタミンB群」を豊富に含むという特徴があります。ビタミンB群は水に溶け出す性質があるので、煮汁ごといただくことで無駄なく摂取できます。
*「サバ」は、目が澄んでいて、えらが赤いもの。切り身を買う場合は、表面が鮮やかで光沢のあるもの、身がかたく引き締まっているものが新鮮です。鮮度が落ちやすい魚なので、買ったら早めに使いましょう。
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/