和食の調理法 天ぷら
さくさくと軽い食感の天ぷらは、和食のなかでも主役のメニュー。
しかし自宅でつくると、衣がべちゃっと重たくなりがちです。
天ぷらの定番・エビと、ししとう、しいたけを具材に、
基本の天ぷらのつくり方をご紹介します。
さくさくのコツ
さくっと軽い天ぷらをつくるには、衣のグルテンを出さないことが重要。
そのため、小麦粉の中でも最もグルテン量の少ない薄力粉を使い、
グルテンは粉に水を加えて練ると出るため、
なるべく練らないよう短時間でさっくりと混ぜること。
温度が高いとグルテンができやすいので冷水を用意すること。
衣の温度が上がらないうちにすぐに揚げることが大切です。
また、一度にたくさん揚げると油の温度が下がってしまうので、
少量ずつ揚げましょう。
衣をはがれにくくする方法
しいたけなどのきのこ類や、エビ、イカなどの魚介は
そのまま衣をつけるとはがれやすため、
先に薄力粉をまぶしてから衣をつけるとはがれにくくなります(打ち粉)。
また材料の表面に余分な水分がついていると
衣が流れやすくつきにくくなるため、
あらかじめしっかりと拭き取っておきましょう。
油の温度の見分け方
野菜は160℃、魚介は180℃が目安。
箸で衣を少量落として温度を見極めることができます。
160℃は、衣がゆっくりと底まで沈み、2~3秒かけて浮き上がる程度。
180℃は、衣が底まで沈まずすぐ浮き上がる程度です。
温度計を使う場合には、油の中心を計るようにします。
揚げ時間の目安
揚げているときに出る泡は、
具材の中の水分が抜け、油が入り込んでいる証拠。
はじめは大きかった泡が、写真のように細かくなったら揚げ上がりです。
エビ・ししとう・しいたけの天ぷら
材料
(衣)
薄力粉:1カップ(100g)
卵:1個
冷水:1カップ
エビ:6本(120g)
ししとう:3本(15g)
しいたけ:3個(45g)
豆知識
衣は、材料の大きさや切り方、衣のつけ方で必要となる量が変化します。 上記の衣の量は、大体2人前の天ぷらの盛り合わせを想定した量です。
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1
エビは頭をとり、腹から殻を剥きます。背ワタを取ります。背ワタの取り方はこちら。
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2
エビが丸まらないように、腹に3~4ヵ所ほど浅く切り込みを入れます。
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3
エビ全体が真っ直ぐになるように、背を軽く押さえつけて伸ばします。
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4
エビの尾の先を斜めに切り落として、中に入った水を包丁の先でしごき出します。
point
尾の中に水が入ったままだと、揚げるときに油ハネの原因になります。
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5
ししとうは揚げるときの破裂を防ぐために、縦に1ヵ所切れ目を入れます。また茎は短く切って整えます。
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6
しいたけは石づきを取ります。
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7
衣を用意します。ボウルに卵を割り入れ、冷水を加えて混ぜます。
point
温度が高くなるほどグルテンが生成されやすくなるため、冷蔵庫で冷やしておいた水を用意しましょう。
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8
7と薄力粉を合わせます。箸4本をひとまとめにして持ち、さっくりと混ぜ合わせます。
point
混ぜすぎないことが重要なので、写真のように粉が残っていても問題ありません。箸を4本にまとめたものを使うことで、手ばやく混ぜ合わせることができます。
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9
野菜から揚げます。ししとうを衣にくぐらせ、泡が小さくなるまで揚げます。
point
野菜と魚介を揚げる場合は、魚介を先に揚げると油が汚れてしまうため、野菜→魚介の順番で揚げるのが基本です。また、油が汚れて黒っぽくなるのを防ぐため、揚げカスはこまめに取り除くときれいに仕上がります。
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10
しいたけは薄力粉(分量外)を傘の中にまぶします。余分な粉は落とし、衣にくぐらせます。衣も傘の中にたまらないよう注意します。
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11
しいたけを揚げます。傘を下にした状態で揚げ(理由要確認)、泡が小さくなったらひっくり返します。
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12
エビは水気を拭き取ってから、全体に薄力粉(分量外)を満遍なくまぶします。余分な粉は落とし、衣にくぐらせます。尾に衣はつけません。
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13
エビを泡が小さくなるまで揚げます。
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14
油を切ったら完成です。
豆知識
さつまいもやかぼちゃのように火が通りにくい野菜の場合は、電子レンジで加熱してある程度火を通してから揚げると、かたいところが残ったり揚げ過ぎたりする失敗が少なくなります。
※参考文献:「調理に必要なデータがわかる 下ごしらえと調理のコツ 便利帳(成美堂出版)」