管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2020 啓蟄
2020年3月公開
新生活シーズンを目前に控えた、二十四節気「啓蟄(けいちつ)」。
新しい生活へ向けて準備に勤しんでいる人も多いのではないでしょうか。
この時季は私たちだけではなく、虫たちも春に向けて動き始める頃。
それほどに、これまでの寒さが和らぎ、あたたかな気候になってくる時季なのです。
忙しい日が続きますが、たまにはゆっくりお茶でも飲みながら
これからの生活に思いを馳せたり、春を感じる時間をつくってみてはいかがでしょうか。
啓蟄の献立
鶏ひき肉の
蒸しハンバーグ
調理時間:20分
220kcal(1人分)
今回ご紹介するのは鶏肉でつくる「鶏ひき肉の蒸しハンバーグ」。
口に運ぶと一緒に蒸した生姜の風味と、食欲をそそるごま油の香りが鼻に抜けて
すぐに二口目を食べたくなってしまいます。
食感はすりおろした長芋を加えているのでふっくら。
ポン酢しょうゆベースのタレを絡めることで
最後の一口までさっぱりといただけます。
蒸すことで肉汁が出てくるので、
取り分ける際にはスプーンを使うのがおすすめ。
つくり方は一般的なハンバーグのかたちに成形せず、
皿に平らに広げるだけなので簡単。
薄く広げるので、蒸し時間が短くすむのもうれしいところです。
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材料:約2~3人分(直径20~22cmの皿1枚分)
鶏ひき肉…200g
鶏ささみ…2枚(100g)
長芋…5cm分(80g)
水菜…1株
生姜(せん切り)…適量
糸唐辛子…好みで適宜
(A)
片栗粉…大さじ1
塩…小さじ1/2
砂糖…小さじ1/2
こしょう…適量
(B)
ポン酢しょうゆ…大さじ1
ごま油…小さじ2
粉山椒…ふたつまみ
つくりかた
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1.
鶏ささみは筋を取って7~8mm角に刻み、長芋はすりおろします。水菜は根元を除いて5cmの長さに切り、生姜はせん切りにします。
【ポイント】
鶏ひき肉に鶏ささみの角切りを加えることで、ハンバーグに食感をプラスしています。 -
2.
ボウルに鶏ささみ、鶏ひき肉を入れて練ります。粘りが出たらおろした長芋、(A)を入れてさらに混ぜましょう。
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3.
直径220cm程度の皿に油(分量外)を薄く塗り、2をお皿にのせて平らに広げます。
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4.
蒸し器に3を入れ、強火で5分ほど蒸したら水菜、生姜を上に散らして再び蓋をし、しんなりするまで30秒ほど蒸します。
【ポイント】
見た目では蒸しあがっているのかわかりにくいので、加熱時間を目安にしっかり蒸しましょう。また、蒸し器に皿ごと入れて蒸す際には、取り出しやすいようさらしなどをかませるのがおすすめです。さらしの両端を持ってそのまま持ち上げれば、熱々の皿も安全に取り出すことができます。 -
5.
蒸している間に(B)を混ぜ合わせておきます。蒸し器からハンバーグを取り出したら回しかけ、好みで糸唐辛子を散らせば完成です。
栄養のまめ知識
*空気の乾燥は冬場が顕著と思いがちですが、気象協会のデータによれば3、4月が全国的に最も広く乾燥しやすいとされています。空気の乾燥は「ドライアイ」等の眼の不快な症状を悪化させることから、この時季眼の不調を訴える人が多いよう。他にも花粉症にも悩まされる時季でもあります。
「鶏ひき肉」には「ビタミンA」、「水菜」には「β-カロテン(体内でビタミンAに変化する)」が豊富に含まれます。眼や鼻の粘膜を保護し、乾きや花粉から守る働きをもつ「ビタミンA」をしっかり摂ることが体の内側からのケアにつながります。
*「鶏肉」はほかの肉類に比べて水分が多く、傷むのが早いです。「ひき肉」は細かい分、空気に触れる面積も大きくなるため、1枚ものの肉よりもさらに鮮度は落ちやすくなります。選ぶ際には、全体の色味が均一なものにしましょう。購入後は、その日のうちに使い切るのが理想です。
*「水菜」は別名“京菜”とも呼ばれ、もとは京都の特産野菜です。冬から春にかけては茎が太く固くなってきますから、今回のように火を軽く通して食べるのがおすすめです。株元が張り、茎は太くてみずみずしく、葉脈がくっきりしているものが新鮮。しおれてしまった場合にはバットなどに水を張り、根元だけでなく全体を浸けると戻ります。
料理に使った器や道具
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/